第26話出陣

体育館に戻る。


「あっ、咲代どこ行ってたの?もう出番だよ」

あかりが心配そうに言う。


「こころは・・・あっ、落語か・・・」

「うん。もう終わるから」

「創作と言っていたけど、どんなのだった?」


ベクちゃんと、モワちゃんに気を取られていて聞けなかった。

残念・・・


まあ、後で聞こう。


「それは無理なんじゃないかな」

「あかり、どうして?」

「ぶっつけ本番のアドリブだから」


あっ、本人も忘れてるのね。


でも、笑いに包まれている。

さすが、落研部長。


こころが、引っ込んできた。


「引っ込んできたとは失礼ね。凱旋したと言ってよ」

いえ、それも違います。


「さてと、ベクちゃん、モワちゃん、行くよ」

「がってん」「うん」


この子たち、ぬいぐるみみたいな外見だから、いっこく堂ではなく、パペット・マペットかもしれないが・・・

まあ、どっちでもいいか・・・


音楽が流れる。

この音楽は・・・


昭和枯れすすき・・・


わたしが袖を見ると、あかりとこころがピースをしている。


たく・・・


あっ、私も考えていなかった。

まあ、なんとかなるか・・・


「頼りにしているよ。ベクちゃんにモワちゃん」

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