第7話爆弾戦闘

ーーーー次の日の昼…


アニト「…ぅ…ん?」

 無理をして疲れた為か、昼まで寝て

  ベタベタした暑さと寝苦しさで起きる


アニト「もうお昼…?」


タマ「起きたか!行くぞ!」


アニト「うわ…昨日のまま寝ちゃってた…」

 ドロドロでボロボロのまま、寝ていたアニト


タマ「鞄と剣は外して置いといてやったぞ!」


アニト「あ、ありがとう…」

      意外な行動に戸惑い礼を言う


タマ「マミーがな!」


アニト「言う順番、逆だよ…」


タマ「そのまま行けるな!行くぞぉー!」


アニト「いやお風呂入るよ」


タマ「…いいのか?

   今この瞬間もお前は引き離されてるんだぞ!

      お前を殴ったあの三馬鹿に!」


アニト「…いやでも…」


タマ「一番になる奴は、

 他の奴が遊んでる時も頑張って!

 他の奴が寝てる時も頑張って!

 他の奴が体洗ってる時も頑張って!

 他の奴が頑張ってる時も頑張ってるから

 一番になれるんだぞ?!本当にいいのか?!」


アニト「うっ…」


タマ「本当にそれでいいのか?!」


アニト「い、いい!

     臭い一番になるより全然いいよ!」

         戸惑ったが押し返すアニト


タマ「チッ…抵抗する事を覚えたか

     ……まあいい、お前臭いから、

         ささっと洗ってこい」


アニト「言われなくても、そうするよ、

      誰のせいで臭いと思ってるの」


タマ「お前の汗だろ」


アニト「…もういい…」諦めて風呂へ入る


 入って三分程で

   早く出てこいという催促が有り、

           猛烈に急かされる


アニト「ハァ…ゆっくりお風呂も入れないなんて…」


タマ「まだかーー!」


ーーー町の外へ出て、木竜の谷へ


 巨大な岩が幾つも佇み苔むしている


タマ「やってきたぞー!」


アニト「そんな木竜なんて…」


タマ「まーだそんな事言ってるのか」


アニト「この谷の捕食者だよ!

     大体そんな奥地まで行ったら

       他のモンスターにやられるよ!」


タマ「心配するな、負けたら食われるだけ」


アニト「それがヤなんだよ」


タマ「ま、最初はそんな奴じゃなくて

            イワイノシシだけどな」


アニト「え?!無理だよ!5、6mあるし

     硬さもあって、攻撃力や速さなんて

        フトトカゲの比じゃないよ?!」


タマ「そりゃそうだろ、イノシシだしな」


アニト「絶対無理だよ!」


タマ「お前無理無理多いんだよ!

   真っ直ぐ走ってくる奴の腹吹き飛ばすくらい、

            アホでも出来るわ!」


アニト「もうちょっとやんわり言ってよ

         何、腹吹き飛ばすって…」


ーーー二人でイワイノシシを探し、谷を散策する


イワイノシシ「フゴッ!ゴッ!ゴッ!」

  灰色の4、5mのイノシシが土の匂いを嗅いだり、

           壁で牙を削ったりしている


アニト「…近くで見ると大きいよ…」

        物陰に隠れてヒソヒソと話す


タマ「爆破仕掛けて、

     突進してきたところを

        吹き飛ばせば終わりだろ」


アニト「大丈夫…かな?」


タマ「やってみりゃ分かる事だろ、

       とりあえず爆破仕掛けて離れるぞ」


アニト「ハァ…わかったよ…」

 ため息を吐き、

    諦めて爆破を仕掛け、

           距離をとる


タマ「準備はいいか?」

    自分だけ少し離れた岩の上に避難する


アニト「い、いいけど…」


タマ「よし呼べ!」


アニト「ふぅ…」息を吐き落ち着かせる


アニト「よし…!」

  覚悟を決めて、

    隠れるのをやめて、

       見えやすい場所に立つ


アニト「おぉーーい!」イノシシに向かって叫ぶ


イワイノシシ「ブッ!ブッ!」

 警戒心や縄張り意識が強いイワイノシシが

        アニトへ方向転換し、土を蹴る


タマ「来るぞ!」


イワイノシシ「ブオォーー!」

    アニトへ向かって突進する


アニト「はっ!」

 横へ回避すると同時に、

   爆破を発動しイワイノシシが

      普通の規模の爆煙に包まれる


タマ(圧縮スキルが不発だな)


アニト「…やった?!」


イワイノシシ「フゴォーー!」

       爆煙の中から飛び出してくる


タマ「おい避けろ!」


アニト「ぁっ!」

 避けるが、

   岩の様に硬い体に少しだけ接触し

              地面へこける


タマ「立て直せ!次を仕掛けろ!」


アニト「わかってるよ…!」

 立ち上がると同時に右手で

       地面に爆破を仕掛ける


少し離れてから、イワイノシシを避ける体勢に入る


イワイノシシ「ブゴォーー!」

 止まったイワイノシシが

        アニトへ方向転換し、

               また走ってくる


アニト「りゃぁっ!」

 爆破と圧縮するスキルを同時に発動すると、

     イワイノシシがいた場所が吹き飛び

          辺りに、石や粉塵を飛ばす


アニト「やったの…?」


 舞い上がった粉塵が晴れてくると何もなく

            魔石が一つ転がっている


タマ「やったぞ!上手くいったな!

            レベルはいくらだ?!」


アニト「あ、そうだレベル…」ステータスを開いてみる


アニト Lv37

スキル:麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv2、防御Lv2、比較的早く水を水蒸気に変えるLv1、二分の1の確率でスキル効果を瞬間的なものに圧縮するLv1、スキル購入

経験値31513/33126

残りSP2


アニト「37!」


タマ「ウッヒョッヒョーイ!最高だぜ!」


アニト「やったね!」


タマ「とりあえずSP10貯めて

     圧縮スキルのレベルを上げた方がいいな」


アニト「そうだね…確実に倒せないのは厳しいね」


タマ「そうと決まれば頑張れ!」


アニト「……やっぱそうなるよね…」

  正直、怖いのでもうやりたくないが、

                渋々了承する


ーーー二人でイワイノシシを探す…


エリマキドクマキ「ゲェッ!」

頭に大きなヒラヒラした耳の様なトサカをつけた

紫色の1mのトカゲが飛び出して来る


アニト「うわぁ!」


エリマキドクマキ「ゲッ!」毒液を飛ばしてくる


アニト「この!」

 水袋を当てて破裂させるとトカゲが気絶して倒れる


タマ「汚ったない色した馬鹿面トカゲだな」

        気絶しているトカゲを見て言う


アニト(そんなに言う…?)

  トドメを刺して魔石を回収する


ーーー更に探す…


アニト「結構、お金になりそうな物が落ちてるね」


自分が以前活動していた森には、

  生えていない珍しい植物や鉱石が転がっている


タマ「当たり前だろ、

    大体お前の歳であの森ウロウロしてるの

                お前くらいだろ」


アニト「まあ…そうだけど…」


タマ「もっと早くに

      レベル上げしといてくれりゃ〜な〜…」


そう言いながら飛んで高い所から獲物を探す


タマ「お、あれでもいいだろ」

岩の洞窟の中に、黒いクマのモンスターが入って行くのを見たタマが言う


タマ「おい!こっちだ!」


アニト「ちょっと待って!」

   タマが飛んで行く方を追いかける



ーーー二人が洞窟の前に着く



アニト「え…入るの?」


タマ「いや入り口に仕掛けろ」


アニト「え?うんわかった」

      洞窟入り口に爆破を仕掛ける


タマ「離れてクマが出てきたらやれ」


アニト「任せて」離れて隠れるアニト


タマ「おい毛玉ーーー!」

   洞窟の前で叫び、すぐに飛んで離れる


黒クマ「カフッカフッ…!」

 声がし、入り口へ走ってくる、

      黒く赤い目の2.5mのクマ


アニト「今だ!」


その瞬間、洞窟入り口が跡形もなく吹き飛ぶほどの

爆発が起こり、破壊音が谷に響く


タマ「…爆破だけで良かっただろ…」


スキル効果を圧縮するものまで

重ね合わせてしまった為、

洞窟が崩れ粉塵が舞い上がる


アニト「大きいのが出てくると思ったから…」


タマ「気にするな、よーし!次探すぞ!」


アニト「いや、ちょっと休憩を…」


木竜「グォォーー!」

 谷の中でも上位に位置する木竜が、

            爆発音を聞き飛んでくる


アニト「も!木竜!」


タマ「あちゃー」

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