一体感

よく行くライブハウスで知らないロックバンドが演奏している。気になって会場に入ってみると、素晴らしい音楽に誰もが酔いしれていた。その激しいベースの音に合わせて頭を振っている。私も段々と気持ちが良くなってきた。天井と床の境界が無くなり、私と隣の客がどろどろと溶け合うような感覚がする。こんなに観客も演奏者も一体となったライブは初めてだった。彼らの音と私の心臓の音が共鳴している。すべてがどろどろと溶け合っていく。触覚が、視覚が、ぐちゃぐちゃに混ざり合う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る