第21話好奇心旺盛
「またなの?」
「うん」
ベクちゃんは、人間でいえば7歳。
もっとも、好奇心旺盛なお年頃だ。
眼を離すと、どこかへ行く。
対するモワちゃんは、まだ甘えん坊気質が抜けないお年頃。
「モワちゃん、どこに行ったかわかる?」
「うん。おそらくあそこ」
「あそこって?」
「おなかすいたと、さっき言ってたから・・・」
学食か・・・
私は、モワちゃんを抱えて学食へ向かう。
この高校の学食はメニューが少ない。
多いとストレスがたまるからという理屈だ。
「でも、ベクちゃんはお金ないよね?モワちゃん」
「うん、でも・・・」
「でも?」
「おごってもらうって」
「誰に?」
訊くだけ野暮か・・・
学食に着く。
やはり・・・
まーくんが、テーブルの上に、ラルフとアレックス・・・
そして、ベクちゃんを置いている。
それぞれの前に、ラーメンがある。
私は、駆け寄る。
「ベクちゃん、何してるの?」
「見てわからない?」
「あなたの正体がばれたらどうするの?」
「大丈夫」
その自信は、どこから来るのか・・・
「とにかく、行くわよ。まーくん、ごめんね」
私は、ベクちゃんを抱える。
「やだやだ、僕、ラーメン食べるんだ」
「帰ったら、作ってあげるから」
「インスタントは嫌だ」
「インスタントじゃないわ、カップよ」
「もっと嫌だ」
ベクちゃんに夢中で、気に留めなかったけど、
まーくんは、大丈夫かな・・・
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