第27話 危機

<危機>


「どうなっているんだよ! 全然効果が無いじゃないかよ!」


ヒョウがそう叫びながら全力で走っている。


「今は全力で逃げ切るの! キースがシステムを止めるまでの辛抱よ!」


サラはヒョウを元気づけるためにそう言った。


しかし、何百のAI警察がサラとヒョウを追いかけてくる。

そして、ライフルの乱射で攻撃を仕掛けてくる。


木の陰に隠れながら、

時々、サラとヒョウは熱線型ライフルで応戦しながら何とか逃げていた。


「サラ様」


声の主の方向に顔を向けるとそこにはジェイドがいた。


「ジェイド! 無事だったのね!」


「はい! 姫もご無事で何よりです! ヒョウも大丈夫そうだな!」


「はい! 何とか生きてますよ! 

しかし、このままだといつ死んでもおかしくないです!」


「そうだな、先ずはこのAI警察を振り切って逃げ切ろう!

 ライ、ロック聞こえるか?」


ジェイドは同時通信をした。


「将軍、こちらロックです!

 先ほど、ライと合流しAI警察に応戦しております!

 将軍のアイディア通り一度水晶をかざして

一瞬動きを止めた所でその隙を狙って一気に攻撃をしかけております!

 キースの武器がかなり強力でAI警察を一撃で仕留めることができています!」


「そうか! それを聞いて安心した。

こちらは姫、ヒョウと合流した。

あとはキースがシステムを解除してくれるのを待つだけだ!」


「そうですね! 彼を信じましょう!」

ロックは金色の塔を見つめながら言った。


そして、心の中で願いを込めて祈った。


「頼むぞ、キース」

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