第11話バイト先での彼女
いつも通りの高校生活を送り、放課後を迎えた。
友達の会話に混ざることなく、颯爽と教室を出ていく心咲頼の姿を目で追う俺だった。
教室に居残る意味もないので、教室を後にし、帰宅したのだった。
心咲頼のバイト終了時刻は大分先で、帰宅してからでも余裕で間に合うために急いで帰宅する必要もない。
帰宅し、自室で制服を脱ぎ捨て、ラフな私服に着替え終えると、30分ほどリビングで寛いだ。ダイニングテーブルに母親宛ての置き手紙を置いて、自宅から出て、自転車を漕いで彼女のバイト先へと向かった。
目的地に到着した時点で陽が暮れており、周りは闇に包まれていた。
駐輪場にとめた自転車から降りて、施錠してからファミレスに入店した。
注文したのは大根おろしがのったハンバーグセットで、ついでにドリンクバーもつけた。
注文した品々を運んできたのは、心咲頼だった。
それについては驚きすらない。
そう、心咲頼のバイト先は有名なチェーン店である某ファミレスなのだ。
高校に通っている姿とは掛け離れた心咲頼であり、髪をストレートにしており、薄い化粧も落とし、しまいには黒縁の眼鏡を掛けた地味な印象を与える姿だ。
夕飯を摂り終え、彼女がバイトを終える時刻の20分前には、会計を済ませファミレスから出て、彼女が出てくるのを待機する。
「屋那瀬くん、お待たせぇ~今日はハンバーグの気分だったんだね」
「おおう。今日はそんな気分だったんだよ、明日は──」
と、そんな感じで心咲頼がバイトのシフトをいれていると俺が迎えに行くということになっている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます