SURPRISED, BOYS?
俺とカートが横並びに席に座り、向かいの席の奥には座りながらイビキをかいて寝ているブライアン、そして俺と対面する形で昨日まで俺たちが住んでいた部屋の大家の娘であるジェシカが座っている。
「それで・・・」
と、ジェシカは口元を拭った紙ナプキンを3回ほど折りたたんで通路側に固めている皿の上にそれを乗せた。
「なんてこった!俺とブライアンはカートに養ってもらっていたのに、そのカートがクビにされちまった!現金はないし家賃を払うのは今日!やべぇ、逃げるぞー!って事?」
表情を変え、大袈裟な身振りをして茶化すようにご丁寧にまとめて下さる。
消え入るような声で「はい・・・。」と返事するしかねぇ。
隣に座っているカートは何故か俺を見ながらニヤけているし、ブライアンはまだ夢の中だ。
ジェシカは僅かに残ったドリンクに刺したストローに口をつけ、底にある一滴までも吸い尽くすようにわざとらしく音を鳴らす。
我慢できずにポケットにあるタバコを取り出し、火を点けようとする。
「ごめんなさい、ミスター。控えてくださる?」
と、ジェシカは自分の満腹なお腹をさすりながら嫌みたらしく言う。
口元からタバコを取り上げて、先っぽを見る。少しだけ先っぽを炙ってしまった。
こいつを箱に戻すと他のタバコまで焦げ臭くなりかなり不味くなる。
取り敢えずは吸い殻だらけの灰皿の縁に立てかける。
「まぁ、幼い頃からあんた達三兄弟はとびっきりの馬鹿だとは思っていたけど、ロースクールから一つも成長はしていないようね?最近ようやく卒業出来たのかしら?」
「「そりゃブライアンだ!」」
と俺とカートが腹を抱えて笑い出す。
ジェシカは思ってもいない反応を取られて驚いたかのような表情をしている。
隣に座っているブライアンを見ると、いつもにましてやけに顔がオイリーな事に気付く。
オマケに大人の雄って感じの臭いも醸し出している。
「いつからいつまで?」
少し嫌悪が混じった顔をして聞く
「昨日の晩飯時から今日の日の出まで。」
カートは弟の武勇伝を自慢げに話す。
「昨日の午後6時からヤってたの!?」
「お前の晩飯早過ぎんだろ!婆さんか!」
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