第4話 はじめまして

「ベクお兄ちゃん、これ美味しいね」

「モワは、わかってないな。プリンはお醤油をかけるんだよ」

「さすが、お兄ちゃんだね」

「まあね」


冷蔵庫の前で、ベクちゃんとモワちゃんが、会話をしている。

冷蔵庫をあさっているのだ。


「でも、お兄ちゃん。やはり、あぶなくない?」

「何が?」

「こうして、あさるの」

「大丈夫だよ」

「どうして?」

「人間は、細かいことは覚えないから」

「さすがお兄ちゃん」


談笑しながら食事をしている。


私は、そっと近づいた。

ふたりは全く、私には気づいていない。


「お兄ちゃん、気づかれないかな」

「人間は、少しの物音では起きないよ」


楽しそうに話をしている。


普通の人なら、驚いて声がでない。

でも、私は普通でなはい。

神経がだけど・・・


「少しの物音ならね」


私は、背後から声をかけた。


ふたりは私を見ると、途端にぬいぐるみに戻る。

いや、そのふりをする。


「もう、遅いよ。君たち」

私は、あきれながら、声をかける。


「お兄ちゃん、だから、やめようよ言ったのに」

「上手くいくと思ったんだけどな」


私は、声をかけた。


「ふたりは、何者なの?」

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