第14話マッサージ

昼食を摂り終え、彼女の部屋に戻ると彼女からあることをしてほしいと言われた。

「屋那瀬くん、マッサージしてくれないかな?ちょっと身体がね──」

「ま、まっマッサージぃぃ~!?でっでもぉ......男子だよ、駄目なんじゃ......」

「良いよぅ~屋那瀬くんがしてくれることに意味があるから。男子の中じゃ屋那瀬くんが一番信頼できるって言ってるんだよ、私が。私の身体に触れたくない理由でもあるの?」

「意味......一番の信頼......そそっそういうじゃ......う、うん、どうすれば」

「ありがとう。じゃあ──」

笑顔で感謝を告げ、ベッドに近付き、ベッドでうつぶせになる彼女。

「屋那瀬くん、マッサージをお願いします」

「うん。わっわかったよ」

うつぶせになる彼女の身体に足が当たらないように配慮しながらまたがって、声を掛けながらマッサージを始めた。

「今からマッサージするから」

「うーんっっ......」

時々彼女が小さくはっうぅっ、といった息を漏らし、今まで陥ったことのない言い表せない感覚が身体中に広がっていく。

素人ながら、彼女の身体がこっていることがわかった。


一時間が経過した頃に息づかいが荒く頬を紅潮させた彼女が、もう良いよ、とマッサージを制したのでやめた俺。


「や、屋那瀬、くんも......こんな気持ちだったんだね。気持ちよかった、屋那瀬くんぅっ......」

上体を起こし、瞳をうるうるさせた彼女が色気を感じさせる声音で言うものだからつい抱き付きたい衝動にかられた俺だった。


「えっ?こんな、気持ちって......満足してくれたのなら良かったよ」


「私と......このまま、きも──」

「ああああわあああっっ!落ち着いてぇっっ!落ち着いて、気をしっかりぃっっ!?」

危ない言葉を続けそうになる彼女を制した。


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