第9話
10
「いらっしゃい!いらっしゃい!」
その屋根は半分ほど損失していた。
昨日のバケツを、いや、下手な公衆浴場ひっくり返した様な、大豪雨のせいであろう。
しかし、
中心部の大通りの近くではないもの、
今日はまばらで、さっぱりである。
半分を損失したのは
しかし、そこに一人の
「おい、お兄さん、相変わらず、何屋かわからんなあ、君の所は・・・。」
「まあ、
「では、いつものその弁当をひとつ。」
「はい、毎度あり。500テスコになります。」
「なに!?いつも400テスコだったじゃないか!?」
「すみません。昨日の
「なるほど、それで利益が出づらいから、少し値上げしたというわけか。だが・・・私はこの弁当は買うが、あまり
「はい、ご指導、ご
そして、その紳士は
店主はカウンターに背を向け、1000テスコ札を木製の集金箱の中に入れた時に、左手の甲に赤い
そして振り向くと、新たな来客が居た。
星が
「こんにちは。兄ちゃん、今日はお客さんが全然だね。」
「はっはっはっ。相変わらず口が悪いな、エピ。まあ、事実だから仕方ねーが。」
「所で今のおじちゃん、誰?なんか随分と
「・・・ははは、お金持ちの実業家の方だよ。そんな事より、今日は何を、言いつけられてきたんだい?」
「キャベツ2つとルッコラを
「毎度あり、いつも有り難うね。全部340テスコだよ。今日はサービスで・・・」
・・・っと言うと、店主はリンゴを一つ買い物袋に入れた。
「うわ、サンキュー、大好きだぜ!兄ちゃん!、はい、丁度だよ!!」
「では、確かに丁度、340テスコ。はい、品物だよ。」
「じゃあね!!兄ちゃん!!」
エピは
バッターーーン!!!ビッシャァーーー!!!
通行人とエピの
「痛たたた・・・。あ!キャベツが・・・!」エピは戸惑った。
「あ、痛たた・・・又か・・・。」
近くの若い娘が半開きの眼で口を
「・・・また同じような失敗して・・・。あんたってホントに間抜けよぇ・・・。どうすんのよ、この子のキャベツ・・・。甘酒がひっかかちゃったじゃない・・・。」
若者は
「ごめんね、僕、この人が下らない事で、ムキになるから・・・あれ!!??」
若者は
「あっ!!!あの時の!!!」
3人が同じ言葉を
しかし、この時、この
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