絵本鑑賞

晃side


太陽の光が瞼に沁みていく。

目を開けると清々しいくらいに光を放り注ぐ太陽が見えた。

「ぅーっくわぁぁぁ。」

僕は欠伸をしながら体を動かす。

「おはよう…夜空。」

白玉は目を擦りながら僕に近寄った。

「おはよう白玉。よく寝れた?」

「お陰様でぐっすりだ。夜空は?疲れは取れたか?」

「僕はバッチリだよ!!」

「なら良かった。」

ここに来てからとても心地の良い眠りに付けていた。

睡眠って大切なんだと改めて知った。

コンコン

「「夜空様、白玉様。お目覚めでしょうか。」」

「あ!起きてます!!!」

僕は慌て扉を開けた。

「「おはよう御座います。お目覚めでしたらリビングまでお越し下さいませ。青藍様がお呼びで御座います。」」

「青藍が?帰っていたのか…。夜空、リビングに向かうぞ。」

白玉はそう言って僕の手を引き部屋を出た。

リビングに着くと青藍を含め4人が揃っていた。

「2人ともおはよう。座れ。」

青藍が椅子に誘導したので僕達は座った。

テーブルの真ん中に絵本が置かれていた。

「それじゃあ。2人が来たから話を進めるか。」

話って何だろう…?

青藍は真面目な顔をしている。

真面目な話なんだろう。

「百合。昨日の話を皆んなにしてやれ。」

「あぁ。」

百合は咳を一回して話し出した。

「実は昨日の夜。屋敷を出た後に俺は裕二と待ち合わせをしてたんだ。」

「「「えぇぇ!!!?」」」」

僕を含め残りの3人が驚いていた。

「おいおい…。昨日は欠片を集めに行ったんじゃねぇのか?」

「実はそれは嘘なんだ闇。」

「一体どうして裕二さん?っと?」

闇と空蛾が百合に質問をする。

「この間、住宅地に奇襲してきただろ?その時に耳打ちしてきたんだ。"3日後、ここで待ってる"ってな。それで俺は本当に来るのか、確かめに行ったんだ。」

「百合…無茶な事したなぁ…。」

僕は頭を掻きながら百合を見つめた。

「悪いな。それでな…裕二にガイを一緒に潰そうって言われた。」

「「「えぇぇぇぇ!!!?!!?」」」

「ちょ、ちょっと待って!!理解が追いつかねぇって!?はぁ?!」

闇が凄い慌てていた。

空蛾何て目を点にしたまま動いていなかった。

僕も開いた口が塞がらない。

何て事だ…。

一夜にしてとんでもない話が進んでいたのか。

「それで?お前は何と言ったんだ百合。」

白玉の言葉で僕達はピクッと体が動いた。

「裕二は俺の知っている裕二のままだった。アイツはガイの事を色々調べたらしいんだ。そしてガイから杖を奪おうと提案をしてきたんだ。」

「ほう…。その裕二って奴も中々良い所に目を付けたな。」

「杖?」

僕が尋ねると青藍は説明をしてくれた。

「アイツはな、本来は人の姿じゃ無かったんだよ。」

「人の姿じゃないって…?」

「これを見ながら話した方が良さそうだな。」

そう言って青藍は指を鳴らした。

絵本が浮き上がりパラパラとページが捲れた。

「今からこの絵本の物語をお前らの頭の中に送り込む。」

「送り込むって?ビジョンみたいなものが流れてくるって事かしら?」

「その通りだ。この絵本を見た方が話は早い。」

絵本から光の玉が5個現れ、光の玉がそれぞれ僕達の頭の中に飛んで来た。

驚いて目を瞑った。

すると映画のフィルムがパラパラと音を立てて回り始めた。

僕は真っ白い空間に黒い1人用のソファーに座っていた。

「ここは…?」

大きなモニターが現れ番号が表示された。

5、4、3、2、1…。

モニターから映像が流れた。

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