晃の決意
晃side
僕は白玉の話を静かに聞いた。
星の中に種を植え付けられた事。
ガイの行動を止めていた事。
白玉は命を掛けて星を助けたいって事。
「そうだったんだ…。白玉にとって星はすごく大事な存在なんだね。だけど、どうして僕の夢に出て来たの?」
「ガイが星の肉体を操り自殺をさせ、死後の世界に行くと言う計画が立てられたんだ。」
「何だって!?」
ガイが星の肉体を操る?
じゃあもしかして、星の自殺は…。
「星の意志じゃなくて、操られて自殺したって事!?」
「そう言う事だな。」
「そんなの…全部ガイの仕業って事じゃん。」
じゃあ、星は自殺をしたくて死んだわけじゃ無い。
ガイが星の肉体を操り自殺をさせたって…。
「星は…殺されたのか…。」
白玉は黙って頷いた。
「ガイは星がMADAに選ばれない様に仕組んだ。」
「仕組んだ…?」
「ガイは殺意を沸かせるんじゃなく、絶望心を芽生えさせる為に種を植え付け、もう一つの人格を作り上げた。そしてその事に対して強い絶望心を作り出す事が狙いだった。絶望感を持ったまま自殺させる事で本当の星を欠片にする必要があった。」
「必要があったって…。わざと欠片にするようにガイが仕組んだのか?」
僕は怒りで体が震えるのが分かった。
ガイはただ、自分の目的の為に星の心を壊したって事だろ?
もしかしたら相手なんて誰でも良くて、たまたま目に入った星をターゲットにしただけで、星じゃなくても良かったんじゃないか?
「欠片にする事でこの世界で作られた人格の方に星の最後の欠片を心臓にする計画だったんだ。」
「!?。最後の欠片…ってまさか…。」
この先は言いたく無かった。
言わなくても分かってしまった。
「そうだ。最後の星の欠片を取る為には、もう一つの人格の星をお前が殺す事。」
「…。」
作られた人格だとしてもあの星も星だ。
僕に星を助ける為には星を殺さないといけない。
「空蛾や闇、百合の大切な人も同じように欠片にされ、この世界に来た。妾は…皆んなに残酷な事をさせようとしている。」
白玉の目から大粒の涙が溢れ(こぼれ)落ちていた。
「白玉は悪くないじゃん…。」
「妾は何も出来なかった。ガイを止める事が出来なかった。だから3人に会いに行ってこの世界に来る様に言った…。」
「白玉…。」
「晃の夢の中に入り、欠片を集めてって言った。結局、妾は星の事を助けれない…。晃にしか星を助けられないんだ。」
白玉はそう言って僕に抱き付いてきた。
「お願い晃…。星を…星の事助けてあげて!!」
白玉の小さな体が震えている。
白玉は星や、空蛾と闇と百合の大切な人も守ろうと行動をしていた。
だけど僕達をこの世界に呼ばないと助からないようにガイが仕組んだんだ。
僕は白玉を抱き締めた。
「あき…ら?」
「白玉、僕は星を助けるよ。星の心を救えるのは僕しか居ないんだ。星の事を分かってあげられなかった僕の責任だ。星にあんな事させてしまったのも僕のせいだ。だからこそ僕が星にできてしまった人格を殺さないといけない。僕は殺すよ、星の心を殺した星を。」
「あきら…。」
白玉を僕は強く抱き締めた。
僕の部屋の外でー
空蛾と闇、百合の3人は夜空と白玉の話を聞いていた。
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