第20話レッドウルフ掃討作戦
ーーー換金した後に店の外へ
アニト「これから、ここに来ようね!」
タマ「二度と来るか!」
アニト「え?!なんで!」
タマ「脳内麺男め!そんな事より金は残しておけよ」
アニト「こ!これだけあれば、一等の剣が!」
タマ「買えば、ここが火の海になるぞ」
アニト「これだけ有るんだよ?!一本だけ!」
タマ「黙れ」
ーーーギルドへ向かう
アニト「コバルトかゴブリンかー…
うーん…どっちにしようかー…」
タマ「なんの為に
レベル上げしてると思ってんだ!」
アニト「強くなる為でしょ」
タマ「そうだな!レベルは上がったな?!」
アニト「うんかなり」
タマ「じゃあなんの依頼が適切だ?!」
アニト「う、うーん…やっぱり…
ゴブリン5匹やコバルト3匹じゃないよね」
タマ「そうだな!わかってきたか!」
アニト「うん!やっぱりゴブリン6匹にしておくよ!」
タマ「…二度と喋るな」
アニト「すぐそういう事言うー…」
アニト「あ、何これ…複数パーティでの依頼だって」
数かる依頼書の一つに
複数パーティでの合同依頼の物がある
アニト「森にモンスターが集まってるせいで、
被害も多くて、掃討依頼だって」
タマ「掃討か…それは、アリだな」
アニト「じゃあこれにしようか」
ーーー
掃討依頼を受けギルドの一室へ、案内される
部屋の中にはアニト以外に
4つのパーティが居り
16人の冒険者が集まっている
ギルド職員「今回の依頼は複数のパーティーによる依頼です、そこでランジャさんに全体の指揮を取って頂きます」
一番前で皆に向かってギルド職員が説明する
ランジャ「俺がランジャだ」
長身で赤い鎧を纏った、赤毛の男が言う
ーーーギルド職員の説明が終わり、
一行が依頼の目的地へ向かう…
ランジャ「レッドウルフなんて余裕だな」
指揮を取るランジャが言う
セイナス「お前が指揮を取るとはな
この作戦は失敗だな」
ランジャのライバル的存在であり、ランジャとは別のパーティのリーダーを務めるセイナスが言う
ランジャ「お前のパーティとうちのパーティ
どっちが狩れるだろうな!」
セイナス「勝負にならないな」
オットー「やめろ二人共、
レッドウルフの群れは統率が取れている、
大きい群れは脅威だ、
連携が取れないと命取りだぞ」
古参の熟練冒険者で、
片腕が義手、白髪混じりの中年の男性が言う
ランジャ「…チッ…!」
セイナス「…」
自分達よりも熟練冒険者のオットーに言われ
納得出来ない顔でとりあえず黙る
ランジャ「今回Gランク冒険者に関しては
裏方支援だ」
キロ「良かったね、支援だって」
ミーテア「良かったね、
レッドウルフなんて私達じゃね」
サイロス「先輩の動き見て参考にしようぜ!」
サラ「…そ、そうね…」
新米冒険者パーティの四人が安堵する
タマ「ふざけるな!支援だと!
レベル上げが出来ないだろ!
このポンコツが!」
アニト「ちょっ!タマ!」
ランジャ「お前のご主人よりマシだ」
オットー「連れて来るのはいいが
ペットの面倒は
しっかり見るんだぞ」
アニト「すみません…」
タマ「誰がペットだ!雑魚助!」
アニト「ちょっと静かにして!」
ランジャ「チッ…なんなんだ、あの鳥ムカつくな」
キロ「喋る鳥…?」
セイナス「珍しいが口が悪いな」
ランジャ「作戦は明日だぞ!」
明日に闘志を燃やす者、不安で休めない者、
分析し備える者、特に何も考えない者
思い思いの夜を過ごす
ーーーアニト達とは違う場所……
手下「お頭……
レッドウルフ討伐依頼を受けた連中が
夜営を始めた様ですね……
あいつら、レッドウルフに寝込みを
襲われ無い様に、
匂い消しやら、煙を焚いてる様でして」
頭目「ガッハッハッハ!
俺らの存在には、
まだ気付いてねぇ!明日!明日だぁ!」
手下「へい」
ーーーー次の日……
ランジャ「おい、ピアドお前らのパーティに
斥候任せただろ、さっさと偵察してこいよ」
ピアド「わかってるよ、
地形や気象確認してから行くとこ
だったんだよ」
パーティリーダーを務める、
軽装な装備の女性が言う
ランジャ「レッドウルフどこにいるか
見てくるだけだろ」
オットー「ランジャ…
レッドウルフ以外の
脅威があるかもしれんだろう
斥候には斥候の、準備がある」
ランジャ「…最初のレッドウルフの場所だけ
分かれば充分だ、とっとと見てこいよ」
ピアド「あんたら…行くよ…」
ピアドのパーティが不服そうに出発する
タマ「おい!赤色!こいつにやらせろ!」
アニト「無理だって!タマ静かにしてて!」
ランジャ「チッ…鬱陶しい鳥だな、Gランクのやつなんて、戦闘に参加させられる訳ねえだろ!俺らのパーティが居れば充分なんだよ!」
セイナス「…」ランジャの言葉に顔を顰めるセイナス
オットー「ランジャ……これから多くのパーティ合同での作戦だ、そういう発言は控えろ」
ランジャ「…オットーさん、悪いけど
今現在指揮官は俺だ
口出ししないでもらおうか」
オットー「…そうか」
少し悲しい様な寂しい様な
顔をして引き下がる
セイナス「肩書きだけの指揮官か」
ランジャ「お前が選ばれなかったからって
嫉妬して突っかかってくんな!」
セイナス「フン…好きにしろ」
ランジャ「ピアドの奴が
レッドウルフの場所特定次第殲滅する」
キロ「あのー…すいません…」
ランジャ「なんだよ」
キロ「作戦とかは…?」
ランジャ「斬れば終わりだろ」
セイナス「フッ…」鼻で笑うセイナス
ランジャ「なんだ?文句あるのか?」
セイナス「…いや」
ランジャ「チッ…」ランジャがどこかへ歩いていく
バッジ「おい!ランジャ!どこいくんだよ!」
ランジャのパーティの一人が追いかける
それぞれがバラバラに準備を進める
ーーー
アニト含む、Gランク冒険者が支援の準備を進める
タマ「クッソ!あの頭の悪そうな赤色め!
ふざけやがって!」
アニト「こういう事の中にも
レベル上げのヒントが
あるかもしれないよ」
タマ「あるかー!」
ーーー
ランジャ「ピアドのパーティが
レッドウルフの場所を特定した!
これから掃討作戦を開始する」
アニト含むGランク冒険者が最後尾で荷物を持ち
レッドウルフを確認した場所へ向かう
ミーテア「あなたは見ない顔だけど
この辺りの人じゃないの?」
アニトに質問する女性新米冒険者
アニト「あ、うんキズの町から来たんだ」
キロ「へーそうなんだ」
サイロス「あんま強そうに見えないな!」
サラ「…そういうのは良くないよね…」
隊列なども特になく
それぞれのパーティが
普段の陣形で森の中を進む
ーーー
ランジャ「…レッドウルフだ」
先行しているピアドが合図をし
レッドウルフがいる事を知らせる
ランジャ「一斉に強襲し殲滅する、
準備はいいか!」
ランジャ「作戦開始だ!」
Gランク冒険者が後方に残り
各々がレッドウルフへ向け突撃する
ーーー
わずか数分で10前後居たレッドウルフが
倒れて消える
ランジャ「なんだこんなもんかよ
大勢引き連れて来る程じゃねえな」
キロ「うぁーー!」
ランジャ「なんだ!」
オットー「囲まれているぞ!」
何十という数のレッドウルフが、
全員を取り囲んでいる
ランジャ「なんだ!こいつら!」
オットー「後方の支援組が!」
ランジャ「おい!ピアド!
ちゃんと見てこなかったのか!」
ピアド「見る為の時間を与えられなかったからね!」
セイナス「レッドウルフが
これ程の統率を…!」
ミーテア「わ!わぁー!」
レッドウルフがミーテアに飛びかかる
アニト「危ない!」アニトが庇う
レッドウルフ「グゥグルル…!」
アニトに噛み付くが、歯が通らず噛みきれない
サイロス「おりゃあ!」
サイロスが火を放ち、アニトに噛み付いていた
レッドウルフが後ろへ飛び退き回避する
ミーテア「あ、ありがとう…」
キロ「だ、大丈夫?!」
アニト「うん!大丈夫だよ!」無傷のアニト
オットー「支援組の守護を頼む!」
自身のパーティの中年の熟練冒険者三人に
支援組を守る様に言う
ランジャ「こ、こんな…!」急な出来事で混乱する
オットー「セイナス!
ピアドが合流できる様、援護を!」
セイナス「…了解」
セイナスが自身のパーティと共に
氷の弾や氷の壁を使いピアドのパーティへ
支援する
オットー「ランジャ!
来た道は塞がれている!
九時の方向へ退路を!」
ランジャ「わ、わかってる!」
ランジャのパーティが退路を確保しようとするが
多くのレッドウルフが次から次へと退路を塞ぐ
オットー「このままでは先回りされる!」
タマ「おい!犬が固まっている所を爆破しろ!」
アニト「う、うん!」急いで小石を拾う
タマ「あの岩の周辺を吹き飛ばせー!」
キロ「石なんか何するの…?」
オットー「なんだ?」
アニト「わかった行くよ!」
離れた岩へ向かって投石する
岩に当たるか当たらないかぐらいで
閃光を放った後、轟音と共に爆風が吹き荒れる
サイロス「なんだ?!」
セイナス「…何という…!」
ピアド「何が起きたんだ!」
タマ「お前の右手側の大木を吹き飛ばせー!」
アニト「あの茶色い木だね…!」
ビュッと小石を投げ、
大木ごとレッドウルフを爆破する
ランジャ「爆弾か?!」
タマ「ウホッホホー!
経験値ガッポガッポー!」
アニト(あ、そうだよね、皆助けるって
発想の訳無いよね…)
タマ「まだまだ行くぞー!」
アニト「うん!」
タマが高い視点から、
レッドウルフの場所指示し
アニトが投石し爆破する
レッドウルフの統率が乱れ、
数が減った事により
一行の足が進む
ジャック「ぐぁ!」
ピアド「どうした!」
ピアドのパーティの一人に
向かって突然ナイフが飛んできて刺さる
囚人「逃がさねぇ!」
囚人「皆殺しだ!」
囚人「狩りだぜぇ〜」
2、30人の囚人服を着た、集団が一行を左右から挟む
ランジャ「なんだこいつら!」
セイナス「囚人…!」
前を囚人、後ろをレッドウルフに取り囲まれる
オットー「こいつらは
ここ最近脱獄し指名手配されていた
囚人集団だ!」
ランジャ「…は、挟まれた!」
ピアド「最悪だね…!」
キロ「こ、こんなの…どうすれば…!」
サラ「…レッドウルフと囚人もだなんて…」
タマ「おい!どんどん投げろ!」
アニト「どんどんって…!
これ結構疲れるんだけど!」
レッドウルフが吹き飛び、
後方側のレッドウルフが減り、間が空く
オットー「ッ!後ろだ!反転し退避する!
ランジャとセイナス!殿を手伝え!」
ランジャ「くっ…」
セイナス「…了解」
オットーとランジャとセイナスが殿を務め
レッドウルフが減った方へ退避していく
頭目「ガッハッハ!
後ろから追ってやろうと
おもったのになぁ!」
囚人集団の紫色のロングソードを持った
頭目が退避方向に現れる
ピアド「なんだこいつ!」
退避方向先頭のピアドが構える
頭目「ガッハッハ!お前が相手かぁ!」
ピアドへ向かって斬りかかる
ピアド「舐めないでよ!」
頭目の攻撃を避け、二本の短刀で反撃する
頭目「ガッハッハ!速さはなかなかだな!」
ピアド「あんたなんて速攻だよ!」
頭目へ斬りかかる
頭目「フンッ!」
ピアドの攻撃を先読みした様に避ける
ピアド「なっ!」
頭目「ガッハッハ!じゃあなぁ!」
ピアドの避ける先が分かる様に斬りかかる
ピアド「ぐぁーー!」
頭目へ斬られて倒れる
バッジ「おい!大丈夫か!」
キロ「強い!」
オットー「ザイム!この囚人集団はアイツが!」
アニト「このー!」石を頭目へ向かって投げる
頭目「ッ!」見事に頭部に当たるが、
特に外傷は無い
頭目「ガッハッハ…
爆弾で吹き飛ばされたかと
思ってヒヤリとしたぞ」
アニトを見据える頭目ザイム
アニト「そんな事しないよ!」
頭目「甘ちゃんがぁ!」
タマ「まったくだぁ!」
頭目「殺さなかった事を後悔しろぉ!」
頭目がアニトに斬りかかる
アニト「ぐぁぁ!」
腕で防いだアニトの腕に血が流れる
頭目「ガッハッハ!驚いたな!どれだけの硬さだ!」
アニト「今のうちに皆逃げて!」
キロ「そんな逃げるなんて!」
頭目「フンッ!」再度アニトを斬りつける
アニト「ぐぁ!」
頭目「もう一発だぁ!」
ランジャ「やらせるか!」
ランジャが頭目の一撃を
長めのショートソードで受け止める
オットー「セイナスが後ろを止めている!
今のうちに退避しろ!」
頭目「ガッハッハ…!
これだけ来ると分が悪いな
一旦引くか」
ランジャ「逃がすか!」
頭目「お前一人じゃ、なぁ!」
ランジャの行動を見抜いた様にあっさり蹴り飛ばす
ランジャ「やろ…!」転がるランジャ
頭目「おい!お前ら!一旦退くぞ!」
囚人集団がレッドウルフに乗り去っていく
頭目「じゃあなぁ!」
ランジャ「待て!」
誰よりも速い足で退いていく頭目のザイム
アニト「いてて…」
オットー「ひとまず、夜営出来そうな場所を探そう」
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