第9話

士官学校に入学してから一ヶ月が過ぎたある日のこと

僕は次の授業の教室へ向かうため急ぎ足で歩いていた

僕「いっそがっなきゃっと」


てってって


曲がり角を曲がった時いきなり人が飛び出してきた

博士ちゃん「きゃあ」

僕「ぎゃー!」

僕と博士ちゃんは思いっきりぶつかった

僕が手に持っていた教材が床に散らばる

それどころか博士ちゃんが持っていた大量の資料が宙に舞っていた

僕「ごめんなさいごめんなさい、今拾いますから」

博士ちゃん「きぇー!なんてことしてくれるのよー!はやくひろってひろってひろってひろって!!!」

僕と博士ちゃんは急いで床に散らばった書類をかき集めた

そのときお互いの手が重なった

博士ちゃん・僕「あ・・・」

3秒の沈黙が続く

博士ちゃん「なによ、あんたとラブコメ展開になんてなってもうれしくないわよ!」

僕「す、すいません」

これが僕と博士ちゃんとの出会いだった


週末

僕はDちゃんと本屋へ行く待ち合わせをしていた

僕は不慣れな土地のせいか5分遅れで駅前に到着した

僕「ごめーんまったー?」

Dちゃん「いまきたとこだよー」

僕「今日は本屋に行ってその後街の案内をしてくれるって話だよね」

D「そうだよーいろいろおしえちゃうんだから!たのしみにしててねー」


本屋にて

僕とDちゃんは歴史の本棚の前にいた

Dちゃん「これなんかどう?」

Dちゃんは高いところにある本を指差した

ほんのタイトルは(BLの歴史と考察)だった

僕「Dちゃんっておもしろいなぁ」

Dちゃん「ふふふ、だって僕ちゃんってなんかぁ~それっぽいんだもん」

僕「わははは」

Dちゃん「じゃあこれは?」

Dちゃんが指差したのは今度は過激派を支持する出版社の戦争雑誌だった

タイトルはL氏一族の遺産の行方、お家騒動か?

僕は少しページをめくってみた


~遺産をめぐる一族の争い~

L氏は10人の子孫をのこした

その末裔はいまや数百人規模になるという

そのL氏が遺書に残した電子マネーはおよそ100兆ドルにもなるという

遺産存続先の名前はその時まだわずか生後2ヶ月だったAという赤ん坊

その後赤ん坊とその母親は行方不明になった

遺産は別人のもとへゆくのかと思いきや電子マネーにはロックが掛かっていた

暗証番号は1京桁の16進数

残されたL氏末裔は落胆した


僕は読むのをやめた


僕「もう本屋でようか」

Dちゃん「なんか変なことでも書いてあった?」

僕「いや、それよりお腹が減ったよ」

Dちゃん「まだお昼には早いから少し歩いてからマクナルいこっか!」


歩いていると僕はひとつの建物が目に止まった

僕「Dちゃんあの建物いつごろからああなってるの?」

Dちゃん「あぁ、あのオンボロ屋敷?あれは学校の博士ちゃん先生の家だよ」

僕「博士ちゃん先生ってやたらでっかいお屋敷に住んでるんだなぁ、けど窓ガラスとか割れてるしこれじゃあお化け屋敷だよ」

Dちゃん「うん、博士ちゃん学校でも少し浮いてるみたい、なんか天才肌ってかんじ?」

僕「研究者ってそういうものなのかもね」

そして、僕らは食事をしたあとお別れをした


僕はベッドの中で今日一日のことを思い返していた

次の日、僕は訓練生として初めての緊急任務につくのだった

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