第3話 合流

 マンションの外に出て、まずは向かう所がある。


 俺には弟がいる。


 頭は良くないが運動神経がかなり人間離れしてる。


 弟は俺より、全然強い。

 空手の道場に通っている。

 しかし、問題児すぎて長続きしたことがない。


 かなり心配だ。はぁ。


 そんなことを考えていると、道場に着く。


 中に入るとその光景に驚きを隠せない。


 ゴブリン、オークの死体の山があり、そこに座っている赤髪に道着を着ている不良っぽい男がいる。

 正直血だらけで話しかけづらい。


「おい。空、お前何してるの?」


 鬼のような形相から一転、いい笑顔になる。


「兄貴。何してるも何もいきなり、こいつらが道場に上がってきて攻撃して来たのでやり返しました」


「はぁ、遅かったか。もう戦闘後かよ」


 怒られると思ったのか、少し様子をうかがっている。


「もしかして、やっちゃいました?」


「いや、別にそうじゃないけど」


「そっすか。なら良かったっす」


 魔物だし、いっか。まぁケガするわけないか。

 そんなことより、気になることがある。


「ステータス確認しても大丈夫か?」


 不思議そうな顔をしている。


「ステータスってなんすか?」


「はっ? 知らないのかよ」


「知りませんけど」


 頭にクエスチョンマークが見える気がする。

 まぁ鑑定を使ってみれば分かるか。


『鑑定』


 見えない。何も出ない。


「じゃあ、どうやって倒したんだ? その魔物」


「どうやってて、聞かれても殴りましたけど」


 道場の事はあんまり詳しく聞かないようにしてたけど強くなりすぎだろ。


「もう分かった。ステータスって言え」


「分かりました」


『ステータス』


 驚いた顔をしている。俺も驚いたから気持ちは分かる。


「取得スキルを教えてくれ」


「えーっとーー」


 教えてもらった感じだと戦闘系ばっかりだった。

 何選んでも強いだろうし、自由に選ばせるか。


「好きなの選べ。お前なら何、使っても強いだろうし」


「うっす」


 選び終わったようなので見えるようにまた鑑定を使う。


『鑑定』


『ステータス』

『名前』

 大神 空


『スキル』

 ノーマル

 身体強化

 体術

 音魔法

 全状態異常耐性

 痛覚耐性


 相変わらずの脳筋だな。


「一応、知ってる情報説明しておく」


「うっす」


 さっきの生物は、魔物と言って人間ではないこと。

 スキルを習得すると強くなること。

 今の現状。


 自分なりに分かりやすく言った。


「じゃあこいつら、人じゃないんすね」


「そうそう、倒すと強くなるからガンガン倒せ」


「分かりました。俺も最近、限界感じてたんで強くなるのは大助かりです」


「よし、とりあえず一緒に行動しよう。後、行く途中で一つスキルを習得してもらう。いいか?」


「いいっすよ。兄貴の事、信頼してるんで」


 空と家族でよかった。

 おそらくこの先、俺一人だと、厳しい。


 それに、空には言わないが……

 まぁ今はいいか。


 俺は空と合流して、レベル上げと食料探しをするために2人で道場を出る。

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世界最強の天才(ゲーマー)~魔物溢れる世界最高です~ 瀬斗 結衣 @seto20000929

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