第5話 約束しよう

「じゃあ、なんで魅夜は、泣いてるの?」

「えっ!」

たしかに視界にモヤみたいなのがかかってはいるけど、これは涙ではない。

そう思った時、水滴が頬を滑り落ちていった。

「あめ?」

そういった私の声は、震えていた。

「雨じゃない、魅夜の涙だよ」

「ちがう、私は、泣いてない」

そう言うと光は、溜め息をついて

「ほんと、魅夜って嘘つくの下手だよね」

といった。そしてニコリと笑って

「魅夜、ある約束をしよう」

といった。

「なにを?」

私には、光るがどんな事をを約束するのかわからなかった。

「僕は、ずっと魅夜の側にいるし魅夜のことを信じるだから魅夜も僕のことを信じて側にいて」

私は、反射的に

「うん」

頷いていた。

「じゃあ、今日は、もう帰ろう」

「そうだね」

そう言って、私と光は、ベンチから立ち上がって、入り口で別れた。

「じゃあ、また明日」

「また明日!」

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