第7話尾張平定



本文

天文11年 那古野城 平手屋敷


ここに屋敷の主平手政秀を始め、並河与五郎則房、林秀貞、などの織田家重臣が集まっていた。


「与五郎、殿に大和守家と三奉行を滅ぼすことを提案したことを聞いたぞ」


「はい」


「よく言った与五郎!!あの者たちは獅子身中の虫であった、それを滅ぼしてなにが悪い!」「然り然り」と政秀の言葉に秀貞を始めとした者たちは言う。




「しかし、殿は三奉行を滅ぼすことには同意したが、大和守家については駄目であった」




その与五郎の言葉を聞いて、なんとも言えない雰囲気になった。




「確かに、殿の気持ちは分からなくもない」と言う家臣のひとりの発言に同意する者は少なからずいた。




「まあ、因幡守家と藤左衛門家を滅ぼせるだけでも良しとするべきです」




∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆∆


会合から幾日か立ち、信秀率いる7000の軍が清洲三奉行の因幡守家と藤左衛門家に同時攻撃を仕掛けた。




その二家は、信秀の攻撃に対して抵抗という抵抗をできぬまま滅ばされてしまった。 


しかしこの信秀の行動に対して大和守家の織田達勝は激怒した。そして達勝は信秀の城、勝幡城を攻撃してきた。




その攻撃に対して信秀は返す刀の如く勝幡城に向かい大和守家の軍勢と戦った。




「殿、やはり大和守家を滅ぼすべきです」


「くどいぞ、与五郎!他の三奉行を滅ぼしたので十分だ。大和守家とは和睦する」




その言葉通り、一度合戦をした後に信秀は大和守と和睦し、矛を収めた。




しかし、この和睦に対して不満に思う家臣たちも少なからずいたが、その不満を平手政秀がなんとか抑え落ち着いた。がこの頃から信秀の勢力に陰りが見えはじめていたが、そのことにまだ誰も気づいていない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る