第32話 突撃
<突撃>
洞窟の中に太陽の光がかすかに入り込んでいる。
セルカーク周辺には特大とも言える太陽があり、これがとても眩しい。
地球付近の太陽の約二倍近くはあるがセルカークと太陽の距離は、
地球と太陽の距離と比較するとそれよりは遠い。
だからこそ干からびずにはいるが、地球の日差しよりも強く、
まるで太陽がすぐ隣にあるようだ。
「さぁ、みんな起きて! これから作戦会議を行うよ!」
キースの声が洞窟に響き渡る。
ゆっくり皆が目を覚ますとキースはデスクに作戦を入力したタブレットを設置した。
「予定通りチームを二つに分ける。
一つのチームはエリア十四で肉体を救出する役割。
ここからさらに西側にいくとその建物がある。
もう一つのチームはオッドテクノロジー社に向かい、
格納器の中の意識を肉体に戻す役割。
エリア十四には、僕以外のみんなで行って欲しい。
オッドテクノロジー社には僕一人で向かう」
「キース何を言っているの? 一人で行くなんて正気? 有り得ないわ!」
「でも、意識転送の処理が出来るのは僕しかいない、
そして、社の内部に精通しているのは僕だし、一人だと小回りが利く」
「何故、君一人で背負い込む必要があるんだ。僕が護衛でついていく」
親衛隊のライが口を開いた。
「そうよ、キース! あなただけで向かうのは危険過ぎる!
オッドテクノロジー社には私とライが一緒に行く!」
「でも……」
キースが戸惑っていると
「じゃ決まりだな! さっそく出発しよう!」
ジェイドが大きな声で号令をかける。
「それでは、オッドテクノロジー社へは僕、サラ、そしてライ。エリア十四にはジェイド、ロック、ヒョウで向おう!」
キースもジェイドに負けない声で号令をかけた。
「なんで俺はエリア十四なんだよ!」
ヒョウがキースに問い詰めた。
「ヒョウ、君はレインが目を覚ました時に側にいてあげた方が良い。
君にしか出来ない大切な、大切な、任務だよ」
「そうだけど……うん……そうか……そうだよね! 分かったよ」
ヒョウはキースの意図を汲み取り返事をした。
「いよいよ最終決戦だ。絶対に生きて、またこの場所で会おう!」
キースが皆に伝えると全員は手と手を握り締め励まし合った。
「我々ならこの難局を必ず乗り越えることが出来る!
自分たちの力を信じようじゃないか!」
そうジェイドが言うと、
全員は目と目を合わせ頷き、
二手に分かれてそれぞれ目的地へ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます