第9話スキル購入のスキル購入とは

谷を走り回り、手投げ爆弾を投げる


ミドリイワクラブの魔石1個、コバルトの魔石4個、

ポイズンボアの魔石1個、キリバシチョウの魔石2個、

ゴブリンの魔石4個


ミドリイワクラブは苔むした岩に擬態した、

横幅4mの巨大なハサミのカニ


キリバシチョウは嘴が桐の様になった、

素早い3mの鳥


ポイズンボアはその名の通り、毒を持ち、

背中に毒棘が並んだ、全長10mの蛇


ーーー


タマ「えーこちらの現場では爆弾を投げ、

谷を破壊する、爆弾魔が確認されております

 た!ただいま入りました速報です!

爆弾魔が狼に追い回されている模様です!」

 


アニト「うわぁーー!助けてー!」

    狼から距離が取れず、爆破石を投げられない


全長3.5m体高2m有る様な狼に追い回される


アニト「はぁっ!」

 最近あまり使わない、

    ショートソードを振るが簡単にかわされる


狼「ガウッ!」アニト目掛けて口を開ける


アニト「…イッ!」牙が肩を掠め、肩に血がにじむ


アニト「この!」

  狼に向かってショートソードを振るが

          距離をとられて避けられる


アニト「次はこっちだー!」

  狼の手前に水袋を投げて、狼の足を止める


アニト「よし!この距離なら!」

   狼が止まっている間に距離を開け、石を拾う


アニト「えぃっ!」石を投げる


狼「ッ!」狼目前に飛んで来た石が

       大爆発を起こし、谷に破壊音が響く


アニト「あー…疲れた…」


タマ「お前真っ向勝負、終わってるな」


アニト「なかなか厳しいよ」 


タマ「実際、剣振って当たった所でだしな」


アニト「まあね、先に見つけた時はいいけど、

        見つかった時がねー…」

          ステータスを眺めながら言う


アニト Lv42

スキル:麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv2、防御Lv3 比較的早く水を水蒸気に変えるLv1、スキルを瞬間的なものに圧縮するLv3、爆破Lv1、スキル購入

経験値43629/45116

残りSP3


タマ「クッソ…木竜も来ないし

          商売上がったりじゃねえか」


アニト「これ以上奥は厳しいけど

     この辺りのモンスターじゃ

       レベルもなかなか上がらないね」


タマ「クッソー!後17!後17のSPがあればー!」


アニト「何のスキル買うの?」


タマ「スキルのスキル経験値を貯めるスキルだ」


アニト「そんな物あった?」


タマ「何でお前が知らないんだ!

          もっと早く取っとけ!」


アニト「取ったとしても、

      必要SP20だと次取るまでが大変だよ」


タマ「ぬー…」どうしたもんかと、頭を悩ませる


タマ「これ以上ここいても、

        しょうがねえ、ズラかるぞ」


アニト「はいはい、分かりましたよ」



ーーー家路につく



家に着き、部屋で頭を悩ませるタマ


タマ「クッソー…これ以上、

     谷やら火山の奥地に突っ込めねえし、

      かと言って雑魚狩りじゃなー…」


アニト「そうだねー」ベットでのんびりするアニト


タマ「そのスキル、他に抜け道無いのか!」


アニト「…ないかな〜…」

     歯切れの悪い返事をする


タマ「…」アニトをジーッと観察するタマ


アニト「な、なに…?」


マリー「二人共ご飯よー!」


タマ「待ってたぜマミー!」一階へ飛んで行く


アニト「ホッ…」胸を撫で下ろす



ーーーー次の日…



タマ「よし!持ったな!じゃあ行くぞ!」

アニト「待ってよ結構重いんだから」


大量の魔石が入った鞄を背負い、家を出る


アニト「こっちだよ」

街へ向かう為に、二人で乗り合い竜車停留所へ


アニト「ここから乗るんだよ」


二人が来た場所には、

   十人乗りの乗り合い竜車が

         いくつも止まっている


その一つに二人が乗り、竜車が走り出す

 竜車には行商や他の冒険者、

  街へ向かう親子など十人が乗っている


アニト(街なんて久しぶりだなー…)


タマ「おいどれくらいで着く?」


竜車の中の全員が、突然喋った鳥に驚く


アニト「ハァ…」ため息を吐くアニト


アニト(乗ってる間は黙ってて、って言ったのに…)


アニト「さっき教えたでしょ、三時間だよ」


タマ「けーっ!長過ぎるぜ!レベル上げー!」


アニト「静かにしてよ…!迷惑でしょ!」


アレリア「変わった鳥だね…」

 乗っていた四人グループ冒険者の一人

     女の子のアレリアが話しかけてくる

遠距離からの援護をして戦うのか、

   細長い筒の砲を携えている


アニト「うるさい鳥なもんで…」


カラボ「モンスターか?」

 四人グループの一人

    背丈以上の長さのロングソードの

              男性カラボが聞く


アニト「よく分からないんだ、

         喋れるくせに教えてくれないし」


タマ「個人情報だ

      そんなに知りたきゃ対価を寄越せ」


ミャルーナ「なんて口が悪いのかしら…」

       大人の女性ミャルーナが冷静に言う


アニト「すいません…」


ボドア「俺らは気にしてない」

大槌を持った落ち着いた大柄な男性ボドアが言う



ーーー街に到着する



アニト「着いたー!」


街は全体的に石造りで、

   広い水路がいくつも通っており、

         小舟が人や物を渡している


アニト「タマが変な事言うせいで、

          変な目で見られたよ」


タマ「そんな事より、ささっと行くぞ!」


アニト「はいはい」


二人で水路を行く渡し船や、

        道行く人や物を見ながら歩く


ーーー素材の買取の店の前に着く


アニト「ここだよ」


 二人で店に入る、

    店にはモンスターの角や鱗に皮、

        魔石と多種多様な物が売られている


女性店員「こんにちは」


アニト「魔石を買い取って欲しいんだけど」


女性店員「大丈夫ですよ、

         見せてもらえますか?」


アニトが背負っている鞄から、魔石を並べる


フトトカゲの魔石33個、イワイノシシの魔石1個、クロべクマの魔石1個、木竜の魔石1個、ミドリイワクラブの魔石1個、コボルトの魔石4個、ポイズンボアの魔石1個、ゴブリンの魔石4個、キリバシチョウの魔石2個、エリマキドクマキの魔石1個


魔石がレジ台の上でゴロゴロしている


女性店員「ずいぶん多いわね…」苦笑いの女性店員


アニト「ははは…」愛想笑いで答えるアニト


女性店員「少し時間もらっても?」


アニト「いいよ」


タマ「ダメだ!レベル上げの時間が

           なくなるだろぉ!」


アニト「そんなの後でいいでしょ

         うるさいから静かにしてて」


女性店員(喋った…)


タマ「ぬぁーー!」店内で発狂するタマ


ーーー店内の素材や魔石なんかを眺めて

               待つ事1時間…


女性店員「お待たせしましたー」


アニト「あ、終わったみたいだね」


タマ「せめていい金に!」


女性店員「しめて53万9800G」


アニト「え?!そんなに!」


女性店員「そうですね、

  木竜の物は小ぶりながらも一つ30万で、

    フトトカゲの物は大小差があり

      全部で21万1000Gよ!」


アニト「やったこんなに!」


タマ「それで装備を整えろ!」


アニト「もちろんだよ!」


女性店員「じゃあこれで大丈夫?」


アニト「あ、うん大丈夫」


女性店員「ありがとうございます!

     ではこちらが53万9800Gです!」

会計の板に

十万G硬貨5枚

一万G硬貨3枚

 千G硬貨9枚

 百G硬貨8枚が乗ってくる


ーー二人が受け取り店の外へ


アニト「やったね!これ凄い収入だよ!」

     これまで見た事ない金額に興奮するアニト


タマ「装備の他にも、揃えられそうだな」


アニト「これだけあれば色々買えるよ!

          武器に防具に薬にスキッ…」

 興奮していたアニトが何かを言いかけ止まる


タマ「…」ジーッと無言でアニトを見る


アニト「な、何どうしたの…?」

      目が泳ぎ、弱い声色で聞く


タマ「なるほどな…

     最初から可笑しいとは思ってたんだよ」


アニト「え、いや…何を…?」とぼけるアニト


タマ「スキルの名前が

     スキル購入なのにSPでしか買えない、

       それならスキル購入ではなく

         スキル獲得だもんな〜?」

 いい事を聞いたという様な顔をするタマ


アニト「いやいやいや!違うよ!勘違いだよ!」


タマ「そうか〜、じゃあ勘違い情報をそこら中に

              ばら撒くとするか〜」


アニト「いや!それはやめて!」


タマ「え…?何でだ?大丈夫だろ?

       勘違いだもんな?問題ないだろ?」

わざととぼけた顔をする


アニト「……教えるから、誰にも言わないでね」

   

タマ「なんだ?なんだ〜?

      隠し事か〜?いかんなそれは〜」


アニト「す、すみませんでした…」


タマ「許してやる、

   そのかわりそのスキルの全てを教えろ」


アニト「ハァ…わかったよ…」諦めてため息を吐く


アニト「僕のスキルはSPだけじゃなく、

     1SPに対して10万Gを支払う事でも

       購入する事が出来るんだ」


タマ「なにー!じゃあ1000SPを支払うより

        一億を何かしらの方法で

         貯めた方が早いかもしれない!」


アニト「それは無理だよ」


タマ「…え?」出てきた光明を閉ざされ固まる


アニト「9999万までしか

         金額での購入は出来ないからね」


タマ「そ、そんな…!」魂が抜けた様に倒れる


アニト「死んじゃった…」


タマ「クッソー!お前のスキルは

          俺を目の敵にしてるだろ!」


アニト「してないよ、何言ってるの…」呆れるアニト


タマ「そうか!

     じゃあ今必要なスキルは買えるのか!」


アニト「足りないよ、言ってたスキルは

              必要SP20でしょ」


タマ「心配するな、金はすぐ貯まる…

         ギャッ!ギャッ!ギャッ!」

 不敵に笑うタマ


アニト「ダメだよ!銀行強盗なんて!」


タマ「そんな面倒臭い事するか!

とりあえず、その子ども用の練習着を買い替えるぞ」

   アニトの革鎧を見て言う


アニト「大人用の革鎧だよ…」顔を顰める


二人で街を散策し、防具の店を探す

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