第18話 牢
<牢>
身体中が痛い……でも何とか動く事は出来そうだ……
ここは一体どこだろう……
僕たちは墜落をして……物凄い衝撃を受けて……
その後は……その後は……はっきり思い出す事が出来ない……
それよりも……キース、キースは無事か?
ヒョウは何とか目を覚ますと隣で倒れているキースに呼びかけた。
「キース! キース! 大丈夫かい?」
ゆっくりとキースが目を開くと共にキースは周囲を見渡した。
「うっ……イテテテ……ここは……どこだい?
僕は生きていたのか? それとも、ここはあの世か?」
「キース、しっかりしろ! 恐らくここは牢屋だ」
「牢屋? ん? この紋章は……」
牢屋の壁には蛇のマークが刻まれている。
「この紋章はもしかして……」
「うん。ヒョウ、君も見たことがあるだろう?
まさに王の家紋だ。ここは王の城の牢屋だ」
「僕たちこの先どうなるんだろう。殺されるのかな」
「分からない。しかし、王の軍がこのように動き出しているということは何かに対して警戒していることは確かだ」
そうキースが話すと
ゴゴゴ!
という音と共に牢屋が揺れ始めた。
「何だ、この揺れは?」
ヒョウは怯えながらキースの後ろに逃げ込む。牢屋の上から砂埃が落ちてくる。
ゴゴゴゴゴー!
さらに爆音が鳴り、牢屋がさらに揺れる。
「マズイ、このままだとこの場所が持たない。
どうにかこの場所から逃げよう!」
「でも逃げるってどうやって!」
「この小さな窓から逃げるしかない!」
「でも、兵隊とかがいたらすぐに捕まってしまうよ!」
「そんなこと言っている場合じゃない!
今できる最大限を尽くすしかないんだよ、ヒョウ!」
「分かった! 行こう!」
キースは牢屋の壁の少し上に設置された窓を
熱線銃で突き破り何とか外に出ることが出来た。
「手を掴め!」
キースがそう言うと、ヒョウに手を差し伸べて思いっきり引っ張った。
何とか牢屋の外に出た二人だったが
そこは辺り一面が血の海となっていた。
何百という兵隊が倒れており、既に息絶えていた。
「何だこれは……どうなっているんだよ」
ヒョウはキースの背の後ろに隠れながらそう呟くと、
さらにその後ろから男性の声が聞こえた。
「誰かいるのか?」
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