第3話水の爆弾
ーーーー次の日…
黒い玉の鳥にうるさく言われ
レベル上げに本腰を入れて、森で一日剣を振るう
アニト「ハァ…!ハァ…!」息切れし膝に手をつく
黒い玉の鳥「休んでる暇があったら、
モンスター探せ」
アニト「うるさいなぁ、わかってるよ…」
疲れながらも言い返す
黒い玉の鳥「おい!向こうにポイズンフロッグだ!」
アニト「ちょっと待って早いよ…」
ーーーその夜…
アニト「あぁ…疲れた…」ベットに倒れ込む
黒い玉の鳥「おい、SP1〜10で買えるスキルを書け」
紙を引っ張り出してきて、偉そうに言う
アニト「やだ…」ベットに倒れ込み動かない
黒い玉の鳥「早く書けよ!」
アニト「明日明日、また今度」
ベットでうつ伏せになったまま言う
黒い玉の鳥「書け書け!書けよ!
今書けぇーーー!!」喚き散らす
アニト「わかったわかった…!近所迷惑でしょ…!」
黒い玉の鳥「全部だぞ」
アニト「使えそうなのだけね」
黒い玉の鳥「全部!全部!全部ーー!!」
アニト「わかった…!わかったから!
イチイチ騒がないで!」
黒い玉の鳥「全部書けよ」
アニト「はいはい…」
アニト(三分の一、書いて誤魔化そ)
黒い玉の鳥「適当に書いたら、
お前のパンツ持って
隣の家に夜分遅くお邪魔するぞ」
アニト(なんてタチの悪い…)
ーーーー次の日…
ギルドに来ていたアニト
黒い玉の鳥「おい、このフトトカゲってなんだ?」
アニト「この辺りの火山に住む固有種で、
水を溜め込む習性があるトカゲだよ」
黒い玉の鳥「こいつ金もいいから
経験値もいいんじゃないのか?
…お!こっちは木竜!ギガキリムシもあるぞ!」
アニト「フトトカゲはこの辺りじゃ、いいとこ中堅だけど、どれにしても僕じゃ全然無理だよ、そもそも受けられないし……よしこの依頼にしておこう」
アニトがコボルトの依頼書を剥がす
黒い玉の鳥「ヘボ経験値…」
アニト「難しいのはいけないからね〜」
ーーーー離れた所に火山が見える湖へ
アニト「よし!三匹…!これで依頼達成だね」
黒い玉の鳥「どうだ!レベルは?!」
アニト「まだ19だよ」
黒い玉の鳥「ぬぅー…!
いつになったら20になるんだ!」
アニト「あともうちょっとなんだけどね」
黒い玉の鳥「おい!もっと頑張れ!」
アニト「はいはい、わかってるよ」
いつもは依頼分でやめてしまうが、
黒い玉の鳥にうるさく言われたのもあって、
暗くなりLv20になるまで奮闘する
アニト Lv20
スキル: 麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv2、防御Lv1、スキル購入
経験値7621/9153
残りSP15P
アニト「…やった…上がった…!」
黒い玉の鳥「よぉし!キタキタキタぞー!」
アニト「何に振るかは明日考えよ、
今日はもう疲れた…」
黒い玉の鳥「待て!お前が振るな!」
アニト「僕のSPだよ!」
黒い玉の鳥「いいのか?!
またしょうもないスキル取って
負け犬継続でも!」
アニト「ぐっ…!でも麺を飛ばすスキルなんて、
もう取らないよ!」
黒い玉の鳥「当たり前だろ!
俺が考えてやるから置いとけ!」
アニト「いやだよ!じゃあ僕がここで振って…!」
黒い玉の鳥「やめてくれー!頼むー!お願いだ!
俺にとっての救済の道はお前だけなんだ!
頼む…!」
アニトに縋り、
しおらしく頭を下げて頼む、黒い玉の鳥
アニト「ハァ…わかったよ、でも相談ね」
黒い玉の鳥「ありがてー!頼みついでに帰ったら、
この辺りにいるモンスターと、そのモンスターの特徴をまとめたものを書いてくれ」
アニト「なんて図々しい!」
黒い玉の鳥「早く帰るぞ、
俺が帰って来なくて
マミーとパピーが心配してるだろ」
アニト「そんなわけないよ!
ていうかなんで普通に帰ろうとしてんの!」
ーーーー次の日…
比較的早く水を水蒸気にするスキルと
2分の1の確率でスキル効果を瞬間的なものに圧縮するスキルの
二つのスキルを購入した
アニト Lv20
スキル: 麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv2、防御Lv1、比較的早く水を水蒸気にするLv1、2分の1の確率でスキル効果を瞬間的なものに圧縮するLv1、スキル購入
経験値7621/9153
残りSP 0
比較的早く水を水蒸気にするスキルと
2分の1の確率でスキル効果を瞬間的なものに圧縮するスキルの
二つのスキルを購入した
黒い玉の鳥「よーし!スキル買ったか?」
アニト「買ったよ…SP0になったけど…
ホントに大丈夫だろうね…」
黒い玉の鳥「ホントに買ったのか!」
アニト「買ったよ!」
黒い玉の鳥「えー?!冗談だったのにー!」
目を見開き驚く
アニト「えぇっ?!」やってしまったと焦る
黒い玉の鳥「ウッソーホントだよーん」
小踊りしながら馬鹿にする
アニト「ぐくっ…!」
騙された恥ずかしさと怒りで顔が赤くなる
黒い玉の鳥「とりあえず行くぞ来い」
アニト「なんで勝手に決めるの」不服な顔で言う
黒い玉の鳥「…え?
だってそのスキルの
使い道わかるか…?」
アニト「…分かんない…」目を背けて言う
黒い玉の鳥「プッ…」小馬鹿にする様に笑う
アニト「ぐくっ…ホントに…!」
黒い玉の鳥「早く行くぞ」
モヤモヤしながらもついて行くアニト
ーーー先日コボルトを倒した湖へ来ていた
黒い玉の鳥「よしじゃあ始めるか」
アニト「何するの?こんなスキルで」
アニト Lv20
スキル: 麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv2、防御Lv1、比較的早く水を水蒸気にするLv1、2分の1の確率でスキル効果を瞬間的なものに圧縮する、スキル購入
経験値7621/9153
残りSP 0
黒い玉の鳥「爆弾を作るんだよ」
アニト「こんなので爆弾なんて作れないでしょ」
黒い玉の鳥「水蒸気爆発も知らねえのか」
アニト「…まあ…だって学校じゃ習わないし…」
黒い玉の鳥「そんなんだからダメダメなんだよ」
アニト「イチイチそんな事
言わなくてもいいでしょ!」
黒い玉の鳥「そんな話はさておき、じゃあ取った二つのスキルを、湖の水で試してみろ」
黒い玉の鳥「離れてやれよ、どれくらいの効果になるかはイマイチ分からないけどな、近場でやると最悪死ぬかもな」
アニト「そ、そんな…死ぬなんて大袈裟な…水だよ?」まさかと思いつつも、言い方に怖くなる
黒い玉の鳥「やってみろ」
アニト「う、うん…」
買ってきた皮袋に水を入れ、湖から離れる
アニト「じゃあ…やるよ?」
離れて木の後ろに隠れる黒い玉の鳥
黒い玉の鳥「いけ!」
アニト「自分だけそんな遠くに…」
アニト「よし!」木の後ろに隠れて、皮袋を構える
アニト「それっ!」
比較的早く水を水蒸気にするスキルと
2分の1の確率でスキル効果を瞬間的なものに圧縮するスキルの
二つを同時に発動する
湖に皮袋がバシャッと落ちる
アニト「…」
黒い玉の鳥「…」木の後ろで構える二人
アニト「な、何も起きないよ…?」
黒い玉の鳥「二分の一だからな、
もう一回やってみろ」
アニト(本当に大丈夫かな〜…)
もう一度皮袋を拾って戻る
アニト「ほっ」皮袋を投げスキルを両方発動させる
その瞬間、ボンッ!という音と共に皮袋が弾け飛び、
辺りに水が飛ぶ、人に対してゼロ距離で爆発させれば
重症程度の爆発が起きる
黒い玉の鳥「まあ、これくらいなら大丈夫だろ」
アニト「え?!今の火薬かなんか入ってた?!」
黒い玉の鳥「今のが水蒸気爆発だ」
アニト「え!そ、そうなんだ…
こんな使い方があったなんて…」
タマ「まあこんなもんだろ」
アニト「これなら、コバルトやゴブリンとの
戦いの幅も広がるね!」
黒い玉の鳥「そんなヘボい奴相手に
使うわけないだろ、効率の悪い」
アニト「え?じゃあ何に使うの?」
黒い玉の鳥「道道教えてやる、
とりあえずあの山登るぞ」
アニト「いやあれ火山だよ?!危ないよ!」
ーーー火山中心から少し離れた岩石地帯に来る
火山の岩石地帯を歩く二人…
アニト「絶対無理だよ!フトトカゲの鱗は斧ですらまともに傷がつかないんだよ?!ショートソードしか持ってない僕がこんなところ来てどうするの?!」
黒い玉の鳥「まだ…もうちょい向こうか?他の奴に出会すと、面倒臭いんだけどな…」
アニト「聞いてる?!」
ーーーまだしばらく歩く
アニト「他のモンスターだっているだろうし、
大体フトトカゲなんて…」
黒い玉の鳥「心配するな外が硬いだけだろ、
中は防ぎようが…
あー!いたぞ!アイツか?!」
フトトカゲ「グォーー…」
赤い鱗ののドッシリした太めの体型の、
5mのトカゲがノシノシ歩く
黒い玉の鳥「いいか?!さっき言った事を
アイツに向けてやるんだぞ!」
アニト「ホントに上手くいくの?!」
黒い玉の鳥「いくいく!任せろ!」
アニト「あー!わかったよ!
行くよ!死んだら恨むよ!」
二人がフトトカゲへ向けて突っ込み、
黒い玉の鳥がフトトカゲの前を飛び、
トカゲの気を逸らす
アニト「はぁ!」アニトがフトトカゲの横腹に手をつける
黒い玉の鳥「やれー!」
フトトカゲ「グォッ?!」
トカゲの体からボンッと言う音が鳴った直後に
後脚でぐぁっと立ち上がる
フトトカゲ「グッ!グォォ…ォ…」
フラッと力なく地面に倒れた後、
フッと消え魔石を転がす
アニト「…え?…やっやったの…?」
黒い玉の鳥「すぐにレベルをみろ!どうだ?!」
アニト Lv23
スキル:麺を一日一本飛ばす、筋力強化Lv2、防御Lv1、比較的早く水を水蒸気にするLv1、2分の1の確率でスキル効果を瞬間的なものに圧縮するLv1、スキル購入
経験値9569/10030
残りSP3
アニト「あ!上がったよ!上がった!23だって!」
黒い玉の鳥「ウオッホッーイ!
この調子でガンガン行くぞぉ!」
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