第11話理解者
「私の、お父さんとお母さんとお兄ちゃん?」
「うん」
「いつ会ったの?」
「昨日、お姉ちゃんがお風呂にはいっている時」
全然、気がづかなかった」
「で、どうやって出会ったの」
「これから、お世話になるので、よろしく言っておこうと思って」
「で?」
「台所に、挨拶しにいったの?」
「驚かれなかった?」
「全然。むしろ、3人とも喜んでたよ」
「本当に?」
「で、せっかくだから、みんなで咲代お姉ちゃんを、驚かせようって」
ベクちゃんは、淡々と説明してくれる。
「じゃあ、昨日のあれは?」
「その一環。面白い人たちだね」
あのバカ両親と、バカ兄貴・・・
心の中で、悪態をつく。
「お姉ちゃん・・・」
「何?モアちゃん」
「怒ると美容によくない・・・」
「怒らせてるのはだれ?」
「僕、まだ小さいからわからない・・・」
モワちゃんは、意外としたたかもしれない。
どっと疲れた・・・
さすがに、こころやあかりには刺激が強い。
まあ、大丈夫とは思うが・・・
やめておこう。
落ち着くまでは・・・
「とりあえず、ここではまずいから、他いこう」
「どこへ?」
「お花畑」
私は立ち上がる。
「お姉ちゃん、僕たち男」
「だから?」
「女子トイレにはさすがに・・・」
変なところで、真面目なんだな。
「そっちじゃないわよ。文字通りのお花畑」
「花壇?」
「違う。小さなお花畑が校庭にあるの」
「コスモスだね」
「そうよ」
私は、ふたりを抱えて駆け出した。
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