第17話 家族

同時に、家族3人からクラッカーが鳴る。


「早く、二人を呼んできてくれ」

「そうそう、かわいい子供が出来たんだ。ふたりも・・・」

「俺、弟が欲しかったので、二人もできて、生きててよかった」


お父さんとお兄ちゃんがいう。

オーバーな・・・


「あのう・・・」

「どうした?咲代?」


細かいことはいいが・・・


「お兄ちゃんはともかく、お父さんとお母さんにとっては、子供でなく孫でしょ?」

私の問いに、両親は口を揃えて答えた。


「私たちは、まだ40代だ。孫にいる歳ではない」

いや、歳の問題では・・・


「で、主役のふたりは?」

お兄ちゃんが尋ねてくる。

両親も、きょろきょろと探している。


そうですか、そうですか、そんなにかわいいですか・・・

まあ、確かにかわいいけど・・・


でも、本性は・・・


「ごめんね、みんな。ベクちゃんとモワちゃんは、おねむみたい」


でも、収まらないのが世の常。


「あっ、ごちそうだ」

「パパ、ママ、お兄ちゃん、ありがとう」


びっくりした。


「ふたりとも、寝てたんじゃ」


ベクちゃんと、モワちゃんは、飛び起きて、席についた。


「じゃあ、冷めないうちに食べましょう。」

「新しい、家族に、乾杯」

「にぎやかになるな」


すっかり打ち解けている。


まっ、こそこそしなくていいか・・・


「咲代も、食べなさい」

「はい、はい」


仕方なく、席に着いた。


「ところで、お父さんとお兄ちゃん」

「訊かれる前に答える。リモートだよ、俺たち」


そう・・・

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