第4話
僕には誰にも言えない秘密がある
それは女の子の人形の手入れすることだ
それもドールと呼ばれる身長が160cmほどもある人形を僕は大切にしている
今日は家で一人だ
両親は旅行にでかけている
僕は押入れに隠しておいたドールを取り出すと椅子に座らせた
僕「大好きだよ・・・Aちゃん」
ドールはAちゃんににせて作ってある
特に人形の胸のあたりは大きい
僕がドールを愛でようとするとそこで邪魔が入った
ピーンポーン
僕「ちっ」
階段を降りる
僕「はい今でますよー」
玄関のドアを開けるとそこには本物のAちゃんがいた
Aちゃん「こんばんは、ちゃんと晩ごはん食べた?」
僕「Aちゃん!まだだけど、どうして?」
Aちゃん「僕ちゃんのお母さんに頼まれたんだ、晩ごはん一緒にたべるようにって、それで作ってきたの」
僕「お~ナイス~ささ、入って入って」
Aちゃん「おじゃましまーす」
僕らは食事を思う存分楽しんだ
ニュースを見ながらのささやかな雑談
Aちゃん「哲学的ゾンビってしってる?」
僕「しらない、なにそれ」
Aちゃん「じゃあ人間機械論はしってる?」
僕「しらないよー、Aちゃんは頭いいな」
Aちゃん「いや、わたしもこの間倫理の授業で習ったんだ、すごくおもしろい話だなって思って感動しちゃった、あのね、シンプルにいうと、人間と同じように振る舞う機械があったらそれには魂が宿ってるはずだ、っていう考えなんだって」
僕「へー、そりゃ大層なこったな」
僕は内心でどきりとしていた
2階にある僕の大切なドールのことを思っていた
テレビでは殺人事件の報道がされている
まだ加害者は捕まっていないらしい
Aちゃん「いやな事件だね、こわい、加害者の写真を見るといかにもオタクってかんじ」
僕は自分がオタクであることをAちゃんには教えていない、そんなこと絶対に言えるわけなかった
僕「そうだね・・・」
とりあえずあいずちをうつくらいしか僕にはできなかった
僕「ちょっとトイレ」
Aちゃん「だまって行ってよね」
僕「ほいほいっと」
トイレでのひととき
僕「ふぅ」
そういえば2階にあるドールはまだ椅子の上に座らせたままだ
僕は少しづつ不安になってきた
ドールの存在がAちゃんにばれたりしないだろうか
早くもどることにした
だけどおしっこがこんなときに限ってなかなか止まらない
僕「むすこよ・・・まだか!」
食卓にもどるとそこにAちゃんはいなかった
僕は自分の体から血の気が去るのを感じた
僕は我慢できずに走り出した
そして、階段を駆け上がる
ドン!
自室の扉を開けた
そこにはAちゃんが2人いた
Aちゃん「さよなら」
僕は立っていた方のAちゃんに突き飛ばされた
僕「ちょ、ま、待てって」
Aちゃん「わたしはもうあなたとは仲良くできないの!金輪際関わらないで!」
僕「・・・」
ドン!
そしてAちゃんは扉から出ていった
その日僕はギャルゲーを読んだ
PC画面には美少女と選択肢がのっている
1.「あなたが好きです!」
2.「あなたとは交際できません」
僕は空想の女の子を選んで1を選択した
次の日の朝、登校するとAちゃんは事故にあって死んでいた
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