第4話 自分と言う人間を意識し始めた日

魔法の記述書の言った言葉通りに

自分の使う時間を意識した。

もしかしたら、、。

いや、もしかしたらではなく、

自分が何をしているのかを意識したのは、

今日が初めてだろう。

今日と言うか、、。今。


そして、クラスの担任の先生に

提出している日誌を思い出した。

一日の過ごした時間を書いて、提出している。

提出しているが、なんとなく適当に書いて、

だしているだけ。

そう。振り返りもしなければ、

意識した後に行動したわけでもない。


・・・。


決められた時間は、無意識でいい。

朝の8時から夕方の4時まで、講義。

そして、5時まで、ぼーっとして、

うん?ぼーっとして、ってのは、

魔法の記述書は許してくれないのか?

なにに対して、ぼーっとしたのか?とか、

言われる?


いつもしている、無意識に経過してしまう時間を意識して、帰宅することにした。

何をする?

自分は何をしたい?

未来?

それは、なに?


朝日が上がったら、しょうがなく起きて、

食卓で、用意された朝御飯を食べ、

歯を磨き、取り敢えず頭や顔を整えた気分になり、服を慌てて着て、「遅刻する~。」

慌てて駆け出す。

いつも、常に急ぐ。

なんとか間に合って、慌てて準備、

一日の講義が始まる。

後は、決められたスケジュールに従い、

決まった時間に解放される。

向上心もへったくれもない。

あるがままに流される。

好きも、成りたいも、理想もない。

「未来?分からないよ。」

「なにに成りたいか?分かるわけ無い。」

「好き?なんだろね?嫌いなら分かるよ。」

魔法の記述書の言葉は、難しかった。

何も考えず、ただ息をして、ご飯を食べて、

決められたスケジュールをこなし、

疲れたと帰宅して、

ご飯を食べ、

お風呂に入り

眠るだけのルーティーンをこなす私としては。


追加として、テレビを見て、母親と会話して。

そんなもん。

自分が、何もないことをまじまじと体感した。



魔法の記述書に、明日、何て答えたら良いだろう?今、何をしようか?

今、ひたすら費やしている時間は、ただ、自分と向き合うこと。何をどうしたら、より良い報告が出来るだろうと思って考えてみたのに、何も思い付かない。参考になる人も、本も、何もない。

ただひたすらに、自問自答する。

いつもなら?どうしてた?

ひたすらぐるぐる考えて、夕食を食べて、

お風呂に入り、眠る。


テレビを見るか?

漫画を見るか?

母親と話すか?

うたた寝するか?

それが、自分の未来や、好きを考えただけ。

しかも、答えは出なかった。

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