第3話 楽譜取込結社 我部理得との出合い

「あぁ、暇だな――」

「あぁ、そうだな――」

暇すぎる。一般人と関わると危険で、俺とバルトだけでこの1週間を過ごしてきた。そして、今日も学校が終わり2人で帰っていた。帰りに近くのゲームセンターに寄って少し遊んで変えるのが習慣になっていて、そろそろ遊び飽きたので、公園のブランコでボケ~っとしていた。するとそこへ一人の女が近づいてきて、こう言った


「≪レクイエム≫」


それと同時に僕たちの周りが一瞬にして霧に囲まれていた。すると、子守唄のような音楽が流れ出して、僕達は同じ能力者の仕業ということに気づいた。子守唄を聞いていると頭痛や吐き気が襲ってきて、二人は急いで能力を開放した。


「≪魔王≫」

「≪四季≫」


「急いでここから逃げるぞ、バルト!」

「ああ、異能力「春」の嵐で霧をぶっ飛ばす!!」

そうしようとした瞬間霧が消えていった。

きっと、あの女の仕業だとわかった。

「やはり、君たちも私と同じ楽譜取込者なんだね!」

 「問答無用!!」

バルトは女の話を聞くまでもなく殴りかかろうとした。

「ちょっとまって!!私は敵じゃない!驚かせてごめんね!私の名前は我部理得。みんなからはリエルと呼ばれているわ。一週間前歩いてたら物凄いスピードで走っている君達を見かけたから、これは「MSI」ってすぐ気づいたわ。」

そう、僕達はこの女の人にマラソン大会の時見られていたのだ。ってMSIってなんだよ!


「あぁ、マラソン大会の時見られてたのか...ってバルト!お前が大きな声で話しかけてきたからバレたんじゃないか!」


「俺は普通に話してただけだ!修魔が風の様に走ってるのが悪いんだ!!」


「まぁまぁ、ふたりとも落ち着いて」

と女の人は苦笑いをしながら言ってきた。

「とりあえず、私の言うことを聞いてくれないかな?私は楽譜取込結社というとこに所属してるんだけど、そこには君たちと同じ楽譜取込者がいるんだ。私達の結社は楽譜を使って悪いことを企んでる人達を止めるために作られたの。だから、二人の力を貸してちょーだい!」

リエルさんはそう言ったが僕たちは高校生だし、その結社が信用できるものとは限らない。だけど、リエルさんは悪そうな人ではなさそうだ。年は僕より2個上くらいで、スタイルは抜群、しかもとても美人。これはリエルさんとお近づきに慣れるチャンスじゃないか。よしその結社に入ろう。そう決意して


「リエルさんその話乗りましょう!いいだろ、バルト!」

「確かに、楽しそうだ!他の能力者にも興味あるし!」


「本当にありがとう!私達の結社に入ってくれて!!私の事はリエルって呼んで!詳しいことは私達の基地で話すわ。それじゃあ、行きましょう!ちなみに能力者じゃなくて、私達は楽譜取込者名付けてMIS(Music Score Importer)って呼んでるわ」


「なるほど、分かりました!それじゃあ行きましょう!」


そして、僕とバルトは楽譜取込結社に入ることになった。それと、リエルさんとお近づきになるという目標が俺の中でたてられた――

 ちなみに、リエルさんは「ガブリエル・フォーレの加護【レクイエム】」を持っているらしい。

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