付喪神たち

 曾祖父の代から続く古道具屋を継いだが、店に住みついた付喪神たちに悩まされている。「若造に従うつもりはない」と言うことを聞かず、客の出入りの邪魔ばかりする。客が来なければ生きてゆけない。困った私はある日付喪神たちを店の裏に集めた。「お前たちは私を馬鹿にしているが、私がその気になればお前たちを消すことだってできる」そう言って近くにあった安い壺を投げるとそれは割れて、壺の付喪神は消えてしまった。その日から付喪神たちは私に恐れをなして悪戯をしない。形あるもの、いつかは壊れるのだ。

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