第6話爆破魔誕生

ーーー


アニト「…で?またここ?」

   松明で道を照らし、火山に来ていた二人


タマ「灯りが有るからな」


アニト「灯りじゃなくて火山だよ…

    そんなに言う程明るくないし…

     急にモンスター出てきたらどうすんの…」


タマ「とりあえず後2レベ上げるぞ」


アニト「ハァ…しょうがない…!やるよ!」


タマ「よぉし!そのいきだー!」


ーーー


以前と同じ方法でフトトカゲを狩る


タマ「おい!魔石やら金になりそうな物はまとめとけ!」


アニト「僕のベットの下、凄いゴロゴロしてるんだけど…」


タマ「心配すんな、近いうち売る」


アニト「あれ?当分売らないんじゃ?」


タマ「この町で売ると足がつく、

         他の町やら村で売って金にする」


アニト「そんな犯罪者みたいな……」


タマ「おお!あそこいるぞぉ!

          デカめだレベルも高いだろ!」


アニト「…ハイハイわかったよ…」

   なんだかんだ言いながらフトトカゲへ走り出す


アニト「ハァッ!」

 手をつけ爆発させると一発でボンッという音がなる


フトトカゲ「グォッ?!」

 体内に走る痛みに耐え咄嗟に尻尾を振る


アニト「イッタッ!」尻尾で叩かれ飛ばされる


タマ「デカい分強いぞ!」


アニト「もう一回か…」体勢を立て直す


フトトカゲ「ガァーッ!」

        フトトカゲが噛みつこうとする


アニト「やっ!」

 横へ跳んで避け、

   前に体重がかかったフトトカゲに、

       再び手をつけるが2分の1で不発


アニト「もう一回か…!」


フトトカゲ「グォー!」前脚を上げて、踏み潰そうとする


アニト「あ!あぶない!」急いで距離を取り避ける


フトトカゲ「グァッ!」

    踏み付けられた地面が揺れる


アニト(近づかないと…!)

  アイテムポーチに入れていた水の入った皮袋を取り出し、普通にぶつけて頭に水をかける


アニト(よし!今だ!)

  顔に水がかかったフトトカゲの動きが

              止まった瞬間に近づく


アニト「ハァッ!」ボンッという音が鳴る


フトトカゲ「カッ!」一瞬ビクッとなった後に、

                 力なく倒れる


アニト「や…やった…?」


タマ「消えないな、魔石が先に壊れたか?」


アニト「やっちゃった…どうしよう、

        このまま放置してもマズいかな」


岩殻竜「ガァァ…」

  全長35mある様な岩を纏った竜が、

     鈍い鳴き声を上げながら、

       ズシズシ地面を揺らし歩いてくる


タマ「アレはヤバいぞぉーー!」

アニト「うわぁーー!」全速力で逃げる二人


ーーー


その後フトトカゲを十一匹狩り…


アニト Lv35

スキル:麺を一日一本飛ばす 筋力強化Lv2硬化Lv2、比較的早く水を水蒸気にするLv1、2分の1の確率でスキル効果を瞬間的なものに圧縮するLv1、スキル購入

経験値26800/27964

残りSP20


アニト「…ハァ…ハァ、やったよ…35…」

            地面に横たわるアニト


タマ「いよぉーし!キタかぁ!」歓喜するタマ


アニト「他のモンスターから逃げ回って

     フトトカゲだけを探しては、

       そろそろ厳しいんじゃない…?」


タマ「もちろん次も考えてるぞ、

    爆破のスキルあっただろ、あれを取れ」


アニト「えー!そんな危なそうな!」


タマ「早く取れ!」


アニト「はいはい、わかったよ…

           ホントいっつも偉そうに…」


スキル購入スキルから、20Pの爆破スキルを購入する


アニト Lv35

スキル:麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv2、防御Lv2、比較的早く水を水蒸気にするLv1、2分の1の確率でスキル効果を瞬間的なものに圧縮するLv1、爆破Lv1、スキル購入

経験値26800/27964

残りSP0



アニト「はい取…」


タマ「あ、やっぱり他のを」


アニト「え?!もう取っちゃったよ!」


タマ「はぁー?!なんて事してくれたんだぁー!」


アニト「そんな!だって取れって言うから!」


タマ「なんて事だー!

      …と、まあそんな冗談置いといて」


アニト「…え?」


タマ「おい爆破スキルどんな感じだ、やってみろ」


アニト「え?!嘘なの?!」


タマ「当たり前だろ、

      俺がそんなミスするか、

            麺男と一緒にするな」


アニト「誰が麺男!」


タマ「早く試してみろ、爆弾麺男」


アニト「わかってるよ!

    うるさいなぁ…すぐ変なあだ名つけて…!」


どういうスキルなのか感覚的に分かり、岩に近づく


アニト「…」岩を少し触った後に離れる


しばらくするとボガァンという音と共に、

石が爆発し三mある岩が砕け散る


タマ「なんて良いスキルだ!」


アニト「…」呼吸が若干荒くなる


タマ「どうした?」


アニト「…これ疲れるんだけど!」


タマ「練習あるのみだな」


アニト「いやいや!連発なんて!」


タマ「その爆破と瞬間的スキルを重ねて使う!」


アニト「聞いてる?!連発は厳しいって!」


タマ「その爆破スキルの詳細を教えろ」


アニト「全然聞いてないよ…」


タマ「早く教えろ!」


アニト「はいはい、一つだけ爆破を仕掛けられて

    触れた部分に爆破を仕掛けて1〜150秒の間に

            遠隔で爆破出来るよ」


タマ「キター!ウルトラスキルーー!

 お前のスキルは麺を飛ばすというクセに全然飛んでなかったり、爆破とだけ有るのに遠隔機能付いてたりと無茶苦茶だな!」


アニト「…そう言われればそうだね…」


タマ「他にもなんか隠してたりしないだろな〜…?」

  目を細めてジーっと見る


アニト「か、隠して無いよ!」


タマ「怪しいな、ホントか〜?」


アニト「ホ、ホントだよ!」


タマ「とりあえずまあいい、

    山を下りるとしよう、

      音で何か寄ってくると面倒臭い」


アニト「そうだねレベルも上がった事だし、

                  帰ろうか」


アニト(良かった…)


ーーー森の辺りまで帰ってくる


タマ「お前ちょっと試しに、

       重ねてやってみろ」


火山から離れた、

   よく来る森まで帰って来ると、 

          タマが突然言い出す


アニト「なにを?」


タマ「爆破と圧縮スキル重ねてやってみろ」


アニト「え!レベル上がったのに、

         帰らせてくれないの?!」


タマ「パピーも言ってただろ、

    今日やるべき事は今日やってこいって」


アニト「今日やる事多すぎじゃない?!」


タマ「とりあえず適当な所に爆破仕掛けてやってみろ、一発で出来てりゃ帰してやる」


アニト「…何、帰してやるって、

         なんで決定権そっちなの…」


タマ「動かないといつまで経っても帰れないぞ!

              早くしろ!」


アニト「イチイチ偉っそうに…!」


渋々離れた場所に爆破を仕掛ける


アニト「よし、やるよ…」


タマ「よし行け!」


アニト「…!」

 今っと思った瞬間に爆破させ、

  離れた場所が先程と同じ様な感じで爆発する


タマ「2分の1だからなんともだけど

      ダメだな、さっきと一緒だ」


アニト「そんな事ないよ!若干大きくなかった?!」


タマ「いいのか?

   それで大丈夫だと認めて帰っていいのか?!」


アニト「そ、そう言われると…」


タマ「あの時言った…悔しいよ!

   悔しくて堪らないけど!

   僕にはどうしようもないんだ!…は嘘か?」

       タマが下手くそなマネをする


アニト「イチイチ、マネしなくていいよ!

            全然似てないし!」


タマ「やめるか?やめてもいいぞ?帰るか?」


アニト「わかったよ!やるよ!

       やればいいんでしょ!」


また爆破を仕掛けに行く


アニト「…見てろ〜…」

   

意気込み爆破させるが、

  また先程と同じ様な規模の爆破が起きる


アニト「ぐっ…」


タマ「…」無言でアニトを見るタマ


アニト「わかってるよ!やるよ!

           やればいいんでしょ!」


タマ「何も言ってないけどな」


アニト「顔が言ってるよ!」


タマ(やはり、

    お互いスキル発動期間が一瞬なモノは

               重ねにくいか…)


ーーーそこから3時間…



少しずつ周りも明るくなって来る


仕掛けに行っては爆破させ、少し練習しては移動し

音でゴブリンやらの雑魚モンスターが寄ってきては

討伐したり逃げては、を繰り返す


アニト「…」足元がフラつく


タマ「もうちょいか〜?」

 冷めても美味しいコロッケをつまみながら言う


アニト「…」何か言う気力も無く、

        爆破を仕掛け歩いてくる


アニト「…ハァ…ハァ…ッフン!」

 特に意味は無いが目力を込めて

    爆破と圧縮するスキルを発動する


ドッという光の後に視界に爆風が打ち広がる


タマ「うぉー?! キタだろー!」


アニト「ハァ…ハァ…やった…?」

  寝てないのと疲労のせいで意識が乱れ、

   どうなったのかよく分からない


タマ「あれでMAXなのか

        どうかは分からないけど十分だ!」


アニト「…良かったよ」フラフラのアニト


タマが爆破で開いた穴を観察する


町人「おい!こっちだー!」

 爆破音を聞いた複数の町人がワラワラ走ってくる


タマ「クソ!見つかると面倒だな!

           走れ!逃げるぞ!」


アニト「…え?!そんな…走れないよ!」

 走ろうとすると、足がもたつき、こける


タマ「なー!…あ!なら隠れるぞ!」

 茂みに二人で隠れる


アニト「…」

タマ(ワラワラ集まって来やがって!)

 茂みの中でうつらうつらとした表情のアニトと

            タマがジッと息を潜める


町人「なんなんだ一体この穴は…」


十m近い吹き飛んだ穴を見て、町人が驚愕する


町人「何かのモンスターかもしれん、

      すぐにギルドや町の皆に知らせよう!」


町人「そうだな!」町へ戻って行く町人


タマ「行ったな…よし!帰るぞ!」


アニト「…ッハ!…え?」

    隠れながら寝てしまっていたアニト


タマ「帰るぞ!」


アニト「あ、うん…そうだね…」

  聞いているのかいないのか

   意識半分の返事を返して家に帰る


ーーー家に着き…


アニト「…ただいま…」力なく玄関を開けて中に入る


マリー「おかえりなさい!」


ブラン「よく帰ったな!」

 ドロドロでボロボロのアニトを迎え入れる父と母


アニト「うん…?

     …お父さんもお母さんも起きてたの…?」


お父さん「アニトの帰りを待つのが

       お父さんとお母さんの務めだぞ!」


マリー「ゆっくり休むといいわ」


アニト「…ありがとう…そうするよ…」

 行動一つ一つを体力ギリギリに二階に上がり、

  重力に任せてベットに倒れ込み、死んだ様に寝る

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る