第3章 公国の黙示 (こうこくのもくし)
第26話
26
眼帯の紳士の歩みは全く自信に
リードされて行くエリオスがまるで飼い犬の様に情けない。この陸軍中佐に救いがあったとすれば、眼帯の紳士の方が、数年、年長と誰しもが思うところだろう。
陸軍参謀本部の
ただ、現況には無駄に情報元として
しばらく歩くと、地下への階段を降り、そこの突き当りの部屋の前で、初めて、眼帯の紳士を、壮年の
この部屋の鍵はエリオスが持っているからである。
ガチャ、ギーーーーーツ
部屋の中には先ほどの会議室のような
エリオスが内側から、鍵をかけ、二人は一番奥の円卓の椅子に腰を掛けた。
長髪の中佐が
「・・・あなたが来られるとは、予想しませんでした。もし、先程の会議室の軍人や軍属に顔を知っているものが居たら、どうするんですか。」
「そこは、完璧に調査済みなので、ご心配には及びません。」
「まったく,
「まあ、気にしないように。それよりも今回のスクワイア監獄での事案ですよ。」
「そうでしょうな。ブライアン軍曹は元は私の部下で、グレコ大佐は元上官ですね・・。」
「はい。それももう調査済みです。」
眼帯の紳士の見開かれた、
エリオスは息を飲み、恐る恐る質問した。
「二人の生命はどうなるのでしょうか。」
「分かりません。ただ、場合によっては、奪わなくやもしれませんね。」
中佐の
「いや、しかし、中央からの下命は
「おっしゃる通りです。しかし我々は昔から、
「しかし!」
自称実業家の男性が遮る。
「おっしゃりたいことは分かります。なんでもかんでも
「分かって頂けるなら、有難い。正直な話、今回の事件はブライアンだけが、悪いというのは、あまりにも
珍しく、硬派な将校は感情的な発言を
二人の男は、人間として意志が
「あなたは、この事案が発生する、少し前にスクワイア監獄でブライアン軍曹と接触してますね?そこで何をしましたか?」
「彼が何度も
「なるほど。やはり、ブライアン軍曹はグレコ大佐を兄のように
「そのとおりです。前大陸大戦では最前線で死闘を繰り返していましたから。」
「その時、エリオス中佐は、グレコ大佐の副将でしたね?」
「はい。その通りです・・。しかし、私は魔薬異能力者ではないので、
「ふむふむ。公国陸軍内でもエリオス中佐は
「ははは、そうですか。まあ、数年前から平和になったので、もはや意味のない肩書ですな。」
「そうでもないですよ。
「話が脱線してませんか?私のことなどよりも今は・・。」
「失礼、兵は
「・・・ここだけの話ですが、伯爵は
「・・・でしょうな。
「・・・いろいろどうもありがとうございました。事情はよく
片目の紳士は席を立ち、帽子を胸に当て、頭を下げた。
「・・・あなたは今回の事件どっちの人間として動くのですか・・・?」
紳士の背中に向かってエリオスが問う。
「状況に応じてですね。公安のトップとしてか、
地下室は
陸軍参謀本部の外はいよいよ、
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