第24話 2番手

「やあ、失敗、失敗」

漫才をしていた男の子たちが、頭をかく。


「まあ、それも青春の思い出ということで・・・」

あかりがフォローを入れる。


「どうでもいいけど、飯塚さん」

ふたりの男の子が、声をかける。


「僕たちの名前は?」

「佐野英二くんに、水口茂樹くんでしょ?」

「覚えていたくれたんだ」

「クラスメイトなんだから、当然・・・それが?」


ふたりは不安そうだった。

大丈夫だよ。


「さてと、行きますか・・・ラルフにアレックス、行くよ」

「了解」「Ok」


まーくんが、壇上へと行く。


「なりきってるね、彼」

「まあね・・・」


あかりの問いに答えるが・・・

あの子たちが、生物と知ったら、どう思うか・・・


まーくんの、様子を袖から覗いてみる。


まーくん「アレックスは、好きなものはいつ食べる?」

アレックス「最初に食べる」

まーくん「ラルフは?」

ラルフ「最初に食べて、口元まで戻して、後から食べる」

アレックス「それって、牛のはんすうかい」

ラルフ「僕、牛だよ」


なかなか、受けているようだ。


「様子はどう?」

そこへ、こころが来る。


「お帰り。落研はどうだった?」

「グー。大受け」


それは何より。


「ただ、さんまのところを、いわしにしたのは、不味かったな」

「なぜ、そのような」

「五代目の圓楽師匠の・・・」


そこから、先は禁止。


「おっ、佐倉くん、がんばってるね」

こころが言うと、

「前の、英二と茂樹の漫才が、いまいちだったからね。

あかりが、答える。


「おっ、私も準備しないと」

あかりが、準備に入る。


あかりの手品は、楽しみだ。


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