第12話魔石を食べる竜

ーー二人で谷の奥地をウロウロする


アニト「あ、いた…!」

    

木竜が谷の湖で水を飲んでいる


タマ「よし…!吹き飛ばせ!

    自然界においては勝つか負けるかだ、

      強くなりたいなら腹を決めろ」


アニト「わかった…いくよ」

 木竜の背後へ近づき、爆破石を投げ仕留める


アニト「レベルは…

      もうちょっとだけど上がってないね」


タマ「もうちょいか〜…」


タマ「…良い事考えたぞ!この湖を使うぞ!」


アニト「?」


タマ「この湖かなり深い、何かしらいるだろ」


アニト「まあいるとは思うけど…」


タマ「湖の水が落ちてる所を破壊しろ」


アニト「そんな事したら、水が流れ出ちゃうよ?」


タマ「いい、破壊しろ」


アニト「え、そんな…」


タマ「早くしろ!そんな甘い事、

        言ってるから麺なんだぞ!」


アニト「わかったよ…何、麺って…」

 崖になり水が落ちている部分に向かって

        爆破石を投げて、破壊し水を流す


アニト(なんか凄い悪い事してる気がする…)


タマ「もっとだ!」


アニト「い、いいの?」


タマ「イケイケ!」


水が流れて出ている部分を大きく破壊し、

           水がどんどん無くなる



湖面の水位が下がり

    大きな魚影や水のモンスターの

          行き場が無くなってくる



タマ「よし!いい感じだ!もっと壊せ!」


爆破石を投げて壊す


アニト(僕が目指した理想から、程遠い様な… )


ーー


湖の水がほとんど無くなり、

    水のモンスターやらが

         湖の底でバタバタしている


アニト「下に下りるの?」


タマ「爆破でまとめてトドメ刺せ!」


アニト「なんて卑怯な…」


タマ「ドカンといけ!」


アニト「ごめん!」爆破石を投げ、殲滅する


タマ「ひでー奴…」


アニト「え?!うそ!そんなのアリ?!」


タマ「よし回収するぞ」


アニト Lv48

スキル:麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv2、防御Lv4、比較的早く水を水蒸気に変えるLv1、スキルを瞬間的なものに圧縮するLv3、爆破Lv1、スキル購入

経験値59733/60104

残りSP3


ーーー



魔石を鞄へ入れていくが、

     鞄に入りきらない魔石が残っている


タマ「これ以上は入らないな」


アニト「お、重いんだけど…」

       後ろに下がる鞄を一生懸命、背負う


タマ「よぉーし!帰るぞ!」


アニト「うう…重い…」


アニトが動き難い為、

     タマが上空を飛び索敵しながら帰る



ーーーー谷から出てきた二人


タマ「明日街に行くぞ」


アニト「休ませてよー…」


ーーーー次の日…


街にて


アニト「また来ちゃったよ…」


買取の店に入る


女性店員「あら、いらっしゃい」


アニト「これを買取に」鞄をドサッと置く


女性店員「…これ全部…?」


アニト「うん…」


女性店員「ミズドノヌシの魔石まで…」

 魔石をザッと見る女性店員


女性店員「ふぅ〜…わかった…全力で見るわ!」


アニト「頼むよ!」


タマ「今までサボってたのか?」


女性店員「…」


アニト「変な事言わないで…!」


ーーそこから三時間…


女性店員「できたわ…!」


タマ「よぉーし!いくらだ?!」


女性店員「256万3900Gよ!」


タマ「キター!」


アニト「そんなに?!」


女性店員「本来なら湖の底で顔を出さない

      モンスターの魔石まで有ったから

        これくらい当然よ!」


タマ「全部持って来るんだった…」


アニト「後で取りに行こうか」


タマ「そうだな!」


女性店員「この金額で良ければ、こちらが代金よ」


金の入った麻袋をドサッと置く


アニト「充分だよ!」


女性店員「商談成立!毎度!」


ーー二人が店から出る…


タマ「さっそくだ!さっそく買え!」


アニト「でもこれだけ有れば

         もっと強くてカッコいい剣が…」


タマ「いつ振るんだ!その剣!

     お前最近石しか投げてないだろうが!

            麺出し投石男が!」


アニト「うるさいなぁ…分かりましたよ買いますよ」


ステータスのスキル購入から

スキル経験値を貯めてLv上げるスキルに触れると

SP20と金額2,000,000が出てくる

金額の方に触れると麻袋が軽くなる


アニト Lv48

スキル:麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv2、防御Lv4 比較的早く水を水蒸気に変える、スキルを瞬間的なものに圧縮するLv3、爆破Lv1、スキル経験値を貯めてスキルLvを上げる、スキル購入

経験値59733/60104

残りSP3


アニト「はい、買ったよ」


タマ「よぉし!

      どれくらいの早さであがりそうだ?!」


アニト「頑張ると上がりそうな

     気がするだけで、分かんないね」


タマ「ポンコツめ」


アニト「何!」


タマ「また拾いに行けば、

     スキルガッポガッポだぞぉ〜!

      ギャッ!ギャッ!ギャッ!最高だな!」


アニト「悪い顔…」



ーーー谷奥地にて



アニト「またあんな重いの、背負うのかー…」


二人が魔石を残している、湖の手前まで歩いて来る


黒い竜「ガブッ!バリッボリッ!」

  湖の中に転がっている魔石を

    全長25mの黒い竜が噛み砕き食べている

    

アニト「な、何あの黒い竜…!魔石を食べてる…!」


 タマとアニトが二人、息を潜めて黒い竜を見る


タマ「…モンドルドア…!

   何の用でこんなクソみたいな弱小地域に…!


アニト(クソで悪かったね…)


タマ「アレに見つかるとアウトだ…!逃げるぞ…!」


アニト「魔石は…?」


タマ「死んだら終わりだ…!

         食ってる間に逃げるぞ…!」


モンドルドア「グフッ…」二人の気配に気付く


タマ「マズイ!見た!逃げるぞ!」

アニト「え!ちょ、ちょっと!」

      二人が全速力で逃げる


モンドルドア「グフッ…!グフッ…!」

     咳き込む様な珍妙な鳴き声を出す


モンドルドア「…!」大きな翼を広げて飛び上がる


アニト「飛んだよ!」

タマ「いいから走れ!」


モンドルドア「グフォッ!」

    飛んだまま黒い炎の玉を吐き出す


アニト「あがっ!」

 黒い炎の玉が着弾した場所から 

     距離があるにもかかわらず

          アニトが吹き飛ばされる


アニト「ぐっ…!」

 爆風の衝撃で、吹き飛ばされ

     岩に激突するが立ち上がる


タマ「早く走れ!次が来る!」


アニト「わ、分かってるよ…!」

   痛む体を無理矢理引っ張り動かす


モンドルドア「グフッ…!グフォッ!」 

  またもアニトから少し離れた場所に

           黒い炎の玉を吐き出す


アニト「ぐあっ!」吹き飛ばされ、体が転がる


タマ「クッソ!わざとだ!

    遊んでるぞアイツ!なんてタチの悪い!」


アニト「ぐ…!」木を掴み立ち上がる


モンドルドア「グフォー…!」

   翼を羽ばたかせ強風を巻き起こす


アニト「うわっ!」強風に煽られ転がる

タマ「ぬおー!」タマが飛ばされる


アニト「は、早く逃げないと…」

        立ち上がろうとする  


モンドルドア「グフォァッ!」

  アニトから、わざと少し逸らして

          黒い炎の玉を吐き出す


アニト「ぐぁっ!」近くに着弾し吹き飛ばされる


モンドルドア「グフッ…!グフッ…!」

   その様子を見て咳き込む様な

      笑った様な不気味な鳴き声を出す


タマ「早く逃げねえと!おい!走れ!」


アニト「体が…」

   衝撃に吹き飛ばされ

    何度も地面や岩にぶつかり

       体が震えて言う事を聞かない


木竜「グォォー!」十数匹木竜の群れが、

     モンドルドアに向かって飛んでくる


タマ「しめた!今のうちに逃げるぞ!」


アニト「…ぐっ!ハァ…ハァ…!」

  体を無理矢理、動かしフラつき走る


木竜とモンドルドアがお互いを攻撃する


アニト「…逃げなくても隠れてれば、

      木竜が倒してくれるんじゃ?」


タマ「アイツらも長くは、もたない!

     遊びに飽きたら、食われるだろ!

       とにかく逃げるぞ!」


タマ(クッソ…!せっかく大量の魔石が!)


ーーー谷の出口辺りまで逃げて来る


イワイノシシ「ブゴォー!」

  落ち着きのないイワイノシシが現れる


タマ「こんな時に!

     おい!豚に追われながらは無理だ!

       アイツを吹き飛ばせ!」


アニト「か、肩が…!」

  岩に肩をぶつけた衝撃で右肩が上がらない


イワイノシシ「プゴー!」

 落ち着きのないイワイノシシが突進してくる


タマ「避けろ!避けろ!」


アニト「…!」体が上手く動かない


イワイノシシ「プギィ…!」

 突如イワイノシシが真っ二つになる


カラボ「はぁ!」以前街へ向かう際に会った

  四人グループのカラボがロングソードで

   イワイノシシを真っ二つにする


アレリア「大丈夫?!」

   アレリアが周囲を警戒しながら近づく


アニト「助かった…」 


ミャルーナ「すぐに離れた方がいいわ!

       モンスターが妙にざわついてる!」


ボドア「手を貸そう!」ボドアがアニトに手を貸す

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