第2話 丸宮把瑠都との出会い

キーンコーンカーンコーン...

学校のチャイムがなり1時間目が始まろうとした頃、あることを考えていた。この能力は良いことにも悪いことにも使うことができる。あの老人は、他にもたくさんの楽譜を買い占めたと言っていたが、それを全部バラ撒いたとも言っていた。つまり、その楽譜を手に取った人は確実に僕と同じような能力を手に入れている。つまり、その能力を良いこととして使ってればいいが、悪いことに使われていたら....

「おい梶山、なにボーッとしてるんだ。そんなんじゃ、いい大学に行けないぞ」

周りの生徒からの視線が僕に集まってきた。僕が入学して2週間たったが、相変わらずクラスには馴染めない。って全部この能力のせいなんだよぉ!そんなことを考えていると、気づいたら授業は終わっており、チャイムが再び鳴った。

キーンコーンカーンコーン...

 次の授業は僕の好きな体育だ。今日は一年に一回のマラソン大会だが、もちろんずるつもりだ。僕の能力「魔王」を使えば確実に1位になれる。マラソンの道は校区外だから人気のないとこで能力を使うつもりだ。

「位置について〜、よーい」

やってやる!

「パァアン!!」

雷管の音と同時に生徒が一斉に走り出す。

「<異能力魔王!!>」

それと同時に能力を開放して物凄いスピードで走り出す。気づくと周りに誰も居なくなっていた。...とそう思っていたら、後ろからすごいスピードで追いかけてくる者がいた。

同じクラスではないってことは、他クラスの生徒だ。なぜ僕の速さについて来れるのかととても疑問に思っていた時、彼は追いついてきた。


「やっほー!君も能力者なんだね!最初ものすごいスピードで走っていったからこれは俺と同じ能力者だって直ぐに分かったよ!!」


とオレンジ色の髪の毛をした彼はそう言ってきた。僕の速さについて来れるのは能力者しかいない。つまり...やっと僕と友達になれる人間を見つけたってことだっ!


「僕と同じ能力者なんだ!僕の名前は梶山修魔。シューベルトの加護「魔王」を使う能力者。あなたは誰の加護なんですか?」


「俺の名前は丸宮把瑠都!バルトって読んでくれ。俺の能力はヴィヴァルディの加護「四季」を使う能力者!」


...と彼は言ったが、四季とはどんな能力なんだろうか、、

「あの、四季ってどうゆう能力なんですか?」

「僕の能力は主に「春、夏、秋、冬」と4つに分けられているんだ!春は嵐、夏は雷と雹、秋は植物を成長させる、冬は吹雪。この能力は1日に1種類しか使えないんだ。今日は「春」を使ってるよ!今日はマラソン大会だから自分の背中に小さい嵐を発生させて、その反動で走ってるというか、若干飛んでるって感じだよ」

 

 その能力を聞いた瞬間1つ分かったことがある。バルトが持っている能力はヴィヴァルディの曲にある「四季」の歌詞から来てることだ。つまり、能力者は歌詞に関連する能力を持っているのだ。

 そして話をしている内に気づいたらゴールしていた。1位は俺とバルトで同時にゴールをしていたらしい。


...突然ゴールした途端眠気が襲ってきて気づいたら、俺とバルトは保健室のベットで寝ていた。

「それにしても、能力を使い続ければ負担がデカイんだな」

「そーだな。疲れちまったー...って

そうだ!このまま授業サボろう!」

とバルトはそう言って僕たちは保健室のベットで能力のことやいろんなことを話していた。


そして夜


家に帰って、ベットで寝ようとしたとき異変に気づいた。腕の魔王の刻印が紫色に変色しかけているということに。そして、とんでもない能力が生まれようとしていることは誰も知る由もない。

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