第3話 登山
今日はハイキング
山道で僕はAちゃんの後ろを歩いていた
僕「ハァハァ」
僕の細い脚の筋肉がキュウキュウと悲鳴をあげる
僕「乳酸貯まるぜぇ」
Aちゃん「乳酸って筋肉にたまるの?」
僕「さあね、今度親にでも聞いてみたらどうだい」
僕はAちゃんの大きいお尻を追っかけながら必死においていかれまいとしていた
お尻の向こう側にはさぞおっぱいがたゆんたゆんとしているだろう
ぜひ拝んでみたいものだ
僕「くっ」
Aちゃん「?」
今日は週末、Aちゃんと僕は山の頂上まで行ってスケッチをすることになっていた
山の頂上には仏像がそなえられているそうだ
僕は何を拝めばいいのやらわからないままとにかく脚を動かした
僕「よっしゃああああ」
Aちゃん「ついたー」
僕らはベンチに腰掛けた
僕らが普段住んでいる町が小さく見える
Aちゃん「わたし小さな頃にこの山に登ったことがあったの」
僕「へえ初耳だね」
Aちゃん「僕ちゃんにもこの景色を見せてあげたくて」
僕「そりゃありがとよそれより俺は無視ざされで死にそうだ」
Aちゃんは無視して続けた
Aちゃん「今度ねあの体育館でレスリングの試合があるんだ、見える?」
Aちゃんは指差した
僕は正直どこかわからなかったが、適当に返事をすることにした
僕「あーあの建物ね、Aちゃんってたしか中学生の時バリバリレスリング強かったよな」
Aちゃん「うん、、でももう今回の試合で終わりにしようと思って、、、」
僕「え!そうなの!?なんで?」
Aちゃん「だってレスリングってなんか女の子らしくないじゃない?」
僕「そっかぁ」
Aちゃんの中では様々な葛藤があったことだろう
同性のクラスメイトたちが次々と彼氏自慢をするなか、Aちゃんにはまだ彼氏がいなかった
確かにレスリングなんてものをしていて、Aちゃんはなまじ男より強い
そんなAちゃんに近づく男はそうとうの怖いもの知らずだろう
それにAちゃんも年齢には抗えずその体は高校生になってふんわりと成長してきていた
僕「ぼくさあ・・・」
3秒の沈黙が過ぎた
Aちゃん「なぁに?」
僕「中学生の時のAちゃんを見て戦う女の子ってすごいかっこいいと思ったんだ」
Aちゃん「そう?」
僕「それに僕ってAちゃんみたいに特技とか趣味とかなくてさ、Aちゃんみたいになにか頑張れるものとかがある人がすごくうらやましかった、ほら僕って才能ないじゃん?」
Aちゃん「僕ちゃん才能あるよ」
僕「ないよぉ」
Aちゃん「ある」
僕「ないよ、ほら僕ってどんくさいしさ、この前も・・・」
Aちゃんは大きい声を出した
Aちゃん「あるよ!」
僕は震え上がって言った
僕「は、はい・・・わかりました・・・」
Aちゃんは怒ると結構怖いのだ
Aちゃん「ところで何をスケッチしたの」
僕「とりあえず景色を描いてみた、その、山とか?」
僕はスケッチブックの上の連なる山を見ながら、いつかAちゃんの山をスケッチしてみたいと願っていた・・・
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