第4話 私達、交わっちゃいけなかったんだよ

「これで、私の黒歴史の話は、終わり。扉も開いてるはずだから帰ろう」

魅夜は、明るく言っていたが、反対に目は..........悲しんでいた。

触れないほうが良かったのかと後悔した。

「魅夜、帰りにいつもの公園によらない?」

「いいよ!」

僕たちは、何事もなかったかのように話しながら、公園へと向かった。

公園には、誰もいなかった。

それに、寒かった。

「僕、飲み物買ってくるよ、魅夜は、何飲む?」

「光は、なんで私に優しくしてくれるの?」

なんで、魅夜はそんなことを聞くのだろうか

「僕が、魅夜に優しくしたいと思うからだよ」

「人からお金を盗った泥棒に?」

「泥棒じゃない、魅夜は魅夜だ」

「でも、やったことにはかわりない」

「変わりないけど、反省したんだろ」

「甘いよ、光。反省したからって良い訳じゃない」

「私は、今後も罪を背負っていかなくちゃいけない。それだけのことを私は、したんだよ」

「でも」

僕は、必死だった。会話を続けていないと、途切れてしまうと魅夜がどこかに言ってしまうような気がしたからだ。

「もういい、別れよう」

「何で別れるんだよ」

「私は、また同じ事をするかもしれない」

「だから、光は、正しい道を明るい道を進んで」

「嫌だ、そんな理由じゃ納得がいかない」

「名前を見てよ、朝と夜、太陽と月、光と影、全部反対なんだよ。私たち、交わっちゃいけなかったんだよ。白は黒と混ざれないし黒は白と混ざれない。これと一緒だよ」

「はぁ、さっきから黙って聞いてたけど。あのね、魅夜、さっきの魅夜が言っていた名前のことだけど。あれを基準で考えたら、魅夜は、僕がいないと生きることはできないし僕も生きることができないんだよ」

「なんで?」

「だって、月は、太陽がなきゃ光ることができない。朝が来ないと夜は来ない、逆に夜が来なければ朝は来ない。影は光がいなければ意味を持たない、光も影がなければ意味を持たない。だからだよ」

「はぁ、ばっかじゃないの。せっかく花を持たせて、別れてあげようと思ったのに。あのね、私は、光のことなんか好きじゃないの。私が本当に好きなのは、宇野先輩なの!」

じゃあ、なぜ魅夜は、

「じゃあ、なんで魅夜は、泣いてるの?」

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