マッチョはウザい

何でマッチョはウザいと感じるのか考察をしてみたのだが、多くは妙な自信がある事に起因するのではないか、と考えに行き着いた。以下は思いつく範囲で書いてみたものである。


・マッチョは自信家である。


マッチョがどれだけ自信家であるかは、マッチョ社長の本でも読めば分かる。自己愛の塊というか過剰とも言える自信、普通の人はどん引きだが、一定数ああいう言い切る人に引っ張って貰いたい人間がいるので人気なのだ。他にもマッチョたちのSNSを眺めていると妙な自信を持っているのがわかるだろう。


なんでこんな自信家が多いのかと考えてみると、彼らの自信は筋トレでマッチョになれた成功体験が自信に繋がっているのだ。妙な自信、と書いたのはどこか違和感を感じるからである。


仕事で成功したわけでも、異性にモテたわけでもないのに、筋トレで培った自信でだけで俺はデキるとアピールするのだ。(成功した、異性にモテたと書く人もいるが、何故か具体的に書かれていないのが何か多い)


それだけでなく、妙な自信を持っているので否定的意見を伝えても客観的に受け取らず、自分に都合の良い解釈ばかりする。極端な事を言えば、女性がアナタなんて嫌いと言っているのを、彼女はツンデレなのだね、という異次元な解釈をするのである。自己愛の塊なのである。


かく書いているワタシ自身、筋トレまにあだった時、他者から非難されても、ふんお前みたいなガリ(もしくはデブ)なんざ俺のマッスルで一発だぜ、と中二病のような考えを持っていたのをここで懺悔しておこう。



・マッチョは自己顕示欲の塊である。


マッチョのSNSを見ると、これでもかと自分の上半身を見せて君もこうなりたいだろう?と写真をさらしている。あのな、男の上半身なぞ見たがる人がどれだけいるのかマーケティングしろ。あー恥ずかしい、昔の自分思い出すわ。


男という生き物は筋肉にどこかあこがれがあるので、自分の肉体に筋肉が見え始めると、その盛り上がった肉体を他者に見せつけたくなるのである。だからSNSでとにかく上半身の裸身を晒す。



そして、その自己顕示欲はSNSで飽きたらず、外出でもピチピチの服を着て自分の肉体を誇示するのである。特に夏はタンクトップを着たがる、暑苦しい、見るだけで3℃くらい気温が上昇しそうである。


マッチョは他者からどう見られているか、という視点に欠けており、たとえ周囲が奇異の目で見ていても、事実をねじ曲げてみんなが俺の肉体美を見ている、と自分に都合の良いものに解釈するのである。現実を直視しない、このへんがマッチョはストレスフリーと主張する根拠のひとつかもしれない。



・マッチョは脳筋である。


脳筋とは考えるよりも先に行動するタイプを揶揄する言葉で、海外でもmusclebrainというほぼ同様の言葉があるのは意味深い。マッチョの脳筋ぶりは体育会系とはまた違った脳筋ぶりを発揮する。体育会系は上の指示通りに動くタイプであるが、マッチョは自分の筋肉との対話に注視し、なおかつ妙な自信を持っているので、他者の話を聞かずただ自分の考えで猛進するのである。


SNSとかのマッチョの文章を読んでいると何かズレている、インテリジェンスが感じられない、というのはこの辺から来ていると思われる。インテリジェンスのあるマッチョは少数で、そんな人はまず筋トレを一歩引いて見ている。



・マッチョの筋肉が理解できない。


マッチョは筋肉を付けることに余念がない、筋肉のことばかり考えている。マッチョ本人は否定するだろうが、他者からそう見られている。一般人はその異様に盛り上がった筋肉を理解できないのだ。


格闘技やスポーツのため、なら理解はできるが、ただ筋肉のために、となると理解できなくなるのだ。そこに生産性が見えてこないからだ。一般認識としては筋トレは手段であるのに、マッチョは筋トレが目的となっている。そこが理解できない。


マッチョはただ真摯に魅せる筋肉を作りたい一心なのだが(そこは尊敬する)、悲しいかな、一般人は理解しがたいことは理解する努力より排除することを選択する。


だからといって虐めに走ったりすると逆に殴られそうなので、とりあえずマッチョから一歩引くのである。そして裏で悪口を言う。この理不尽にはマッチョに同情する。ワタシも陰で悪口を言われたものである。あいつは所詮見た目だけの筋肉だとか、誰それに比べたら大したことないとか、うんざりしたわ。


また、理解しがたい筋肉があるというのはそれだけで脅威を感じさせる。大男が近くにいるだけで威圧感を感じるようにマッチョも同様で脅威に近いものを感じる。



・マッチョは体型がおかしい。


ガチマッチョの身体を見ていると何か違和感を持つ。これは何だろうと考えていたのだが、日本人の体型に起因するのではないかと思っている。日本人は悲しいかな、あまり背が高くなく、胴長短足である。そこに筋肉が増強されるとずんぐりむっくりする。


だからバランスが取れる範囲である細マッチョが日本で好まれるのではないかと考えている。


ちなみに、海外のロードバイクの選手は細身である印象であるが、実際はかなり筋肉質である。これは背が高く手足もスルリと長いので、筋肉があってもバランスが取れているのである。逆に日本人選手を見ると、背が低く、胴長短足に筋肉が付いているので、よけい短足に見える。実に悲しい。



・マッチョは日本文化的に異端である。


平安時代から女性に人気のある男性像はどちらかというと女性よりの筋肉とは無縁のひとである。現代日本でも女性からの人気はフェミニンな男性であり、筋肉だるまの男なぞ人気はない。現に女性雑誌のアンアンのアンケートで理想の男性の体型は細マッチョであり、逆にマッチョは僅差でデブに勝つ程度である。


ゲームや漫画でマッチョが細マッチョに一発でやられるのは、つまりそういう文化圏ゆえにである。現実は逆なんだけどね。


だいたい、マッチョは細マッチョをバカにしているが現にモテるのは細マッチョである。それを認めないなら、女性のガチマッチョを見て異性として興奮するか?女性として違和感を感じるだろ、女性だって同様に異性としては細マッチョがいい。それと同じ感覚を普通の人は持っているのだ。


すまん、なんか只のマッチョの悪口になってしまった。ただ筋トレに関しては彼らは真摯なんだ、魅せる筋肉を育てたいだけなんだ。只、それを理解なんて誰もしたくないのを理解デキないのだ。そんな思考だからウザいんだけど。

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筋トレ雑感 @tourou13

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