第13話 共有

「あっ、ラルフにアレックス」

「ベクちゃんに、バウちゃん」

「会いたかった」

「元気だった?ラルフお兄ちゃんに、アレックスお兄ちゃん」


4人は、ハグしあう。

疑問に思ったが、4人は懐かしんでいる。


なので、佐倉くんに訊いてみた。


「佐倉くん、これはどういう?」

「二人から訊いていない?」

「ベクちゃんと、モワちゃん?」

「うん」

「冒険してるって聞いたけど。」


佐倉くんは、頷いた。


「出会った場所は?」

「ファンシーショップ、もう、なくなってたけど」


私は、勘がいい。

だいたいわかったが・・・


「あの店自体が、移動バスみたいなものなんだ」

「移動バス?」

「うん。彼らの世界は、あの年ごろになると、世界を冒険しなくてはいけないんだって」

「それで、私と君が、あの子たちの保護者になったの?」

「察しがいいね。その通りだよ」


佐倉くんが、続ける。


「じゃあ、あの店員さんは?」

「あの人は、あの子たちの世界の創造主みたいなものかな」

そう・・・


「私と君が、あの子たちを買ったのは?」

「あの子たちの意思」

「意思?」

「あの子たちが、僕と飯塚さんを選んだんだ。保護者としてね」

「そう」


ここで新たな疑問が出来る。


「佐倉くん」

「何?」

「詳しいね」

「僕は、ラルフから聞いたけど。アレックスは合いの手だけだったが・・・」

「私は、聞いてないよ」

「あの子たちなりに、打ち解けようよしているんだよ。飯塚さんにね」


私は、頷くしかなかった。


「あの子たちは、人間でいうと幼稚園から小学生の年代。

幼稚園と小学校高学年では、理解力とかが違うでしょ?」

佐倉くんが、補足してくれた。

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