第7話 再会
俺が薬草採取完了の報告をしてると突然、俺の背後に勇者達がやってきた。幼馴染の大智と美香、それに加えて名前が分からんが、ここに転移する前にいたバイキングにいた人が3人。目が合う。
「ど、どうもぉ〜」
やばい俺まともにこいつらと話せないぞ?なんか威圧感凄いし…目が合っただけなのに心臓の奥底から震える。こいつら、ヤベェ。音を立てないようにその場から離れようと試みるが、大智によって阻止された。
「おい、雄太。ちょっとついてこい。」
「な、なんで?」
「お前が使えるかどうか試す。それ以外に理由はない。」
「具体的には何をするの?」
「は?決まってんだろ。決闘だよ決闘。俺と戦え。そしてお前が使えるかどうか俺が判断する。」
「使えるかどうか、判断する?俺はお前の道具じゃないぞ。」
何故か大智は中学に上がってから俺に敵対意識を向けていた。理由は分からないし、根拠もないが、俺の感がそう伝える。そして、ここに来てもっとひどくなってる。しかし、俺も男だ。道具扱いされて黙ってるわけがない。男の意地ってやつだが、一歩も譲る気はない。
「あぁ、そーかよ。なら、力でそれを示せ。」
素っ気なかった。少年ジャ⚪︎プなら、ここは言い合いになるはずなんだが…。まぁ、いっか。もともと怒鳴る様なタイプの人間でもないし。
そして俺たちは外に出た。すでに元クラスメイトたちは集まっており、他にも冒険者たちが見物しに集まっていた。
「見せ物かよ。」
俺は悪態ついたが、大智は知らんぷりだ。
しかし、今になって思うが、こいつの強さは全く分からない。お決まりの強いスキルをもらって無双してます感が滲み出ているため、下手したら一瞬で決着がついてしまうかも知れない。流石の俺もこれだけの人に見られながら一瞬でやられるのは恥ずかしい。
あぁ、そのためにこいつはわざと人を集めたのか。戦いの準備は整った。いいだろう。受けてやるよ。
「行くぞっ!」
そのまま勢いよく大智に向かって行った。お互い手にしているのは木刀。とは言っても当たればただでは済まない。俺は躊躇なく大智に飛びかかる。と見せかけて直前で止まり、方向転換をする。大智の右に周り込み、背中に木刀を思いっきりぶち当てる。
カンッ!
見事に止められた。まるで俺の狙いを知っていたかの様に、自然と大智の木刀が彼の背中を守っていた。
直後、俺は空を舞っていた。下から上へ向けて腹を殴られた。鳩尾に当たらなかっただけマシだな…。
ドスッ!
背と腹両方が痛む。記憶が飛びそうになるのをなんとか堪える。が、間も無く俺の意識は飛んだ。
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