第4話激怒

俺は助けた人たちと別れ村をグルリと回ってみた。

 でもほかに盗賊は見当たらなかった、代わりに背中を切られて倒れてる人がいたから急いで走り寄った。


「大丈・・・」


俺は倒れている人に駆け寄り声を掛けたが途中で止まてしまった。

 倒れている人は目を見開き口から大量の血を流し、呼吸をしていなかった・・・。

 背中には深い切り傷がありそこからも血が流れ出している、けど血はもう大分地面に吸われ、藻掻いたのだろう伸ばした右手は地面を削り土を握りしめていた。


「く、そが!何をビビりながらやってんだ!何が任せろだ!救えねーバカだ俺は!」


怒りで頭が真っ白になる、歯がギリギリと軋む音が耳に響く、心臓が早鐘を撃つ。

 俺がチンタラしてるせいで人が死んでる、もしかしたら助けれたかもしれねえ、俺はもっと頭良きゃ早く盗賊たち倒して助けられたんじゃねーのか!

 何が武器持った人が怖ーだ、助けるって決めたならサッサと動きやがれ馬鹿野郎!


俺は自分を叱りながら確認するためにしゃがみ込んだ姿勢から立ち上がる。

 

「クズ盗賊どもーーーーー!テメーら許さんからなーーーーーーー!」


村中に響くほど声を張り上げて叫ぶ!頭に血が上ってたってのもあるが一応作戦の内だ。

 これだけデカい声で叫べば、こんな小さな村の真ん中の広場まで聞こえるだろ、俺の声が聞こえれば探しに来ないわけにいかない。

 もちろん村人の見張りはいるだろうから、半分ぐらいはこっちに来るだろ、来てほしいなって希望的観測で叫んでみた。


案の定遠くから走って来る足音と声が聞こえる、俺はすかさず家の影に隠れて回りを確認する。

 少しすると3人の剣を持った男達が走って来る。

 そして俺がいた所の近くでキョロキョロと辺りを見回し始める。


「おい!この辺であってるのか、死体しかねーぞ!」


「間違いねえこの辺のはずだ、まだこの辺に居る筈だ探せ!」


「気を付けろよ隠れてるってことは奇襲する気だろ見晴らしのいい場所から探せよ」


3人の盗賊は口々に話しながら俺を探す。

 でも最後の奴正解だ、これからお前たちに死ぬほどハバネロ先生掛けてやるからな!覚悟しやがれ。

 

俺は3人から離れて、俺が液体を飛ばせるギリギリの6メートルの距離で一人の目の前に走り出す。


「灼熱の大河を食らいやがれ!」


俺はわざと叫んでこちらを向く様に仕向ける。

 盗賊が全員こちらに気付いた所で赤い液体を大放出する。

 放出されたハバネロ先生は頭から覆い被さり牙をむく。


「「「ぎやぁーーーーーー!!」」」


3人の盗賊はハバネロ先生の熱い抱擁を受けて全身の赤い液体で濡らした。

 全員目を押さえ顔に掛かった液体を必死で拭おうとしている、でもそれは無理だ、何故って俺が追加で掛け続けるからね。

 俺はお前らが気絶するまで掛けるのを止めない!

 

掛け続けること数分やっと最後まで意識があった盗賊が気絶した。

 やっと気絶したか、意外と頑張ったんじゃないかなうん。

 最後に気絶した盗賊が余りにもしぶといから、途中からハバネロ先生からクラスチェンジしてもらってジョロキア師匠にご登場願いました。

 

ハバネロ先生になれたそこの辛党なあなた、是非デスソースを試してみてくれ、俺は甘党だからちょっと舐めただけで死にそうになった。

 それを身体に満遍なく掛けてあげた、気絶しない方がおかしいよね多分こいつら不能になること間違いなしだ。

 何がとは言わないがナニがとはな・・・。


俺は倒れている盗賊たちから剣を取り上げて適当な家の中に抛り込んで置く、その後はそいつ等の服を脱がせその服で手足を縛った。

 服を脱がした時俺は驚愕のあることに気付いてしまった。

 さっき俺が考えていたことが、まさに現実であるかのようにパンパンに腫れ上がっていた。

 痛々しく晴れ上がったソレを見た時、俺の下腹部がきゅっとなった。

 

ナンマンダブナンマンダブ、縛り上げた盗賊に手を合わせた俺は、盗賊がどれだけ残ってるか確認するため中央広場の近くにある家の影迄来た。

 

家の影から覗き込むと中央に村人だろう人達が固まって座らされていた、その周りに3人の盗賊が見張っている。


「さっきの叫び声何だったんだ?調べに行った奴等帰って来ねーし、一体どうなってやがるんだ!」


盗賊はイラつきながら剣を振り回しそのたびに村人がビクリと震えていた。

 よく見るとその盗賊の足元には人が倒れてる様に見える。

 くそ、このまま見ているわけに行かないな、俺は家の窓から中を覗き込み音が出そうな物に向けて石を投げる。

 

投げると同時にその家から離れて家の脇で様子を窺う、家から物が落ちる音がしてさっきまでイラついていた盗賊が無精ひげの目立つ顎で音がした家を指す、残っていた2人の盗賊が家に向かって歩き始めた。

 それを確認すると俺はさっき覗いていた窓に戻り、家に盗賊が入って来るのを待つ。

 少し待つと2人の盗賊が剣を構え家の中に入って来る。


「おい!誰かいるのか!?出てこいぶっ殺すぞ!!」


怒鳴り声を上げながら家の中を調べ始める盗賊たち、そんな男達に手を向け俺は盗賊たちをロックオンする。

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