第12話 幹部会議

<幹部会議>


コの字型の机に十名の幹部が座っている。

誕生日席の一番近くに座っているのはベインと、ノウェル。


そして、少し遅れてオッドがやってきてゆっくりと誕生日席に腰かけた。


「諸君、忙しい中集まって頂いてありがとう。

これから緊急会議を実施する。

もうすでにここにいる幹部は知っていると思うが

キースがエデンプログラムの秘密を知り、脱走した。


私の手で抹殺しようとしたが、もう少しのところで逃げられてしまった。

その時にレインの弟であるヒョウを連れている。


現在、約五万のAI警察で捜索にあたっている。

捕らえ次第、キースを処分する。

エデンプログラムが完成し、

あとは最後のスクリーニングまできた今となってはキースの存在は必要が無い。


そして、恐らくだが、キースはただで死ぬ男ではない。

必ず我々の計画を潰しにやってくるだろう」


そう言うとすかさずノウェルが意見を挟んだ。


「それでは最後のスクリーニングを今すぐにでも実行しましょうヨォ」


「いや、それは出来ない。最後のスクリーニングで手を抜くわけにはいかない。

万全な状態で無ければ誤った民を末梢する可能性がある。

そんな精度の低いことは私には出来ない。

私は新しい理想郷を作る為に全力を尽くす。

反対意見のあるものはいるか」


全員が静まりかえる。


「無い様であれば、会議は終える。

何かキースに関する新しい情報が入った場合は必ず私に報告するように。以上」


オッドの気迫のある声に幹部一同は圧倒されていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る