第23話結晶蜥蜴

ーーー


 休んでいる暇もないのでモンスターを探す


アニト「いた!ワイバーン!」

 カイロワイバーンが

      峡谷の崖の上の方で休憩している


アニト「おーい!」


ワイバーン「グァ!」

       アニトに気付き急降下してくる


アニト「この!」

 ワイバーンに爆破石を投げて仕留めると

  落ちた後にフッと消え無傷の魔石が転がる


アニト「魔石ほしんじゃないよー!」


ーーー


走り回りモンスターを探しては

  圧縮スキルと爆破を併用してみたり

    爆破スキルだけでやってみたり

     距離を離して爆破するなど

        色々やってみる


アニト「全然ダメだよー!」


アウルの魔石1個、ロックオンクの魔石5個、カイロワイバーンの魔石1個、ハンモンペッカの魔石3個、キョウコクオオヘビの魔石2個、プレックバイトの魔石3個


魔石が貯まる一方で肉が取れないにもかかわらず

辺りは暗くなりまともに動ける状態ではなくなる


アニト(このままじゃ…飢え死に…!)


鞄に入った食料を節制し

        不安な夜を過ごす


ーーーー次の日…


アニトとタマの腹が鳴る


アニト(お腹すいたな…

       でも残しておかないと……)


タマ「腹が減った……」


アニト「一気に食べちゃうからでしょ」


タマ「俺が飢え死にしてもいいのか!

          早く肉を取ってこい!」


アニト「エッラッそうに

      誰のせいだと思ってるの」


タマ「お前が肉を取って来れないせいだな」


アニト「取れてもタマにはあげないからね!」


タマ「いいぞ!

  肉を食うお前の横でのたれ死んでやる!」


アニト「ホント根性悪いんだから

    食べ物が完全に無くなる前に行くよ」


タマ「誰か飯を待ってたもれ〜…」


ーーー


モンスターを探し回り仕留めると消え

     そしてまた消えてしまいまた探す


 動くと腹が減るが、

     動かないと飢え死にする

               悪循環に陥る


タマ「おいー…また消えたぞー……」

  アニトが爆破した、

      モンスターが消えて魔石を転がす


アニト「わかってるよ…!」

 空腹で力が入らず、ヘロヘロとしか走れず

  投げる石にも、勢いが無くなってくる


ーーー


ワイバーン「グァーー!」

  滑空してきたワイバーンがアニトを襲う


アニト「うがっ!」

  避けられず、いい的になり転げ回る


アニト(ダメだ…体が地面に引っ張られるみたいだ……!)


ワイバーン「グァ!」アニトへ噛み付いてくる


アニト「…イダッ!…イッ!」

  ワイバーンに腕を噛まれ、

        引き剥がす事が出来ない


アニト「この離せ…!」

 殴ってはみるが大したダメージにならない


アニト「この!」

 生成した菌をワイバーンの頭にぶつける


ワイバーン「グァ…!…ガッ!グァッ!」

  急いで離し咳き込むワイバーン


アニト「よし!今だ!」

爆破だけの石を投げて、

        ワイバーンに食らわせる


ワイバーン「…グァ!……グ…」力無く崩れて倒れる


アニト「消えてない!」

タマ「やったか!」


二人が歓声を上げた直後、

    ワイバーンがフッと消え魔石が転がる


アニト「そ、そんなぁ〜…」

タマ「オーマイガー……」

    二人がへたり込む


アニト「食料もほとんど無いのに〜…」


ーーートボトボと獲物を探し始める二人


タマ「そうだ!お前!今レベルいくつだ?!」

    ふと思ったタマが突然声を上げる


アニト「そういえば水と食料探しに

        夢中で全然見てなかったね」


タマ「何か助けになるスキルが有れば!」


アニト Lv60

スキル:麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv5、防御Lv9、俊足Lv3、比較的早く水を水蒸気に変えるLv3、スキルを瞬間的なものに圧縮し強化するLv5、爆破Lv4、スキル経験値を貯めてスキルLvを上げるスキル、遅効性神経毒を持った菌を生成するLv2、スキル購入

経験値109834/120691

残りSP20


アニト「60に上がってるよ!SPも20ある!」


タマ「よぉし!」


アニト「菌のスキルがレベル上がって

     遅効性神経毒を持つ菌になってるね」


タマ「それ使えば、

   動き止めて魔石壊せたんじゃないか?」


アニト「……」

アニト「そういえばそうだね」


タマ「おい!」


アニト「ごめんごめん…」


タマ「神経毒か…おい菌のスキル上げてみろ」


アニト「菌の?」


タマ「遅効性の神経毒じゃ無く、

       即効性がある物なら最高だ」


アニト「うーん…わかった…」


アニト(筋力強化上げて

      戦士的な戦いがしたかった……)


遅効性神経毒を持った菌を生成するLv2の

     スキルをSP20消費して強化すると…


遅効性神経毒を持ち大量の胞子を飛ばす菌を生成するLv3に変化した




アニト Lv60

スキル:麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv5、防御Lv9、俊足Lv3、比較的早く水を水蒸気に変えるLv3、スキルを瞬間的なものに圧縮し強化するLv5、爆破Lv4、スキル経験値を貯めてスキルLvを上げるスキル、遅効性神経毒を持ち大量の胞子を飛ばす菌を生成するLv3、スキル購入

経験値109834/120691

残りSP0


アニト「遅効性神経毒を持ち大量の胞子を飛ばす菌を

      生成するスキルになっちゃったね……」


タマ「おいー!大量ってなんだ!曖昧な!

 なんでお前のはいつもいつもそうなんだ!」


アニト「僕のせいじゃないよ!」


タマ「ぬぅー…仕方ない、

     そのスキルで一定箇所に菌を固めて、

         モンスターを誘い込むぞ」


アニト「もう限界なんだけど…」


タマ「残りを食って再開だ!」



ーーー残り少ない食料を食べ尽くす…



アニト「どうやって捕まえるの?」


タマ「狭まった場所やらに、

      菌をばら撒いて誘き寄せる」


アニト「なんて悪質な…」


ーーー


袋小路になった場所を見つけ、

   アニトが菌を散布すると、

      辺りの空気が若干白く濁る


タマ(空気中が濁ってるな…

    俺なら問題ないが、

     なんて近づきたくない空間だ…)


上から見ているタマが顔を顰める


アニト「出来たよー!」上から見ているタマに叫ぶ


タマ「よーし!誘い込め!」


アニト「ここまで連れて来ないといけないのか…

        お腹すいて走りたくないのに…」


ーーー


獲物を探すアニト


アニト「お腹すいた…

 なんでもいいからお腹いっぱい食べたい…」


アニト「…?」

 離れた所からならやら、

岩を割る様なバカッバカッという音が聞こえる


アニト(なんだろ…?)

 音のする方へ近づくと

 体に宝石をくっつけた様なモンスター

  クリスタルリザードが砂岩を割り

   宝石を掘り出し食べている


アニト(大きい…

     あんなのに追いかけられたくないな…)


15m有る様なクリスタルリザードが

     頭突きや尻尾で砂岩を割り

        強靭な前脚で掘り出している


アニト(他のモンスターを……)

     ソロソロと後ろに下がるアニト


アニト「…とっ…」

  後ろの石につまづいてよろける


リザード「グゥ…」

   音に気付いたクリスタルリザードが

              向きを変える


アニト「…あ」


タマ(定番かこのマヌケは)

 

リザード「グオォォーー!」

 アニトに気付いた

    クリスタルリザードが咆哮を放つ


アニト「うわぁーー!」急いで走って逃げる


リザード「グォー!」

 ぶつかる岩や壁を砕きながら、アニトを追う


なんとか菌の蔓延した袋小路に誘導する


アニト「これよく考えたら逃げ場無いし

          僕やられ放題じゃない?!」


タマ「グッドラック!」


アニト「ちょっと待って…!ぐぇっ!」

 クリスタルリザードの重い前脚で叩かれる


リザード「グォー!」


ーーー


クリスタルリザードが

 アニトに噛み付いて振り回したり、

  前脚や尻尾で叩いたりと、

   ひとしきり暴れた後に動かなくなる


タマ「よくやったぁー!」


アニト「…し、死にそうだよ……」

             ボロボロになるアニト


タマ「魔石は心臓の背中側にある、

          壊してから仕留めろ」


アニト「体中痛いのに…」


ーーー


解体用のナタで、

   魔石を破壊した後に仕留めると

        モンスターが消えずに残る


アニト「き、消えてない…」


タマ「よぉし!」


アニト「…や、やった…食べられる…」

      腹が鳴り、何かを食べろと催促する


タマ「とりあえず食べる分切り出せ」


ーーー


 解体の知識などない為、

      本を読み、手探りで

          肉塊を無理矢理取り出す


肉塊を切り分け、火にかける


タマ「肉だぞー!」

アニト「…やっと…やっとだよ…」


肉の脂が火に落ちパチパチと音をたてる


タマ「そろそろいいだろ!」

アニト「た!食べよう!」


大した確認もせずに二人がガッツク


タマ「空腹は最高の調味料…ウマすぎる…」

アニト「よかった…生きてる…

     食べられるがこんなに有難いなんて…」


二人が水の湧き出る穴の中で、食べ切れない程の肉を食べている間に、外に置いてあったクリスタルリザードの素材や残りの肉はモンスターに持って行かれたそうな…

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