第3話 雨の間

若葉が死んでから、3年経った今も、僕の心は、凍ったまま大学生となった。

あの日から、僕は、何をやっても何も感じなかった。

美しかった世界も今となっては、ただのモノクロ写真だった

僕からは、感情も消えたのだろう

「あーまーおーとーくんっ」

誰かが、後ろから抱きついてきた

振り返ると、同じゼミの星川 琴葉がいた

「今日も濡れて帰るの?」

「あぁ」

僕は、相変わらず雨の日には、濡れて帰っていた

自分でもなぜこんな事をしているのかと思う

「じゃあ、風邪ひかないようにね」

そう言って、星川はゼミ棟のある方向に走っていった

僕も帰ろう

足を踏み出し、歩きはじめた

「クシュン」

帰ってきてから、寒気がして、頭がボォっとしている

風邪を引いたのだろうか、とにかく今日は、早く寝よう

布団に入った僕は、すぐに眠ってしまっ


周りが明るい、もう朝なのか?

「ようこそ、雨の間へ!」

......................は?

「俺のことは、三雨(みう)とでも呼んでくれ」

声のする方向を見ると、仮面をつけた男子がいた

雰囲気などが、若葉に似ていると思った

「「月夜!?」」

紅葉と若葉がいた

「久しぶり~、元気にしてた?」

「まぁな」

二人は、あの時よりも女子っぽくなっていた

「ハイハイ、感動の再開は、そこまでにして。三人には、今からどの時間に行くか決めてもらうよ」

三人で?どの時間?三雨が言っていることの意味がよく分からなくて、紅葉達の方を見るが、二人もわからないらしい

「まだ、わからないの?君たちが、浴びた雨は、3つの雨だ」

3つの雨?なんで、今更降るんだ?

もっと早く降れば、若葉は...................死ななかったのに

「で、どの時間に行く?」

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