第23話 焦り

<焦り>


いつも通り誕生日席に座しながら、

会議室にてオッドは幹部に話しかけている。


「キースはまだ捕まらないのか」


幹部の一人が口を開く。

「はい。まだ捕まえることが出来ません」


オッドはキースの才能に恐怖を抱いていた。


それは自分の想像をはるかに超えた製品を今までも生み出してきたからだ。


今まで沢山の製品を生み出し、

今のステージまで上り詰めるにはキースが必要だった。


そう、エデンプログラムを構築する為だ。


しかし、今ではキースが邪魔になった。

AIロボだとしてもキースには感情がある。

そして、その考えはオッドとは異なる。


一日も早く消したい。


オッドはそう考えていた。


色々な策を考えるうちに一つの方向性がオッドには見えてきた。


自分達を潰す為にキースが行う事。


もしも、自分がキースの立場なら何を行うか。


それを考えると一つの答えに辿り着いた。


それは、金色の塔。

そこのシステムを破壊するのでは無いか。


しかし、AI警察がいる中でそれを行うことは出来るのか。


いや、キースならやりかねない。


そう考えたオッドは幹部にこう伝えた。

「金色の塔の配備を強化せよ。もう五万AI警察を増やしセキュリティを強化せよ。そして、ノウェル、エリア十四へ向かえ」


「承知致しました、オッド様」


彼女は不気味な笑みを浮かべながら静かに答えた。

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