日常の中の珍客

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日常の中の珍客

今日も夜勤へと向かう。

いつもと同じ道。いつもと同じ空。

漆黒に染まった空に、月がひょこっと顔を出す。


「危ない!」


思わず急ブレーキを踏んだ。

黒猫が道路に飛び出したけれど、月明りのおかげでひかずに済んだ。

「はぁ〜〜良かったぁ〜」

心臓の動悸はしばらく治まらなかった。


夜勤を終えると、いつもの海沿いのコンビニに車を停める。

いつもと同じ空。いつもと同じ海。


ラテを両手で包み込み温もりを感じていると、ニャーニャーと猫の鳴き声が聞こえてきた。


運転席から窓の外を覗くと、黒猫がすぐ下のタイヤに顔を擦り付けている。


車から降りて黒猫に話しかけてみる。

「お前は昨日の猫かい?」

するとその黒猫は「にゃーお」と返事をして、ズボンの裾に顔を擦り付けてきた。

「そっか、そっか。分かったよ」と言ってその猫を撫でながら、朝日できらめいた海をぼんやりと眺めていた。

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