第2話雑魚スキルは安い

ーーーー翌朝…


起床し一階へ下りるアニト


アニト「おはよう」


ブラン「おはよう!」


マリー「あら、おはよう、

       あれからちゃんと眠れた?」


アニト「うん大丈夫」


マリー「良かったわ、

     お父さんとお母さん用事があって

          役所に行って来るから」


母マリーがアニトの分の朝食を用意した後、支度する


ブラン「じゃあ行ってくるぞ」


マリー「戸締りちゃんとするのよ」


アニト「戸締り忘れるの母さんだけだよ」


マリー「あらそうだったかしら?」


ブラン「行こうか」


マリー「いってきまーす」


アニト「はーい、いってらっしゃ〜い…」

             

家にアニト一人になる


アニト「ご飯の前にちょっとトイレ」


アニト「ふぅ〜スッキ……」

トイレから出て来て、

       食卓のテーブルに目をやり固まる


黒い玉の鳥「ウ!ウマいなこれ!モグモグまともな…飯なんて…ムシャムシャ…久々…マグマグ…虫や草ばっかり…早く戻ってまともな飯を…ゴクッゴクッ…!」


黒い玉の様な形状の鳥が、

        アニトの朝食をガツガツ食べている


黒い玉の鳥「…?」後ろの視線に気づき振り返る



黒い玉の鳥「ギャーー!」

アニト「わぁーー!」お互いに驚く二人



アニト「ど、どっから入ったの!この鳥!」

              驚き焦るアニト


黒い玉の鳥「フンッ…!バレちゃあしょうがねえ!」


アニト「喋った!」


黒い玉の鳥「お前がアニト、

       スキルを購入できるスキル持ちか?」


アニト「え…?うん、そうだけど、

        なんで知ってるの?」戸惑うアニト


黒い玉の鳥「風の噂だ!お前はありとあらゆるスキルをSPで購入できると聞いたぞ!俺を元に戻せい!」


アニト「…何いってんの?」イマイチ理解できない


黒い玉の鳥

 「お前のスキルを購入できるスキルで、

   スキルを無効化できるスキルを買って

    俺にかかってるスキルを解除しろ!」


アニト「そんな事出来ないよ」


黒い玉の鳥「いいだろ!減るもんじゃねえ!」


アニト「僕のスキルはそんなに便利じゃないよ、

   スキル無効化にするものなんて強力だから

  その分購入の為のSPも多いんだから、無理だよ」


黒い玉の鳥「じゃあさっさとレベル上げしてSP貯めてこい!いくらだスキル無効化スキルは!」


アニト「もー…急に人んち入ってきてうるさいなぁ」


朝食を勝手に食べたりと、

やりたい放題な黒い玉の様な鳥を諦めさせる為に、

ステータスのスキル購入から、スキル無効化スキルを探す


アニト「えーっと…あった、

       スキル効果を完全解除これだね」


黒い玉の鳥「うぉーーー!

        それだー!いくらだーー?!」


黒い玉の鳥が手の届きそうな、

          求め続けた物に興奮する


アニト「必要SP1000だって」


黒い玉の鳥「…え…」固まる黒い玉の鳥


アニト「大丈夫…?死んだ?燃えるゴミでいっか」


黒い玉の鳥「死んでねえ!

      そんな事より1000ってマジか?!

        おま今いくつだ?!」


アニト「僕は今残りSP3だよ」


黒い玉の鳥「はぁー?!

         少なーー!

             全然足りてねぇ!」


アニト「うるさいなぁ、

      わかったらさっさと出てって」

            出て行けと手を振る


黒い玉の鳥「いや待て!

      レベル上げすりゃSP入るだろ!

            それで行こう!」


アニト「そんな1000貯めようと思ったら、  

       いくつ上げないと、

          いけないか分かんないよ、

              僕そんな強くないし」


黒い玉の鳥「お前SP3って事はなんか買ったんだろ!

           今持ってるのはなんだ!」


レベル上げに一縷の望みをかけて、

  レベル上げに使えそうなスキルがある事を、

             期待する黒い玉の鳥


アニト「朝から騒がしいなぁ、もぉ〜」


黒い玉の鳥「いいから教えろ!」


アニト「筋力強化Lv2と硬化Lv1…それと…」

       一つ目二つ目はすんなり言う


黒い玉の鳥「おお!低いがまあ無難だな!

             ……それと?!」


黒い玉の鳥(こいこいこい!レアスキルこい!)


アニト「…め、麺を飛ばすスキル…」

          言いたくなさそうに言う


黒い玉の鳥「キター!

      聞いたことも無いレアスキルーー!」

       …いやちょっと待て、なんだそれ?」


アニト「…文字通りだよ…」顔を背けて小声で言う


黒い玉の鳥「どんなだ?やってみせろ」


アニト「えー…」露骨に嫌そうな顔をする


黒い玉の鳥「早くやれ!」


アニト「ハァ…はいはい、朝からうるさい鳥……」


アニトが手のひらを、皿の上に出す


黒い玉の鳥(きっと凄いきっと凄い!

      いや!凄くなければ俺は一生このまま!

        頼むぞぉー!お願いしますー!)


黒い玉の鳥が手を合わせ祈る


アニト「……」


アニトの掌の中心から一本の麺が、顔を出し、

  ゆーっくり…ウニュ〜…っと出てくる


黒い玉の鳥「…」無言で見つめる


アニト「…」

麺が少しずつ出てきて

   三十cmほど出てきたところで

         皿の上にポトっと落ちる


黒い玉の鳥「…?」首を傾げる


黒い玉の鳥「…終わりか…?」


アニト「…うん…」


黒い玉の鳥「ふざけんな!

       なんでこんなスキル買ったんだ!

               頭おかしいのか!」


アニト「うるさいな!

   子どもの頃なんだからしょうがないでしょ!」


黒い玉の鳥「他に買えそうなスキルは無いのか!」


アニト「SP3のスキルはないから、

 SP1で買えるスキルなんてこんなのばっかりだよ」


黒い玉の鳥「他にどんなものがある!」


アニト「これ聞いたら出てってよ…」


アニト「1だとあと他には… トイレへ行きたくなる、短時間大変変態になる、体から微かにブイーンと鳴る、文字の閉じ括弧が消えて見える…だよ、一応他にもあるけど似たり寄ったりだよ」


黒い玉の鳥「…なんて事だ…」黒い玉の鳥が、食べていた朝食にドチャッと倒れる


アニト「はい、じゃあもう出てってよ」


黒い玉の鳥「いや待て!」


アニト「まだあるの…」


黒い玉の鳥「お前レベルいくつだ?!」


アニト「個人情報だから教えない、

            はい、帰った帰った」


アニトが黒い玉の鳥を掴んで、

           外へ持っていこうとする


黒い玉の鳥「レベルだけ教えてくれー!頼むー!」

     掴まれている黒い玉の鳥が懇願する


アニト「しょうがないなぁー…19だよ」


黒い玉の鳥「ひっく…!」


アニト「うるさいなぁ!はいじゃあ帰って!」


黒い玉の鳥を持ったまま玄関の扉を開けようとする


黒い玉の鳥「ギャー!待て待て待て!

              いい方法がある!」


アニト「…いい方法?」

   つい話の内容が気になりピタッと止まる


黒い玉の鳥「もちろん!」


アニト「…どんな方法?」話半分に聞く


黒い玉の鳥「レベル20になりゃいくらか、

        ボーナスでSPが入るだろ?

            それでスキル取るんだよ」


アニト「そんなの僕だってやってるよ!じゃあね!」


黒い玉の鳥を玄関先へ置き、玄関の扉を強く閉める


黒い玉の鳥「クッソー…

       SP3とかふざけやがってー…

         麺飛ばすってなんだよ…

          そもそも飛んでなかっただろ」


文句を言いながら飛び立つ黒い玉の鳥



ーーーその日の夜…



アニト「ただいまー」依頼を終えて帰ってくる


マリー「おかえりなさーい!」


ブラン「怪我はなかったか?!大丈夫か?!」


アニト「うん大丈夫だよ」


ブラン「そうか、なら良かった」


黒い玉の鳥「マミーおかわりー」


マリー「は〜い、いっぱい食べてね〜」


アニト「僕もご飯、今日のごは…」

      聞き覚えのある声の方を見る


アニト「え?!何してるの?!」


黒い玉の鳥「よぉ!」アニトに軽く言う黒い玉の鳥


アニト「いや、よおじゃないよ!」


マリー「はーいタマタマちゃんおかわりですよ」


黒い玉の鳥「サンキューマミー!」


アニト「いや名前!それ以外もだけど!

              お父さんいいの?!」


ブラン「いやー、家の前でビショビショになってるところをお母さんと見つけてなー、可哀想だから家に入れたんだよ、良かったな弟だぞ」


アニト「いやいやいや!良くないよ!」


マリー「あら?妹の方が良かった?」


黒い玉の鳥「俺は妹でもいいぜ」


アニト「やだよ!何考えてんの?!」


ーーー文句を言っても放り出す事が出来ず、

               食事を取り二階へ


黒い玉の鳥「マミーの料理なかなかだなー…」

        ベットの上でくつろぐ黒い玉の鳥


アニト「明日は出てってよ」


黒い玉の鳥「おい、ところでお前、

         他のスキルはどんなのがある?」


アニト「他の?他はまあ色々と」


黒い玉の鳥「教えろ」


アニト「やだよ」


黒い玉の鳥「教えろ!教えろ!教えろ!」

          喚きバタバタだだをこねる


アニト「わかったわかった、ホントに…」

         うるさい存在に疲れるアニト


アニト「ざっくりだけど…」


必要SP1

風の方角がたまにわかる、緑が赤に見える、食べ物を投げられる、稀に鳥が上を通る、etc…


必要SP5

食べかけの果実が出てくる、物に自身の名前を印字する、比較的早く水を水蒸気にする、柔軟になる、etc…


必要SP10

筋力強化、防御、一時硬化、軽毒、軽麻痺、軽眠毒、2分の1の確率でスキル効果を瞬間的なものに圧縮する、火の玉を飛ばす、スキル効果を大きくマイナスにし効果を反転する、etc…


必要SP20

自身の治癒回復促進、小収納空間、爆破、スキル効果を1秒間増長する、低いレベルかつ劣等なモンスターの使役、etc…


必要SP30

自動回復、対象を指定して回復、範囲小回復、唾液で治癒促進、一部の病気を治す、etc…


必要SP40

短時間一部無敵、炎を操る、風を操る、水を操る、短時間怪力、指から空気砲、菌の生成、etc…


必要SP60

一定時間無敵、一部巨大化、短距離瞬間移動、一定時間分身する、触れた部分を壊死させる、etc…


必要SP80

マイルーム、欠損した部位の治癒、怪物に変異する、雷を操る、溶岩を操る、ウィルスの生成、etc…


必要SP100

隕石を落下させる、地震を起こす、自信を見ている者に催眠をかける、物に意思を与える、絶対零度、燼滅、etc…


一部分をかいつまんで説明する


アニト「こんな感じだよ」


黒い玉の鳥「なるほどなぁ〜、強力な物はSPいるのかー…」


アニト「レベル上げしようにも

        強いスキルは持ってないし、

    SP貯めようとするとスキル取れないから

        レベル上げ出来ないしで、

            上手くいかないもんでね」


黒い玉の鳥「今日は寝るか、

        明日からレベル上げだ、

                わかったか?」


ベットでくつろぐ黒い玉の鳥


アニト「明日は出てってよ!

     それとそこは僕のベットだよ!」

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