第4話 時間の雨

「で、どの時間に行く?」

そう言った、男子の身長は170cmくらいだろうか、高めで紅葉達と同い年に見えた

紅葉には、ずっと心残りな事があった

「紅葉が、決めてもいい?」

と聞くと

「どーぞ」

「いいよ!」

と二人は、快く許してくれた

「ありがとう、三雨くん、紅葉この時間に行きたい」

紅葉は、行きたい時間を書いた紙を渡す

「OK!そしたら、三人でこの紙をつかんで」

「つかんだよ!」

「いくよ~」


周りがぐるぐると回り始めた

中心に吸い寄せられていく


紅葉達は、あの日の月夜のその後を見ていた

月夜が寝た後、月夜の顔を見ると頬には、泣いたあとがあった

葬式の途中に泣いていたのか

「ごめんね、月夜」

「月夜も悲しかったのに、悲しくないの?なんて言ってあなたの心を傷つけた。本当にごめんなさい」

「別にいいよ、もう過去のことだ」

私は、泣いていた

もう、月夜とは、昔みたいに仲良くなれないのだと

紅葉たちと月夜の間にできた谷に橋を架けることも許されないのだと

橋を架けることが出来ないぐらい、谷が深いことをわかってしまったのだ

さっきの一言で、わかってしまったのだった


気づいたら、元の場所にいた

「30分経ったから、戻させてもらったよ」

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