第11話オークの蒸し焼き


ーーーー次の日…


日もまともに出ていない状態の朝


タマ「よし!行くぞぉー!」家の前で意気込むタマ


アニト「昨日の事、許してないからね…」

           恨みまがしい、視線を向ける


タマ「男のくせに小さい奴だ」


アニト「誰でも怒るよ!」


タマ「そうだ!その調子だ!

    その怒りはモンスターにぶつけてやれ!」


アニト「…うるさいよ…」



ーーー最近行きつけの谷へ来る



タマ「街で買った、燃焼剤持って来たか?」


アニト「え?うん」

 鞄の中から、燃焼剤の瓶を取り出す


タマ「貸せ」そう言いながら瓶を一本取る


タマ「燃えろ!」

 草木が生えてる場所に燃焼剤を投げる

    瓶の中の液体が飛び散り、ゴウゴウと燃える

      


アニト「え?!なな何してんの!」

   急いで土を被せて消火しようとする


タマ「燃えろ!もっと燃えろ!」

 鞄の中から取り出し、どんどん燃焼剤を投げるタマ

           

辺りが火で包まれる


アニト「ヤバいよー!」


タマ「よしイケイケ!」どんどん燃焼剤を投げる


アニト「ダメだって!」急いで燃焼剤を取り上げる


タマ「こんなもんだろ」

 辺り一帯が炎に包まれ、どんどん広がっている


生き物が逃げ出し、草木が燃え広がる


アニト「凄い燃えてるよ?!」


タマ「この時期は火災が発生しやすいらしい」


アニト「呑気に言ってる場合じゃないよ!」


木竜「グォーー!」

 自分の縄張りを燃やされ

        怒った木竜が咆哮を上げ飛んでくる


タマ「よし来た!成功だ!やれ!」


アニト「そんなのアリ?!」


タマ「綺麗事だけで成り上がれる程!

           世の中甘くねえ!イケェ!」


アニト「あー!もう!」


木竜「グォォ!」怒った木竜が炎の玉を吐き出す


タマ「お前も燃やすんだねぇ…いいね!」


アニト「危な!」横へ避けたと同時に小石を投げる


木竜「グォ…!」

 小石に当たった瞬間に大爆発が起き、

            木竜が吹き飛ばされる


アニト「ハァ!」

  木竜がフラついている間に、

          すかさずもう一投、投げる


木竜「…!」爆発を受けて吹き飛び、フッと消える


タマ「複数来ると面倒臭い隠れるぞ!」


ーーー魔石を回収し火の弱い場所を通り離れる


アニト「凄い事になってるよ…」


ゴウゴウと燃え広がる火、谷が火の海と化している


木竜「グォォ!」3〜4匹の木竜が下りてくる


タマ「いい傾向だ…」


アニト「全然良くないよ!」


タマ「今日は帰るぞ」


アニト「え…?帰るの?」


アニト(このままやるのかと思った…

            諦めたのかな…?)


タマ「見つからないうちに帰るぞ、早くしろ」


アニト「う、うん…」戸惑いながらついていく



ーーーー次の日…



この日も谷へ来る


木竜が頑張って消したのか、昨日焼け広がった谷が

黒く焼け跡を残し、鎮火されている


タマ「よし!今日もやるぞ!」


アニト「残念でした、燃焼剤は家だよ」


タマ「残念でした鞄の下に、付けて来たんです〜」

鞄の下にくっついていた、二本の燃焼剤を引っ剥がし

草木へ投げる


アニト「あっ!なっ!」すぐさま燃え広がる


タマ「隠れるぞ!」


アニト「消さないと!」


タマ「木竜が来る!」


アニト「あー!もう!」


木竜「グォォ!」

昨日の今日で警戒していた、二匹の木竜が下りてくる


木竜が土をかけたり、

      水を口に含みかけたりと   

              次第に火は鎮火される


アニト「良かった…」

    火が治まり一匹の木竜が飛んで行く


タマ「よし!やれ!後ろからドカンだ!」


アニト「えー…」


タマ「くー!弱者のままだと逆戻りだぞ!」


アニト「そんな卑怯なやり方

     じゃなくて正々堂々とやりたいよ…」


タマ「そうかじゃあそうしよう…」


アニト「?」


タマ「犯人はここだぞーー!」木竜へ叫ぶタマ


アニト「えっ?!」


木竜「グォォ!」

 例によって怒った木竜が咆哮を上げる


タマ「後は任せた」どこかへ飛んで行くタマ


アニト「えっ!ちょっと!」


木竜「グォッ!」木竜が炎の玉を飛ばす


アニト「ぐぁ!」

 アニトが隠れていた岩に着弾する

       急いで離れたが軽く衝撃を食らう


アニト「ッアチチ…」

  硬化Lv3と新しい鎧のおかげで

          以前程のダメージにならない


木竜「グォォ!」間合いを詰めて尻尾で薙ぐ


アニト「えぃ!」水袋を投げて怯ませ距離を取る


アニト「やあっ!」石を拾って投げる


木竜「グォォ!」

  見事に頭に命中し倒れて、フッと消える


アニト「結構きつい…」息を切らしながら魔石を拾う


木竜「グォォ!」先程の木竜が飛んで戻ってくる


アニト「またー…」


その後も同じようなやり方で木竜を討伐する


アニト「つ、疲れた…」

   地面に手を着き息を整える


タマ「レベルを見ろ!いくつだ?!」


アニト「ちょっと休憩させて…」


タマ「レベルだ!レベル!」


アニト「はいはい、分かりましたよ」


アニト Lv45

スキル:麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv2、防御Lv3、比較的早く水を水蒸気に変える、スキルを瞬間的なものに圧縮するLv3、爆破Lv1、スキル購入

経験値51533/53026

残りSP5


アニト「45だよ」


タマ「クッソー…効率も悪い」


アニト「しょうがないよ」


タマ「よし!硬化を4に上げろ!」


アニト「えー…そこはバランスよく筋力強化でしょ」


タマ「剣も振らない、お前のどこに、

   その需要がある?全力で麺でも投げるのか?」


アニト「投げないよ!」


タマ「グハッ!イタッ!なんだこれは!麺だと?!

         ……ってなると思うか?」


アニト「はいはい!分かりましたよ!分かりました!

     上げればいんでしょ!……うるさいなぁ」


アニト Lv45

スキル:麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv2、防御Lv4、比較的早く水を水蒸気に変えるLv1、スキルを瞬間的なものに圧縮するLv3、爆破Lv1、スキル購入

経験値51533/53026

残りSP0


アニト「振ったよ」


タマ「よし!じゃあ谷奥地へレッツゴー!」


アニト「えっ?!いや行かないよ!」


タマ「エイエイオー!」


アニト「行かないって!」


タマ「楽しい楽しい谷奥地〜」


アニト「勝手に言ってればいいよ、

    どうせ行かないし」 頑として座り込む


タマ「…」アニトを無言で見た後、鞄をゴソゴソする


アニト「何してんの?」


タマ「これは何かな?」

       鞄から燃焼剤の瓶を取り出すタマ


アニト「ど、どこにあったの!」


アニト(確認したけど無かったはず!)

     鞄の中をゴソゴソして確認するアニト


タマ「その鞄は夜のうちに細工済み、

     俺しか知らない秘密ポッケがあるんだよ」


アニト「なんてちょこざいな…」

        悔しそうな顔をする


タマ「行くか、燃やすか」


アニト「ハァ…わかったよ行くよ…」

        ため息を吐き歩き出す



ーーー谷奥地にて



アニト「オーク…」

 見た先に洞窟から出入りするオークがいる


タマ「燃焼剤をぶち込んだ後に、

   入り口を崩落させろ後は勝手に終わる」


アニト「そんなやり方…」納得いかない顔をする


タマ「出入りしている感じを見ても

   二十前後いるんじゃないか?

   木竜とは違い数が多い、数は脅威だ」


タマ「放置すると群れが拡大し、

     町に被害が出る、早めにやっとけ」


アニト「…わかった」

タマが持っていた燃焼剤を受け取り、少しずつ近づく


アニト(それっ!)

 オークがある程度入った後に

           洞窟の中に燃焼剤を投げ込む


洞窟の中でオークの鳴き声がこだまする


アニト「はっ!」

洞窟入り口に向かって、石を投げて爆発させる


洞窟の入り口が崩落し、オークが閉じ込められる


オーク「プギィー!」

   アニトの後ろから怒ったオークが走ってくる


アニト「がはっ!」

後ろから来たオークが、アニトを木の棍棒で殴打する


アニト「イッター…」

 殴られはしたが防御Lv4のおかげで

           大したダメージにならない

  

オーク二匹が怒り狂い殺気立っている


オーク「プギィー!」


アニト「悪いけど!」そう言い水袋を取り出し投げる


オーク「プギャッ!」水袋が当たり一体が重傷を負う


二匹を怯ませ足止めする


アニト「やぁ!」

   距離を取ったアニトが石を投げる


オーク「プギャーー!」

 オークが断末魔と共に吹き飛び、魔石を転がす


タマ「可哀想に…」


アニト「思ってないくせに」言いながら魔石を拾う


アニト Lv46

スキル:麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv2、防御Lv4、比較的早く水を水蒸気に変えるLv1、スキルを瞬間的なものに圧縮するLv3、爆破Lv1、スキル購入

経験値55572/56019

残りSP1


アニト「今ので上がって46だね」


タマ「よっし!ナイス豚!」


アニト「意外と貯まらないね」


タマ「思った以上にモンスターも少ない」


アニト「そうだね」


タマ「…もうちょっと探すか」

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