7.アイドル呼び出し事件
最初にくれたファンレターは四年前で、それこそ私がまだ駆け出しの頃のものだった。ソロで地下ライブをやったりファッションモデルをしていた頃だったけど、ファンとの距離が近い活動だったからか、直接ファンレターをもらうことも何度かあった。おそらくその頃に直接渡されたであろう便箋が、事務所に保管している私宛のファンレターの中から見つかった。
こうして振り返ると、今邑さんからは何通もファンレターをもらっていた。何なら私はちゃんと彼女の名前も把握していた。ファンとしては認識していても、それが街中で知り合うかもしれない他人とはつながらないのが、アイドルとしての性というべきか。いやはや、アイドルという職業は罪な存在である。
「いや、単に薄情なだけじゃねーの?」
私の言い訳に、鯨波が容赦なくツッコミを入れてきた。
鯨波は私が持参したファンレターを斜め読みしながら、感心したように言った。
「はは、それにしても、一色ちゃんが実はアイドルだったなんてな。言われてみりゃ、テレビで一度見たことあるわ。結構有名な音楽番組出てたよな? これでも人を見る目はあるつもりだけど、案外気づかないもんだな」
「ほらそうでしょ? テレビの向こうの存在と現実の相手って、なかなか結びつかないものなんですよ。ましてや名前だけだったら、つながらなくてもおかしくないですって」
まあ、駆け出しの頃は直接ファンレターを渡されていたはずなので、覚えていないのは単に薄情なだけと言われても反論できないのだけれど。
そんなわけで、翌週の金曜日。
カフェ『アンバー』にて、私は鯨波と向かい合って昼食をとっていた。
勝手に同じ方法で待ち合わせ場所を伝えてしまったので、鯨波にもそのことを話しておこうと思ったのだ。今邑さんについては鯨波も興味を持っていたことだし、義理立てとして話しておかないと居心地が悪いという本音もあった。
「しっかし、探していた相手がドルオタで、しかも自分のファンだったってか。まるで運命みてぇだな。いいねぇ、そういう縁は実に良い。繋ぎ止めておこうとしたのは正解だと思うぜ、一色ちゃん」
「でも、ほんとに来てくれるかはわからないのですよ?」
むしろ、来ない可能性の方が高いだろう。
いくらファンとはいえ、いきなり場所だけ指定されて誘われたら警戒するのが当然だし、そもそも私はカジノの話を口にしてしまっている。普通だったら、二度と私の前に現れないようにしてもおかしくない。
「時間と場所がちゃんと伝わっているかも怪しいですしね。聞き間違いもあるでしょうし、急に言われて聞いてなかったってこともありえますから。待ち合わせの方法としては不確実すぎますよ、これ」
「一色ちゃんはそれで来たじゃん」
「まあ、そうなんですけどね」
我ながらよくこんな怪しい誘いに乗ったものである。
私の懸念に対して、鯨波はニマニマと笑いながら言う。
「カジノの話をしたから今邑ちゃんは二度と顔を見せない――って可能性も確かにありえるが、逆に、弱みを握られているからこそ、確認しに来るとも考えられねぇか?」
「でも、私はファンレター以外に彼女のこと何も知らないですよ? ファンレターには住所も書いてなかったですし。カジノという弱みを握ってても、当の彼女がどこにいるのかすらわからないから困っているのに」
「だが、それを今邑ちゃんは知らねぇだろ? どこまで秘密を握られているかわからない。その不安は、逃げ続けるより確認っつー選択を選ぶ理由としては十分だ。ま、あえて損切りとして二度と顔を見せねぇってのも、ギャンブルとしてアリっちゃありだがな」
さて、今邑環季はどっちだろうな、と鯨波はうそぶいてみせる。
続けて――彼女は何か良からぬことを思いついたように、いたずらっぽく目を細めた。
「何なら賭けるか?」
「何をです?」
「だから、来るか、来ないか、だよ。どっちに賭けるかは選ばせてやるからさ。負けた方は、これで手を打とう」
トントンと、鯨波はテーブルを指で叩いてみせる。指の先には開かれたメニュー表があって、この店で一番高い四千円のコーヒーが書かれている。
私はそれに対して、隣のページにある二千円のチーズケーキセットを指差して言った。
「コーヒーは苦手なんです。せっかくの賭けの賞品ですから、私が勝ったらこっちで良いですよ。ただし、二セット分で」
「お、なんだ。勝つ気満々じゃん」
そうこなくっちゃ、と鯨波は愉快そうに言った。
「じゃあ、どっちに賭ける? その様子だと、来ない方か」
「いえ、来る方で」
まるで前言を撤回するようだが、この賭けは始めからどちらに賭けるか決めていた。
「ほう。根拠は?」
「今日来なかったら、彼女は絶対に来ないと思うので」
「なるほど。そりゃ慧眼だ」
感心したようにうなずいた鯨波は、ちらりと腕時計で時間を確認する。時刻は十二時五十分のはずだ。賭けの結果が出るまでもう少し待つべきかと考えていた私に対して、鯨波の行動は早かった。
彼女はカウンターに向かった大きな声で注文を入れた。
「小金井さん。チーズケーキセット三つだ。これから追加で一人来るから、準備よろ」
「ちょ、まだ結果出てませんけど」
「んにゃ。さっき店の外でウロウロしてたし、もう来るだろ」
まるでそれが予言であったかのように、来店の鈴の音が鳴り、一人の女性が店の中に入ってきた。
服装はこの前とは違い、黒のジャンパーにベージュのスウェットパンツ。帽子を深くかぶり、こないだもつけていた赤フレームの眼鏡をかけて、キョロキョロとしている。
そんな彼女に、鯨波は堂々と手を上げて声をかけた。
「よぉ、今邑ちゃんだよな。こっちだこっち。他に客なんざ居ないんだから、迷ってんじゃねーって。お前が探してるアイドルのみやびちゃんはここにいるぜ」
「へ、ふぇ!?」
急に声をかけられた彼女は、ビクリと猫のように身を震わせた。あーあー、あんなに怯えちゃって。まあ、その怯えの一端は私の呼び出しにあると思うけれど。そこにいきなり知らない女から名前を呼ばれたら、余計にビビるに決まっている。
「み、みやびちゃん、と……誰……?」
きっと今にも逃げ出したいと思っているのだろうけれど、今邑さんは勇気を振り絞って私達のテーブルに近づいてきた。その様子を私はドキドキしながら待つしかなかった。
私と鯨波の正面に立った彼女は、椅子に座らずに周囲を気にしてキョロキョロとしていた。そんな彼女を尻目に、鯨波は目を細めていう。
「そう警戒すんなって。このアイドルみやびちゃんは、あたし以外にツレはいねぇよ。ま、そういうあたしが一番不審だってな。あはははは!」
「う、えと、うぅ」
どうやら言いたいことをすべて言われたようで、今邑さんは恐縮したように更に縮こまってしまった。ううむ、警戒するのはよく分かるけれど、これでは埒が明かない。
さて、どう声をかけたものかと私が迷っていると、鯨波が視線を巡らせながら言った。
「ふぅん、今邑ちゃんの方にツレはなし、か。用心棒代わりに誰か連れてくるかと思ってたが、そういうのは無いみたいだぜ、一色ちゃん」
「そんなこと気にしてたんですか。抜け目ないというか用心深いというか……」
「何言ってんだ。仮にも闇カジノのディーラーだぞ。お互い後ろ暗い所があるんだから、口封じを考えてもおかしくないだろ。なにせ、一方的に秘密を握られてるんだからな。秘密の程度によっちゃ、ここで刺されたっておかしくないことしてるんだぜ」
「それはそうですけど――」
闇カジノ通いのアイドルと、闇カジノ勤務のディーラー。どちらも非合法の場所に入り浸っているというやましい秘密を抱えているのは事実だ。
私は勝手に、身の破滅という意味ではアイドルである私の方がリスクは大きいと思っていたけど、仮に今邑さんにとってのディーラー業が、バラされるくらいなら殺してでも守りたい秘密であったなら――鯨波の言う通り、ここで刺されたっておかしくないわけだ。
なので、私は小首をかしげながら聞いてみた。
「私、今邑さんに刺されるの?」
「さ、刺しませんよ!」
食い気味に否定された。どうやら私は刺されずに済むらしい。
一人で勝手に安堵していると、今邑さんが震えながら口を開いた。
「その……言いませんから」
「ん?」
「みやびちゃんが、闇カジノに出入りしていることとか、歌舞伎町のホストに入れ込んでいることとか、インテリなヤクザと付き合いがあることとか、金遣いが荒くて多額の借金があることとか、闇営業で、ま、枕まがいのことをしているなんて……今邑、絶対に言わないから」
「ま、待って待って」
あれ、おかしいな。
秘密にしてくれるのは嬉しいけれど、なんだか身に覚えがないことがいくつも言われているんだけれど……。これはあれか、有る事無い事ぶちまけられたくなかったら、どうすればいいか分かっているよね、とい類の脅迫か?
「なんで私、知らないことで脅迫されてるの……」
「え? や、やってないんですか?」
「せめて借金と枕は否定させて」
借金はこないだ耳を揃えて返済したんだよ。
枕は……そこまでするほどアイドルに執着はしてないんだわ。
全力で否定する私の横で、「でもカジノ狂いとホスト同伴はほんとだよな?」と横から茶々を入れてくる鯨波。うるせぇ、何だったらインテリヤクザと付き合いがあるのも事実だわ。改めて考えると、満貫くらいは
私と鯨波がやいのやいのと言い合っているのを前に、今邑さんは状況についていけないで終始オロオロとしている。まるで多人数の会話で急に内輪の話題で盛り上がってしまってついていけなくなった可哀相な人みたいだった。
不意に、鯨波が話の矛先をそらした。
「っていうかさ、今邑ちゃん」
「な、何でしょう?」
「のこのこと一人で顔を出したアンタの目的はまだわかんねーけど、それは置いておいてだ。こうやって呼び出されておきながら、最初に言うのが相手の弱みを守るっつー宣言なんだな」
言われてみればその通り――交渉するにしろ逆に脅迫するにしろ、弱みを握られている今邑さんは真っ先にやるべきことは、私がどこまで情報を握っているかを探ることのはずだ。
それなのに彼女は、自身の保身よりも先に、私を気遣ってきた。
曲がりなりにも、秘密を握られている相手を守ろうとしたのだ。
一体どういうつもりなのかと問われた今邑さんは、「だって」と口を開いた。
「だって――推しが燃えるとこなんて、見たくないので……」
「…………」
思わず黙り込んだ私に、鯨波が耳打ちしてきた。
「……なあ、一色ちゃん。『オシ』ってなんだ?」
「後で教えますからちょっと黙っててください、鯨波さん」
私は今、猛烈な罪悪感を覚えているので。
この呼び出しが、アイドルとしての領分をはみ出していることは百も承知で、私は今邑さんに声をかけた。けれども、彼女はそんな私を、まだアイドルとして扱ってくれているのだ。
闇カジノで出会った客からの一方的な誘いとして、ではなく。
推しアイドルのスキャンダルになる秘密を握ってしまった、と心配してくれた。
「――ねえ、今邑さん。あなたは、私が脅迫するって少しでも思わなかったの?」
「お、思いました、けれど……」
彼女は目を伏せながら、正直に答えてくれた。
「今邑は、脅迫されても失うものが少ないですから。それより、みやびちゃんが今邑なんかと知り合いだって分かったら、絶対に問題になる……。そんなの、嫌だもん。これを理由につきまとったりなんかもしないです。今邑は、みやびちゃんを応援したいだけで迷惑はかけたくない。だから、このことは胸にしまいます。もし今邑にやらせたいことがあるならなんだってやります。だから、この出会いはなかったことに――」
「待って」
今邑さんの言葉を遮る。
そのまま言わせてしまうと、彼女はまた私の前から姿を消してしまう気がした。そんなのは嫌だ。心の奥にある感情が、とりとめのない言葉となって口から出る。
「誤解しないで、私は今邑さんを困らせたいんじゃない。ただ、あの日のルーレットが忘れられないだけなの。負けっぱなしは悔しいし、あのまま居なくなられてびっくりしたから、つい見かけてしまって声をかけたというか、ええと、もう一度見たかったというか」
ああもう、このポンコツな頭め。普段はどうでもいいことをつらつらとしゃべるくせに、肝心なときに言いたいことが言えない。
私が彼女に執着する理由。
あの日見たルーレット。正確無比でいて、微細な調整の上に成り立つ業。完成されたパフォーマンスというのは、全く同じであるということではなく、同じ結果を引き起こす匠の技であることを、私はあの時に見せつけられた。
それは賭博という深い霧の中に、希望という標識を立てる所業だった。
私は、もう一度それが見たくて。
そして、私は――あんな技術を持つ人間に、興味を惹かれた。
「今邑さんのことを、もっと知りたい。そう思ったの」
「え、えぇええ!?」
気づけば、私は今邑さんの手を握っていた。
すがるように、しがみつくように。
私の真っ直ぐな気持ちに、今邑さんは動揺したように目を泳がせる。
横では鯨波が「お熱いね、ひゅーひゅー」と茶化しているが、知ったことではない。こういう気持ちはごまかしては駄目なのだ。感情を表現するアイドルとしての経験が証明している。望みから目をそらしては欲しい物も手に入らない。魚心あれば水心。真っ直ぐな気持ちっていうのは伝わるものよ。
さあ今邑さん! 答えは!?
「み、みやびちゃんだ。みやびちゃんに見られてる。顔ちっちゃ……目大きい……そ、それに、推しに手を握られてる。やば、手、めっちゃ温かいんだけど……推しの体温すごい。うぅうう、これからチェキも……ち、違う、これ握手会とかじゃなくて、何このファンサ、幸せすぎて怖い。今邑死んじゃう。じゃなくて、えと、えとえと」
「…………」
思った以上にガチ度の高いファンだった。
ライアーコイン、比較的女子のファンが多いユニットなので、こういう反応も珍しくはないけれど……まずった、アイドルとして見られてしまうと、ファンとしての今邑さんしか見えてこないから、私の目的と合わなくなってしまう。
そうじゃなくて。
「私は今邑さんと友だちになりたいの。あんなすごいルーレットのディーラーが、どんな人なのか知りたい。そう思うことは駄目?」
「そんな……今邑なんかがみやびちゃんの友達なんて恐れ多くて……今邑なんて、言われたことしか出来ないグズだし、みやびちゃんみたいにキラキラしてないから、友達なんて……」
「そんなことない」
何を言ってるの。
あんなにすごいことができるのに、なんでこんなに自信がないの。
「ルーレットのディーリングをしている時の今邑さん、すっごく輝いてた。私は、あれを見てあなたのファンになったの。今邑さんは私のファンかもしれないけど、私だってあなたのファンだよ。ファンが目の前にいるのに、自分なんて、って言わないで」
「今邑の……ファン?」
「そう」
ああ、やっと私はこの気持ちの名前を見つけた。
これは推しだ。
私は、このカジノの女王を推したいのだ。
「お互いのファン同士、仲良くしたいって思うのは駄目かな?」
「そん、なの……」
目を見つめる。
眼鏡のレンズ越しに揺れる瞳が、次第に焦点を合わせて見返してくる。全身に満ちていた拒絶感が緩和され、緊張がほぐれていくのが見て取れた。
恐る恐る、今邑さんは口を開いた。
「駄目なんかじゃ、無い、です……」
その場でガッツポーズをしないくらいには、私の理性は仕事をしていた。
ちょうどよいタイミングで店主の小金井さんがチーズケーキセットを持ってきてくれた。新しい友達が出来たお祝いにはうってつけだった。
この素敵な出会いに乾杯。だなんて、浮かれながら。
私は今邑さんと友だちになれたことを無邪気に喜んだ
■■■
その出会いが直に崩壊するものであると知らずに。
私は無邪気に喜んでいた。
■■■
「――それが、あなたと今邑環季との再会だったわけですか」
淡々と事実を確認する口調は、氷のように冷たかった。
薄暗い事務所の中、不協和音として悲痛なうめき声だけが断続的に響いている。
「やめてくれ、うぁ、お、俺は知らない。命令されただけ――ぐぇ」
痛みを訴える動物的な唸り声は、すぐに蹴りが飛んで無理やり黙らさられた。
その一連の暴行を後ろに、私は懸命に正面を向く。
上實一家の事務所。
そこで私は、代貸の櫻庭誠司と向かい合っていた。
空気が重い。
どんよりとした空気は、胃の奥底まで満たしてなお、消化できない重さを含んでいる。
決して友好的な空気では無い。
櫻庭さんの目つきは射殺さんばかりの険しさだ。威圧的な態度に身がすくんでしまう。普段のしかめ面が菩薩に見えるほど、彼は眉間にシワを寄せ、膝の上で組んだ両手を見つめている。
「つまり――」
正面を向く私に対して、櫻庭さんはうつむいたまま、目線を合わせずに確認をする。
「一色さんと今邑環季が友人関係となったのは、あくまで偶然であると」
「……そうです」
まるで鋭利な刃物を首筋に当てられているかのようだった。
深く呼吸が出来ない。自然と浅くなる呼吸を必死で隠しながら、私はせめてもの抵抗に正面から桜場を睨み返す。
そんな私の精一杯の抵抗を、櫻庭さんは意に介さずあっさりと言う。
「そう気を張り詰める必要はありません。別に、一色さんを責め立てるつもりはないのですから。むしろ私は、あなたの力になれると考えています」
「そんな空気には思えないのですけど」
「お見苦しい所を見せて申し訳ないとは思っていますよ。一色勘九郎さんの姪御さんに失礼な真似をしていると思いますし、そもそも、こんなものはカタギさんにお見せするべきではない。とはいえ――深刻さは、共有していただかないと」
なにせ、人がひとり死んでいるのですから、と。
櫻庭さんは顔を上げ、濁った瞳を向けてきた。
――ああ、なぜこんなことになったのか。
一ヶ月前に環季ちゃんと友だちになったときには、こんなことになるとは思いもしなかった。闇カジノ通いのツケ。裏稼業と関わる火遊びの代償――色んな原因があるだろうけれど、一番の問題は、環季ちゃんが抱えた問題に気づけなかったことだ。
後ろで暴力が振るわれる音が響く。ずっと殴られているのは、中華マフィア『无影』の構成員という話だった。中華マフィアと言っても、在日三世ともなればほとんど日本人と変わらない。日本語でわめき続ける声も次第に弱々しくなっていく。殴打の鈍い音が耳に入るたび、みぞおちの下辺りに疼痛が走り、うずくまりたくなる。
フラッシュバック。気が遠くなりかける。
「話を整理させてください」
深呼吸。こめかみを指で叩く。ルーティン。恐怖心はそのままに、意識だけを俯瞰させて努めて冷静であろうとする。自分を見失いそうになる時、私は自分を切り離す。
ああ、整理しよう。
環季ちゃんと再会して友だちになって、そこからを整理しよう。
それが私と環季ちゃんが敵対する理由になったとしても、目をそらすべきではないのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます