第3話 開始

Xは容赦なかった。浩太と会話出来ていたので、何かしらの方法で繋がっており、こちらの様子もわかっているだろうが、泣いている人がいようが、喚いてる奴がいようが説明を続けた。

「最初のゲームは8人×5グループに別れてもらいます。グループはこちらが抽選で分けさせていただきました。後ほど発表します。」

命がかかったゲームなので、頼りになる泰伍、そして薙は絶対に一緒のグループであって欲しい。出来れば、蒼井も…

「5つの道をそれぞれ通っていただきます。進んだ先にそれぞれ課題があるのでクリアしてください。リミットは10時間。それまでにクリア出来なかった場合は、ゲームオーバーと致します。」

「すみません、Xさん。生活に必要な最低限の物は頂けないのでしょうか。」

鈴岡瑠依。クラスで1番頭がキレるメガネ女子。図書委員長で、真面目。オーラが凄すぎて話しかけたことがない。

「これは、失礼致しました。男子生徒の皆様はズボンの、女子生徒の皆様はスカートの左ポケットに時計が入っております。取り出して、装着してください。」

見た目は、リンゴ社が作ったリンゴウォッチに似ていた。

「その時計は、リミットまでの時間がわかります。そして、それ以外の機能として注文システムというものがございます。そこで注文していただくと、商品が目の前に現れますのでご利用ください。いくつ頼まれても、無料なのでご安心を。」

画面をスライドさせると、注文システムがあった。水や、おにぎり、食パン1枚など最低限のものだけ注文できるようになっている。とりあえず、水を注文した。即座に目の前に現れた。飲むと、普通の水だった。

「また、排泄物を出す必要はなく、尿意や便意は感じることはございませんのでトイレの心配は大丈夫です。出発前に聞きたいことは他にございますでしょうか。」

「あの、どうして俺たちはこんなことをしなければならないのですか。」

怖かったが聞いてみた。

「それは、サバイバルを生き残っていけば自ずとわかられると思います。」

なんだよ、それ。そう思ったが、言い返せなかった。

「それでは、ゲームを開始します。黒板にグループ分けを貼っていますので、ご覧になってから進んでください-」

Xの声が途切れた後クラスには再び沈黙が走った。各々覚悟を決める顔をしていた。

「前に進むしかない。沢村先生ならそう言っている。生きるために進もう。」

泰伍はそう言い放ち、グループを確認した。続々と黒板に人が集まった。


グループA

蒼井真希、、、、、幸村薙、、

グループB

榎本信二、手塚勇、福岡来斗、渡辺潤、、、

グループC

秋本美玖莉、香西泰伍、白石夢、鈴岡瑠依、田中頼、時田駿、黛一華、湯川賢士

グループD

川口豪、村井浩太、、、、

グループE

河上元貴、長谷川海斗、、、、


薙と蒼井と離れてしまった。ショックが大きい。泰伍と一緒なのが唯一の救いだ。

「良かった。頼と一緒で。にしても、俺らCのメンバーは個性が強いな…」

「だね…」

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