第5話

「エイジ」


イケメンの声がする。


「エイジ」


スパダリの優しい声だ。

ハヤトの、声だ。

きっと夢でも見てるんだろう。

なにせ寝起きが悪い俺を、ハヤトはいつも優しく起こしてくれた。


「エイジ」


俺の名前はタドコロ・エイジ。

あだ名はタドがうどの大木、合わせて転じてウド。


「エイジ」


ハヤトだけが、俺を名前で呼んでくれていた。


「エイジ」


あまりに続く夢の中の幻聴をずっと聞いていたかったのに、誰かが邪魔するかのように俺の鼻をつまんだ。

口も塞がれた。


「んんんっぷはっ!死ぬって!」


「人間、そう簡単に死なない」


「ハヤトいつもそう言うけどさ…ってハヤト!?」


「ああ」


息苦しさに飛び起きると、そこにハヤトが居た。


「…え…あ…ハヤト…生きてる…」


大剣に貫かれていた胸を触る。

洋服の上から感じられたのは、温もりだった。


「エイジ…ようやく、捕まえた…」


「え?はや…と…?」


急にハヤトに押し倒される。

ものすごく柔らかなベッド上で両手を捕られこの態勢。

異様な雰囲気にドキドキしてしまう。


「エイジ、どうして俺に何も言わず俺の前から消えたんだ」


「え…それは…別れ、たから…」


ハヤトが首筋にキスしながら、少しイラついた口調で俺を責める。


「別れた?誰と誰が?」


顔を上げ俺を見下ろすハヤト。

目が怖い。

怒ってる。

怒るとイケメン四倍増し。


「…おれと」


「エイジと」


「ハヤトが…」


「俺が?俺がエイジと?別れた?いつそんな話をしたんだ?」


「えっえー…?」


ハヤトがもの凄く怒気を孕んで俺にキスしてくれた。

あむあむ唇を食まれ、怒ってるのに優しくて気持ち良くて蕩けてく。


「んちゅう…ァあ…だって…おれ…ぱーてぃ…ぬけるってっ」


ハヤトが俺の服を脱がしてく。

ちょっと乱暴だ。

ちょっと破かれた。

どうしよう。

こんならんぼーなハヤト、はじめてで、ドキドキする。


きゅうって、露わになった乳首をつままれる。

潰す勢いでされて、恐くて気持ち良くてビクビク震えた。


「言われたな。それに対し俺はわかったと応えた」


ハヤトが無理矢理固くさせた乳首を噛んだ。

甘噛みだけど千切られて食べられてしまいそうだ。

反対の胸は揉まれ、たまんなくって喘いでしまう。


「あっんっはやとぉっ…だって、わかれよって…おれぇっ」


ちゅうちゅう、わざと音を立ててハヤトが俺の胸を吸いながら揉む。

夢中で吸われて弄られて、俺は涎を垂らして悦んでしまう。

最初はそんなだった胸責めも、今はきもちよくって力はいらなくなる。


「パーティーを、だろ?」


「え…ええ?あれぇ?」


おかしい。

別れようって言ったはず、なのに。


「アんっあっあああっはやとぉ…だめぇ…へそはだめぇぇ」


ハヤトの舌がヘソの穴をほじくりはじめる。

どうしようもない快感が、その穴から腰、そしてちんこに響いてく。

強烈な熱量でおかしくなりそうだ。


「まだ触って無いのに、もうこんなにして…敏感だなエイジは…」


「だってぇ…ハヤトに触られたらきもちーからぁ…」


ズボンを乱暴に引き抜いたエイジが、パンツ越しに俺の股間にキスをしてくれた。

ちゅっ、ちゅって、キスされたら、どんどん膨らみが増してしまう。

丁寧で優しいキスに打ち震えていたら、するするパンツ脱がされて、すっかり勃ったちんこが露わになる。

恥ずかしい。

けどもっと見て欲しい。

俺はそろそろ両足を開いた。

熱を孕んで盛り上がった股間曝け出して、すうすうして恥ずかしくて、見られて、嬉しい。


「エイジ…可愛い」


「は、はやとぉっ」


ハヤトが嬉しそうに微笑んで、優しくちんこにキスしてくれた。

先端からだらしなく涎を垂らすちんこに、ハヤトがちゅっちゅってキスを繰り返す。

時々側面を撫でたり、袋とかその奥とかを愛撫する。

快感に、痺れて、声が出せない。

そんな俺をおいてけぼり、ハヤトが後孔も舐め始める。

ああ、だめ、急に。

抵抗したくてもらんぼーなハヤトにときめいて力なんて出せない。

舌と指が強引に穴を和らげ、やらしい、えっちだ、なんて囁かれる。

ハヤトがそうさせてるのに、と言いたくても俺は喘ぐ装置。

気付いたらハヤトの指を三本も飲み込んでいた。

孔から足の付け根の境目が分かんなくなって、爪の先まできもちがいい。


「はぁとぉ…」


あ、ちゃんと名前言えなかった。

めっちゃバカっぽく舌ったらずに呼んでしまった。

失敗を訂正しようとしたけど、声が詰まった。

だって、ハヤトが服を脱いでたから。

あひぃ、と悲鳴を漏らしてしまう。

くっそひっさしっぶっりにみた。

同性の裸ですが、ハヤトの裸は別格です。


そんな裸イケメンスパダリハヤトが、俺の足と腰をしっかり抱え固定する。

仰向けで両足を抱えられてしまったら、もう好きにしてって状態だ。

えっちすんの、ひさしぶりだ。

どきどき、してきた。

足指をもじもじさせていると、ハヤトが「俺も、興奮してる」腰に響く低い声に獣性を混ぜてそんなことを言う。

びっくりするくらいゾクぅってきた。

だから、だめすぎてにげようとしてしまった。

だって。

ぶちゅんって、いった。

ナカにハヤトきたら。

ら、イった。

ドライでイった。

だめだ。

これ、だめ。


「はあとぉぉっイっクぅうっっ!」


「ああ…何度だって、イってくれエイジ…」


仰け反って身悶えても、ハヤトはぐりぐり俺のナカを抉った。

存在感を示すように。

蹂躙するように。

強引に犯されても、力強くピストン運動されても、何度も中出しされても。

気持ち良いって、快美感を伝える為に、喘ぎ続けた。

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