特殊な異能を持つ高校生 VS 一般高校生の「城取ゲーム」から始まるこの物語。
ただの八百長ゲームかと思いきや、事態は思いもよらぬ方向に……。
徐々に明かされる、このゲームに隠された様々な思惑や陰謀とは?
そして、主人公が思い描く ”未来” とはどんな世界なのか?
読み始めた頃は、異能者に果敢に立ち向かう一般人を描いた、いわゆる下剋上バトル小説なのかなと思っていましたが、読んでビックリ……そんな単純なものでは無く、もっともっと複雑に絡み合った物語でした。
格差社会やSNS事情などを扱うシーンでは、現代社会の闇や生き辛さが反映されていたように思います。
また、昨今のSNS市場に見られる誹謗中傷など、人が人を傷つけあう様を見て心を痛めておられる、心優しい作者様の思いも読み取る事が出来ました。
さて、タイトルの通り ”何を” ひっくり返す為のゲームなのか――
是非最後まで読んで、その意味を味わってみて欲しいです。
異能を持つ人類が生まれはじめた社会。生まれつき特殊能力を持つ"ギフト"は優遇され、反対に能力を持たない一般人"アザー"は冷遇されていた。
一般人の女子高生・深海頼は、一般人でも異能者に勝てることを証明するため、才能を持つ仲間を集めて、政府主催のイベント『城取ゲーム』で異能者に挑む!
『城取ゲーム』は廃校を舞台に一般人チームと異能者チームに分かれ、異能者は能力を駆使してゴールを目指し、一般人は知識や技術を用いてそれを阻止する、いわば異能者と一般人の高校生の知恵比べだ。
本来なら異能者が勝って当然の出来レースだが、深海は仲間たちと策を練り、油断していた異能者は仕掛けた罠に次々とハマっていく。異能者チームの高校生たちも慢心を捨てて次第にヒートアップしていく真剣勝負が面白い!
ネット中継されている配信サイトでは、予想外の展開に観客は大盛り上がり! しかし突然のトラブルで、ゲームは思わぬ方向へと転がっていく……。
一般人と異能者が共存する社会とはなんなのか。高校生たちが社会に問いかける異能バトルものです。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)